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暗室の、思い出。

「高校時代の懐かしい思い出を10個挙げよ」という問題が出題されたら、迷わずに部活動での出来事を答えるだろうな。それだけ当時は部活で過ごす時間の3分の1くらいは暗室にいました。

暗室は、天文部の部室(地学室)の一角にありました。窓際のすごく明るいところ。テントのような簡易型のもので、出入り口はファスナーをちーっと開けて出たり入ったりする。中は2畳か3畳くらいの広さで、理科室独特の「背もたれのない椅子」を2~3個と、現像・停止・定着液を置く作業台(いわゆる学校の「机」)をいくつか入れるとそれだけでいっぱい。定員は2名という感じなのだけれど、いつだったか5人とか6人で入ったことがある。当然、窒息寸前(苦笑)そして、今の状況では「ありえない」環境。超、密な感じ。夏は汗だくになりながら暗室の中で作業していた。時々換気したり外に出ないと熱中症になりそうな勢い(だけど途中では開けられないので辛い)酢酸の匂いと熱気でどうにかなっちゃいそうな感じだった(笑)。だけどそれも良い思い出。楽しくてみんなでワイワイ騒ぎながら暗室での活動を楽しんでいました。

「何を現像しているの?」と聞かれたこともあるけれど、純粋に「過去の先輩たち」が遺してくれた天体写真(月とか)を現像していました。決して、私たちがカメラをもって屋上で撮影したわけではなくて、過去の方々が遺してくれた作品を、フィルムを現像して遊んでいた記憶です。

念のために……ただ遊んでいるだけではなかったことを付け加えておきます。天文部は文化祭の時に出し物で「プラネタリウム」を提供していたのだけれど、天文部のブースにお越しくださった方々に天体写真で作った「しおり」をプレゼントしていまして、これをひたすら現像して、ラミネートフィルムで包んで、パンチで穴あけて、リボンを通して……100枚とか200枚とか相当な量の写真を使うために、こつこつと現像していました。

これがなかなか好評でね~……おっと、長くなるので割愛(笑)

もちろん、その「暗室」の中では真面目に写真を現像していたのですが……手が空いた時に盛り上がったのは、やっぱり「コイバナ(恋話)」でしょう!印画紙をそれぞれの液に浸している間、自然とそういう話に……笑。まあこれは学生時代には欠かせないものだから、もうどうしても話したい時に友達を誘って暗室に連れ込み(←言葉!笑)、ただひたすら恋の悩みを相談していたような。あー懐かしい。

人って、暗闇の中でだと素直に心の内を話せるし、話したくなるのだなーってことを、今の仕事をするようになって感じています。だからあの時、明るいところでは照れて恥ずかしくて離せなかったことを、素直に打ち明けることができたんだーって。

私が経営しているサロンのイメージは「星空リフレクソロジー」。天井にプラネタリウムの星空を投影しながらリフレクソロジーの施術を受けていただくのだけれど、そのためにサロンルームの照明は薄暗く、施術中はベッドに横たわっていただくので完全に消灯するか、あるいは常夜灯だけつけて宇宙の雰囲気を味わっていただくのです。(そもそも宇宙には行ったことがないから、演出が「宇宙」で合っているのかどうかも疑問。笑)

最初は「わー!キレイ!」と喜んでいただき、しばらくすると寝息のようなものが聞こえてくるので、お休みになられているのかなーと思いながら、施術を続けていると、ぽつり、ぽつりと「心の内」を聞かせてくれる人も、すくなくない。

皆さん、抱えているものを、その方のペースで手放して、私は足元で施術をしながらお話しを聞かせていただく。施術後は脚も足もスッキリするけれど、みなさんお顔もスッキリとされてなんかとても素敵だし、イイ感じ。

日々忙しくなると自分の事は後回しにしがちだけれど、やっぱりカラダにもココロにも老廃物を「溜め込んで」いるのだなって思う。それは私も全く同じで、自分自身を丁寧に扱っていないと、良い施術ができないと感じているし、休むことの大切さに気が付いたので定期的にリリースするように意識しています。

だから、もし、普段の暮らしの中でモヤモヤがたまったり、苦しくなった時は、自分自身を甘やかしてほしいと思う。この世にひとりしかいない「あなた」は、とても大切な存在なのだから。健康な時は全く気が付かないかもしれないけれど、体調がよく、日々好きなことをしたり仕事をしたり、体を動かせるって本当にありがたいことなのだから。

いやいや、これは私のサロンに来てね!という宣伝ではなく、ひとりで過ごせる時間をぜひ作ってください。そして、心の内を手放したいのなら、ペンを持ってノートや手帳にカキカキカキカキ……これだけでもスッキリするんです。本当はね、信頼のできる人と会って話せるといいけれど、今のような状況だと人と会うことも難しいかもしれないので、自分自身との対話をぜひ、やってみていただけたらなって思うのです。

暗室での思い出は、大人になった今、新たな気づきを与えてくれたし、すっごく貴重な思い出として私の心に刻まれています。あの頃のような経験はもう二度とできないだろうなー。学生時代の経験や思い出は、当時に経験していたからこその輝きであって、大人になった今、時々ふとした時に思い出す。まるで思い出箱の中を漁った時に見つける光る一粒なのかも。

写真は若干ぼやけているけれど、サロンの天井の雰囲気です。画像加工してるからちょっと明るいけれど、実際はほぼ真っ暗。プラネタリウムを購入したのは2011年秋。プラネタリウムが動いてくれる間は、星空リフレクソロジーサロンとして頑張るし、プラネタリウムにももっと頑張ってもらわないと!


☆千葉・船橋の自宅で星空リフレクソロジーサロンを開いています☆
HP https://www.sirius-miyuki.com
twitter https://twitter.com/sirius_miyuki
BASE(ベイス)天然石ブレスレット製作販売 https://siriusmiyuki.theshop.jp/

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