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小話:思い出

コロナ軟禁生活が続くと、体調が回復するにつれ暇であると感じる時間が長くなる。

そんな時に限って人間はろくなことを考えない動物である。

昔付き合っていた彼女のことを思い出してしまうのである。

だから男はろくでもないのである。

好きだった人との中途半端な別れは、未練しか残さない。

彼女は元気なのだろうか
結婚したのだろうか
子供はいるのだろうか

その雑念の中に私自身が入り込まないのが唯一の救い。妻帯者としての最低の礼儀であると信じている。

それでもやはり男はろくでもない生き物だ。
なにかと理由にして逃げようとする。

私もそんなろくでもない男の一人なのだと思わざるを得ない土曜日の夕暮れ時

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