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【ディスクレビュー】あるくとーーふ『サイファールーム』

“攻撃的ポップバンド”という記名性を有り余るほどに発揮した、長野発バンド・あるくとーーふによる1stミニ・アルバム。”脱出ゲーム”をテーマに制作されており、暴れまわるベースラインの軌道が、緻密に練り上げられたエッジーかつポップなサウンドを巻き込みながらグルーヴの渦を形成し、その中心でただならぬ爆発力を放つ『ダイナマイトタウン』に始まる。”フラッシュバック”という体験を通じて過去と現在を繋ぐイメージの『春雷フラッシュバック』やメロディーラインの美しいバラード『光の栞』などが名を連ね、ラストを飾る『エピローグからショータイム』では《ロックでいいじゃない》と歌いつつ、何度も《ポップに生きてたい》と主張。「私たちは単純明快なポップバンドじゃない。”攻撃的”ポップバンドだ!」と吠えているように思えてならない。連鎖的な脱出ゲーム内で弾ける、軽妙なポップ・ロックサウンドの往来が楽しい。

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