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因幡の白兎、神となり社に鎮座するまでの物語 1 因幡の白兎、オオクニヌシノミコトに助けられ奇妙な境遇になりし話
初めまして、わたくしはシロナガミミノミコトと申します。
ピンとこない方も因幡の白兎と言えば思い当たるのではないでしょうか。
ちなみに『古事記』では稲葉の素兎となっております。
読み方は同じですよ。
今は白兎神社に鎮座し白兎大明神、大兎大明神と呼ばれております。
人間の歴史書には、わたくしとオオクニヌシノミコト(大国主命)とのエピソードは記されていますが、その後助けられた白兎がどのようにし
因幡の白兎、神となり社に鎮座するまでの物語 5 国譲りのあらましとスサノオノミコトより賜りし鉢巻の正体を知る話
「交渉がさっぱり進まないというか始まりさえしないので、高天原側が新しい使者を送ってよこしたんだ。ええっと名前は……タケミカヅチノカミ(武甕槌神)とフツヌシノカミ(経津主神)だった。主に交渉したのはタケミカヅチノカミだったけどね」
身を固くしてしまいました。
いったい、どのような方なのでしょう?
緊張して長い耳を傾けておりましたが、オオクニヌシノミコトは両腕を胸の前で組まれ複雑な表情になられま
因幡の白兎、神となり社に鎮座するまでの物語 6 諏訪でタケミナカタノカミと再会し、護法神と知り合う話
傍らに置いた木箱をご覧になっておいでなので、お土産を差し出しました。
「スセリビメからの贈り物です。出雲からはるかに遠い国へ行かれてお寂しいでしょうから、お慰めしたいとのことです」
タケミナカタノカミが、しんみりしたご様子で受け取られました。
「おふくろ様が……そうか、ありがたいなあ」
大切そうに木箱の蓋を開けられて中をご覧になり、いかつい男神が固まりました。
わたくしは出雲で中身を見て
因幡の白兎、神となり社に鎮座するまでの物語 7 白兎神、仏法を妨げんとする悪鬼と戦い、ついに故郷へ帰る話
ひらめきました!
剣を鞘に収めて、大急ぎで背中の袋から〝御教訓集〟を出して開いたのです。
「そんなもん、どうするのよ?」
悲痛な鉢巻きの問いに、わたくしは急いでまだ読んでいないところを片っ端から開きながら答えました。
「もしかしたら、どこかに呪いを解く方法があるかも。えっと〝夜目遠目傘のうち〟〝棚からぼた餅〟〝岡目八目〟〝花より団子〟……駄目だ〜!」
「きゃー、もう膝の上まで石よ〜!」