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他人が求めるものって…?ドラマ『今夜すき焼きだよ』を見て

久々に開いたNetflixで、とあるドラマ作品にハマった。

『今夜すき焼きだよ』。癒やされるというか、元気をもらえるというか、なんだか前向きになれる作品である。

作中には、タイトルから推する通り、食事に関するシーンがたくさん出てくる。しかし、同ジャンルの多くの作品がそうであるように、食べ物ばかりについて描かれているのではない。

ある人間がこれから生きていく上で直面する可能性のある、あるいはこれまで生きてきた中で直面したことのあるモヤモヤについても描かれる。それも、劇的すぎず、落ち着いたトーンで。

その中で、特に最近の自分に刺さった言葉が一つあった。

若干のネタバレになるかもしれないが、それは、主人公の一人である「あいこ」に対して、もう一人の主人公である「ともこ」が発するこの言葉である。

「あいこちゃん。ゆき君の望む家庭って何?
ちゃんとゆき君の口から聞いたの?
あいこちゃんの推測だけで語ってない?」

今夜すきやきだよ エピソード9:第9話 具だくさんの手巻き寿司パーティー
テレビ東京・BSテレ東. 3月3日放送. テレビドラマ.
谷口菜津子・著. 新潮社コミック原作『今夜すきやきだよ』.

相手が望むものを推し量って、それに応えられないと自分で判断する。相手の態度を決めつけて、何かを諦めてしまう。身に覚えがあり、私にもグサッと刺さった。

相手が期待する基準を自分が満たしていないと判断し、その相手と距離を置く。

どうせこういう反応をされるからと、初めから交渉を諦める。

ここまでは今週中にやらないとお客様は納得しないだろうと、何となくの期限設定をし、仕事でも自分の首を絞める。

相手は〇〇を期待しているのだろう、と推測するまでは良いとして、そこから話もせずに決めつけてしまうのは、思えば自分勝手な話である。

最低限これくらいはやらなければいけないのだ、と自分で勝手に基準を決めて、自身を追い詰める。それは、相手に失望されたり怒られたりするのではないかという不安、あるいはそんな事実を自分に突きつけられることへの恐怖から来ているのかもしれない。

振り返ると、その上げたハードルには、不安や恐怖だけがまとわりつき、他の根拠は一つも無かったのではないかとさえ思う。

ついでに言えば、自分に対する決めつけもあるだろう。自分は〇〇だからきっと△△はできない。××さえできないなんて、私はダメな奴だ。そう思い込んで、できる方法を探らずに、諦めてしまう。

漠然とした不安や恐怖に支配されたときに、自分や他人について決め込んでしまう悪いクセがある。そのように、気付かされた。

自分を見つめ直す時期に、ドラマに励まされ、自分について省みることができた。とっても素敵なことじゃないか。

もっともっと、自分や周りのことに、ちゃんと向き合いたい。

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