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秋の匂い

外出をする時はマスクをするのが当たり前

そんな世の中になって、3年が経つ。
感染症が全世界へと広がると同時に
社会人になった私は常に感染対策と共に
社会人生活を送っている。

けれど3年経ってもやはりなれないのが、
マスクだ。

マスクで空気が上手く入らず浅くなる呼吸。
食事の食べ物が香るマスクのなか。
マスクの毛羽立たちで痒くなる鼻。
マスクが擦れて肌荒れを起こす頬。

挙げればキリのない顔面の異常事態。

そんなことで外せるはずもないマスクに
3年経った今でも慣れずにいる。

蒸し暑くこもってしまう夏をすぎ、
幾分か暑さの去った秋に移り変わるこの頃。

人気のないところでは適度にマスクを外し
息抜きをするのが密かな安らぎとなっている。

今日も人気のないところで外すマスク。
太陽が暖かいながらもひんやりとした
風が吹く午後。

ふと鼻を掠める香りがする。

なんだろうかと当たりを見渡し、
鼻腔に意識を向けると、秋らしい匂いがする。

金木犀の匂いだ。

もうそんな時期かと考えるのと同じく、
マスクをしていた時は香りに気づかなった。
マスクを外すことで気づけた秋の香り。

そんな季節の匂いを感じ嬉しくなる。

だが、マスクをしていて逃していた季節の香りが
今までもあったのではないかとまた同じく
がっかりとする。

3年経った今でも慣れないがらも、
上手く共生しこの時期を過ごしている。

始まりには終わりがやってくる。

しばしの我慢の中に時折やってくる
季節の香りに今日も明日も癒されていたい。

終わり

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