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社会福祉士国家試験一発合格の勉強法 〜ロストジェネレーション世代としての決意〜

福祉の仕事は、いろんな意味で異世界だった。

福祉業界に飛び込んだ私を待っていたのは、40人あまりの障害者の中で一日中一緒に生活するということ。
福祉サービスを利用しているお客様であり、クライアントなわけで、業界では、「利用者」「利用者」と呼んでいる。
これにも、はじめはすごく違和感があった。
なにせ、みんなでお昼ご飯を食べている間、ずっと、私の横で繰り返し同じ話題を話していたり、ぴょんぴょん飛び跳ねていたり、ずっと歩き回っていたり。。。
「利用者さんだから」の一言で片付ける先輩。
障害者とか、利用者とか言う前に「人」でしょ?、と思ったりもした。
利用者の不思議な行動も落ち着かないが、福祉しか知らないスタッフの、利用者だから出来ないとか、仕方がないとか、決め付け発言にもギャップを感じだ。
どうしてこうも、傷の舐めあい、馴れ合いな感じなんだろうか?と。

就職困難な超氷河期世代として

さてここで、話をずっと前に戻す。
私の就職した時代は、超氷河期の就職困難時代。
美大を出た私を待っていたのは、高学歴はいりません、と広告会社、印刷会社にことごとく門前払いされる日々。
今までやってきたことは何だったのか?
勉強すればするほど、ダメなのか?
そんな思いが、社会不信となり、会社はおろか社会さえも、私を何もなかったように扱うのか?

誰も助けてくれないなら、こちらは勝手にやらせてもらうよ。
誰よりも働き、誰よりも優秀で、自分の名前で仕事がくる、そして、頭ごなしに厄介払いしてきた人を見返してやろうじゃないか!
そんな復讐心・狂気にも似たモチベーションで、札幌でのアルバイト生活を1年続けたのち、なんとか東京のデザイン会社で働くことになった。

なぜ、こんな話を突然するのかというと、転職した福祉業界でも、実力を見せて認めさせてやる!とガツガツしていたから。
その力の原動力は、実は22歳の頃の超氷河期時代を生き残るために、会得した、人の2倍も3倍も働いて当たり前、実力がなければ蹴落とされる不安、逆に実力のない同僚が去っていく安堵感、という弱肉強食な考え方。
それを、福祉業界で当たり前の生存権や幸福、平等の世界に持ち込んでいった。
今思えば、物怖じせず、何があっても諦めず、相手を理解しようと必死に頑張ってこられたのも、その必死さがあったからだと思う。



今、私達の世代をロストジェネレーションと呼んでいる。


カッコいいネーミングだが、失われた世代というよりも、実際は、見捨てられた世代。いつも私達の世代が社会問題となり、報道され議論され制度や法律が作られるが、整備された頃には、次の世代が対象となっていることが多い。
その例として、若者サポートステーション(通称:サポステ)が良い例だと思う。2009年に対象年齢を35歳から引き上げ39歳以下としたが、サポステの存在を、当時どれだけのロスジェネ世代が知っていただろうか。。。
今や、ロスジェネ世代は、40歳を超えている場合が多い。
氷河期に就職に失敗すると、社会不信をもち、やる気を失うこともある。
頑張って仕事をしても、会社での昇進ルートからはずれたり、結果が出せず退職し、ニートや引きこもりになったりしている人も多い。
自分から探さなければ、サポステにつながることはなかなか難しいと思える現状で、氷河期世代が意欲的に繋がるだろうか?親が引きこもりの息子を連れ出しているのではないだろうか?

結婚し子供もいてフリーランスとして自由にやってこられた私は、ある意味勝ち組と妬まれているかもしれない。
これから、私達の世代が高齢者となる時、きっと大きな問題となるだろう。

そんな中、私はロスジェネ世代の一人として、前に進み続けるしかない。
「大学に行けば安定した仕事に就ける」だとか、「一軒家を立てて家族を養っていくことが男の使命」だとか、「公務員なんて安月給で大変なだけ」だとか、すべて幻想だった。
ごく少数のロスジェネ世代だけが、安定と幸福を手にし、多くのものがワーキングプアギリギリで生活している。
年下の上司に将棋の駒のように使われ、毎日、精神を擦り減らして生きている。

このままでは終わらせられない。
自殺した友人達に、あの世で顔を合わせられない。
自分で掴み取るしかないのだ。

そんな思いが、私のコアな部分に確かに存在し、それが原動力として働いている。

私のベースとなっているもの

今の会社でも同世代と呼べる同僚は少ない。50代と20代、30代は多くいる。大卒で正社員採用になった若手も多い。

だからこそ、私のような生き方をしてきたものが、希少種扱いされ続けるわけにはいかない。
元デザイナーという肩書がなくても、福祉の業界で立派に仕事をしていかなければならない。
そんな強い思いが、社会福祉士資格を取得するに至った経緯である。

前回の記事に書いた私の自己紹介を読まれた方は、福祉業界への転職5年の節目、という気軽な感じで、社会福祉士に合格しちゃいました♪という軽い印象を受けるかもしれない。

しかし、私の人生観や考え方の根底にあるのは、ここに書いたロストジェネレーション世代の苦悩と憤りがベースとなっていることを知っていただきたい。
たぶん、今後書く記事も、どこか、諦めに似たネガティブさが滲み出てくるかもしれない。
しかし、それで良いのだと思う。
社会による痛みを知らなければ、社会により虐げられている人を、親身に支援することは出来ないのだから。

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第31回社会福祉士国家試験に一発合格した私の勉強法をまとめていきます。ほかに、福祉のこと、支援のことも書いていきます。