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無形財産

暑くて浅い睡眠を繰り返し、とうとう4時過ぎからラジオ深夜便を聴いていました。

そのなかで
「高齢者は資産数千万円必要って話題になったけれど、無形財産も大事だと思うんですよ」というゲストの声が流れてきました。

例えば
健康であることや口角をあげていくこと

その言葉を聞いて、東京のとある特養を思い出しました




「恩返しなの」

社会福祉士の実習期間を過ごした施設で、車椅子に座っている入居者の髪を毎朝愛おしそうにセットして、リボン結んだり、話しかけるスタッフがいました。

「この方は子供さん全員亡くなって、お孫さんが面倒見てるの。でも遠方だし、そうそう来れないから、みんなで代わりに日用品買いにいったり、休みの日は近所の喫茶店に連れていったりしてるの。」

「もう話せないけどね。とっても優しくていつも話を聞いてくれて、相談のってくれて、励ましてくれて、沢山沢山支えてくれたのよ。」

「だからこれからは恩返しするの。今、私があるのはこのかたのおかげなんだから、亡くなった子供さんの代わりにね」といって、無反応な入居者に笑いかけ、手を握ってます

一方でかなりのお金持ちぽい入居者が
あまりに暴言暴力が凄くて
必要最低限しか近寄れないというケースもありました。

もちろん認知症の暴言暴力もありますが、
そもそもの性格もありますし、
スタッフとの心の交流がいかに出来るかは結構重要だと思いました。


なんにも財産はないけれど

私にも、誠実であること、優しく接すること、相談をただただ傾聴すること、微笑んでいることは出来そうです。

人は一番弱ったときに、生き方や人間関係が問われるものだ、ということは
6年前に一気に全てのアイデンティティといえるものを失ってから
嫌というほど思い知らされました。

とはいえ、見方を変えれば、

実家も処分出来たし←田舎の不動産処分は大変
親の看取りはあと一人だし←例えば70代以上での介護となると大変
心配な子供も先にゴール地点にいるので後顧の憂いも無いし

友人は2人に減ってしまったけど
この2人はもう何があっても友人でいてくれるので

そんな親友がいる人生は幸せだし

断捨離済んだ人生後半を軽やかに生きて
これから出逢う人たちに沢山笑顔を届け、感謝を伝えられるように

と思った朝でした。

遠の朝廷跡


あなたの無形財産ってなんですか?






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