もノ

ヒトの形になりたい

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新曲「絞殺犯」を公開しました。

こんばんは、もノです。 新曲「絞殺犯」をニコニコ動画にて公開致しました。息が苦しいひとのお話です。 聴いて頂けると嬉しいです。 ここから聴けます→ https://www.nicovideo.jp/watch/sm41006539

    •  私には妹がいる。歳はだいぶ離れていて、まだまだ幼い。幼過ぎるくらいだ。    私は、彼女に会うことができない。    理由は簡単なことで、彼女は父親の再婚相手との子であるから、私が顔を出しに行くのは気が引けるのだ。  でも。  私は妹のことを、大切に思っている。  母親も違えば歳も離れている、そんな妹の存在は、私にとっては宝物みたいなものなのだ。  この気持ち。きっと誰にもわかってもらえない。    それでいい。

      • 東渋谷駅

         わたしは疲れていた。すべてに疲れていた。  彼と夜を過ごすと、いつもこうだ。わたしの身体を乱暴な手つきで弄って、ああ、愛してるって。  本当に愛しているのなら、わたしの曇った顔に気付いてよ。もうすっかり乾いてしまったわたしの瞳に、唇に。気付いてよ。  嫌い。大嫌い。  彼が夢見心地に溺れている間に、抜け出してきた。始発電車に乗って、逃げてやる。どこまでも遠くへ、そして、彼にはもう二度と振り返ってやらないんだから。  決めたから。  駅の改札を抜ける。午前四時。まだ

        • ゲームセンター

           東京山の手の外れの街、池袋に「ミカド」というゲームセンターがあるのですが、まあ素晴らしい風情なので、大学の授業が空いた日には偶に寄って遊んでいます。  何が良いって、あの空気感ですよ。最近のチェーン店にありがちな、売上を第一に考えた「プライズ重視」「プリクラ至上主義」的なゲームセンターではないのです。  お店の奥に潜っていけば私の言わんとしていることがよくわかることでしょう。  昔ながらのアーケードゲームが、そこには鎮座しているのです。マリオブラザーズにファイナルファ

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        新曲「絞殺犯」を公開しました。

          いじめ

           私は小中高と約12年間、凪の時期こそあれども、何かしらの理由でいじめられていた。  小学生の頃。  はじめは、上級生からのいじめが多かった。地面に磔にされたところをタコ殴りにされたり、サッカーボールを故意に腹に当てられて、吐いたりした。  正直苦しかった。こんな理不尽なことがあっていいのかと、幼いながらに悩んだ。  学年が上がって、私の身体が大きく成長すると、暴力で苦しめられるようなことはなくなった。その代わり、何かしら理由を付けては私を貶したり罵ったり、避ける人たち

          いじめ

          なにか間違いを犯した人間を、考えなしに「許さない」と糾弾する危うさ

           最近、なにか間違いを犯した人に対してその間違いの大小に関わらず「間違いを犯した人間は許されるべきでない。再起の機会など、与えてはならない」と匿名のもとにまくし立てる人が多いように感じます。年齢とか性別とか関係なく。  まあ、気持ちはわからなくもないんですけど。  でもね、その論理は、自分で自分の首を絞めてしまうかもしれない。そんな危険さを孕んでいると、私は思うのです…。  だって、「他者の間違いを許さない」という立場に立つということは、同時に、「自らの間違いもまた、他者

          なにか間違いを犯した人間を、考えなしに「許さない」と糾弾する危うさ

          背比べ

           二次性徴の始まる時期って、人によって差があるとはいえ平均すると女の子のほうがやや早いわけなんですね。  皆さんも、小学校の高学年くらいから中学一年生くらいにかけては、女の子のほうが背が高かったような気がするでしょう。それに、表情や仕草も大きく変わったように感じられたことでしょう。  ギャップがあるのです。要するに。  そして。  男の子たちっていうのは、先に大人びていく同級の女の子たちの姿に、何と言ったらいいのかな、悔しさのような嫉妬のような憧れのような、複雑な感情を抱

          背比べ

          メルト 溶けてしまいそう

           私は、拙いながらも作曲をしている。  忘れもしない、あれは2008年頃のことだったと思う。外は曇っていて重苦しかったし、気分も下がるだろうと父が案じたのか、ニコニコ動画をおもむろに開いて幼い私に聴かせてくれたのがその当時の話題作、「メルト」であった。  幼い頃の記憶は抜け落ちてしまうといわれる。けれども私の記憶から、「メルト」は消えなかった。寧ろ、時を経る毎に「メルト」に対して感動というか憧憬というか、一種の神性のようなものすら感じられるようになっていった。  そして、

          メルト 溶けてしまいそう

          無題

           私の感情は正と負、どちらの方を向いているのか。  かれこれ三秒程度自問して、出した答えは「強く、負の方向」であった。  然し、己を一番認識できないのは己自身であると先の時代を生きた賢者は云うた。何故なら、鏡でも無ければ人は自らの存在を視覚によって認知することはできず、仮に鏡写しになった自らの姿を見たところで、鏡に映った像はただの光の屈折に過ぎず己を直視したことにはならないからである。  ならば。  実母に聞いてみる。私の感情は正と負、どちらの方を向いているのか。  私が