成功には感情、特に<感謝>に注目!『なぜ「やる気」は長続きしないのか』 1
起業や創作など、新しいことにチャレンジしてみたけれど、結局長続きしなかったのはどうしてなのでしょうか?
今回は『なぜ「やる気」は長続きしないのか 心理学が教える感情と成功の意外な関係』(白揚社)を取り上げ、ビジネスや勉強、育児や介護など、途中で挫折せずに自分が取り組んでいることを長続きさせるためには、「感謝の気持ち」が大切であるということについて述べていこうと思います。
今日中に終わらせなければならない仕事や明日の試験のための勉強に集中しなければならないのに、海外ドラマの続きが気になったり、買ったばかりの新作ゲームをしたくてたまらなかったりして、なかなか目の前の仕事や勉強に集中できないというのは、よくあることかもしれません(かつての私自身がそうでした💦)。
すなわち、仕事であれ勉強であれ、未来の成功よりも、目の前の報酬を優先させてしまうことが多いのです。
そして、私自身の経験ですが、そもそもやりたくないことをやっている場合、なかなかやる気が起きない・集中力が続かないということに対して、「意思」の力でどうにかしようとすると、結局うまくいかないことが多いのです。
しかし『なぜ「やる気」は長続きしないのか 心理学が教える感情と成功の意外な関係』(デイヴィッド・デステノ 著 住友進 訳 白揚社 原題 Emotional Success)を読むと、やる気を長続きさせるための方策として、「感情」が有効であることが分かってきます。
ところが「感情」というと、(AIがもてはやされる昨今は特に)どうしても「理性」とは違って、不合理で信用できないものと見なされてしまうのではないでしょうか?
米国ノースイースタン大学の心理学者であるデイヴィッド・デステノ氏は、『なぜ「やる気」は長続きしないのか』のなかで、「感情」というものについて、
としつつ、
「しかし、理性は常に善で、感情は悪といった一面的な考えは、現実を反映しているとはいえず、誤った選択につながりかねない」
としています。さらに、
と述べています。
長期的な成功のために必要な感情とは?
しかしながら「感情は、優れた決断を下すためのもっとも強力で有効なメカニズムの一部である」とはいっても、社会生活のなかで重要な決断を迫られた際に、たとえば「怒り」や「憎しみ」といった感情によって決断を下すのは得策ではありません。
デイヴィッド・デステノ氏は本書のなかで、「長期的な成功に関していえば、そこで必要となる正しい感情」として、感謝(gratitude)、思いやり(compassion)、誇り(pride)の三つを挙げています。
特に「感謝」については、「感謝ほど過去に重点が置かれた、受動的な性質の感情はないように思える」としつつも、
と述べていることは注目に値します。
つまり、「感謝することによって、人間はこれから起こる出来事をよい方向に持っていこうとして、その瞬間、頑張ろうという気持ちにさせてくれる」という点から、「感謝」は「過去ではなく、未来に関すること」なのであるというのです。
このことは私自身、仕事などでつらいことがあっても、誰かが何かをしてくれたことに感謝の気持ちが生じたり、自分が行ったことが人から感謝されたりすれば、明日もまた続けていこうと思えてくることからも、よく分かります。
この記事のポイントは、やる気が長続きしない場合は、感情を封じ込めようとするのではなく、特に感謝(gratitude)、思いやり(compassion)、誇り(pride)といった感情に注目することが大事であるということです。
そしてそのことでビジネスであれ、プライベートのことであれ、結果的にうまくいく(成功する)可能性が高くなるということです。
とはいっても問題なのは、感謝や思いやり、誇りといった感情を、自分の意志の力ですぐに持とうとしてもなかなか難しいということです。
ストレスや疲れが溜まっており、気分が落ち込んでいる時はなおさらです💦
そういうわけで、次回の記事でも、この『なぜ「やる気」は長続きしないのか』を取り上げる予定です。
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