前回の記事では『なぜ「やる気」は長続きしないのか』を取り上げ、瞑想をすること以外で、思いやりの感情を起こすために大事なこととは何か、ということについて述べましたが、
今回はその続きで。「思いやり」は<未来>につながるということについてです。
『なぜ「やる気」は長続きしないのか』の著者である、心理学者のデイヴィッド・デステノ氏は、
「人との結びつきをつくりさえすれば、思いやりの感情をより感じられるようにするには十分だ」
とし、さらに、
と述べています。
しかし明らかに問題なのは、「ほとんどの人間が未来の自分に親近感や絆を感じられないことが多いという点」であり、「本質的に私たちはみな、未来の自分とのあいだに感情移入ギャップがある」としています。
すなわち、「人間が、投資より借金を、勤勉より遊びを、運動よりも過食を積み重ねてしまうのは、それによるツケがはるか遠くにあるように思え、さらにそれを払うのが未来の自分というほとんど想像すらできない人物だから」なのです。
そして、「仮想現実は、思いやりにおけるこのギャップを橋渡しをするのに役立つが、ほとんどの人にとってすぐに利用できる技術でない」としたうえで、以下のように述べています。
しかしこのことに関しては、「未来の自分を想像しようとする時、あまり前向きに考えすぎないことが重要」であり、「批判的な視点を持って未来の準備をしておく必要がある」と説明しています。
また、「こうした情報を考えに入れて、ときどき、三〇分くらい時間をとって未来の自分に手紙を書いたり、少なくとも頭のなかで話し合ってみたりするといいかもしれない」とも述べており、このことについては、
としています。
しかしながら「こうした対話は、どちらの方向にも作用しうることには注意が必要だ」とし、
と述べています。ですがその一方で、
とも説明しています。
さらに、
としたうえで、著者のデステノ氏は、「自分の考え方の癖を明らかに」するために、二つの方法を勧めています。
まず一つ目は、
「自分が普段どのような心の声を発しているかに意識を向けること」
であり、このことに関連した二つ目は、
「週に一回、時間をとって、成功のためにかなりの努力をしたのに失敗してしまった出来事をじっくりと振り返ったのちに、その失敗を許してあげることである」
としています。
さらに「過去の失敗を非難すること」は、「将来失敗した場合に、恥辱や不安の感情を強くするだけ」であり、「この二つのマイナス感情はそれ自体が、自制心を継続的に弱くしてしまう」と述べています。
そして最後に、
と締めくくっています。
すなわち仕事であれ勉強であれダイエットであれ、ゲームやファストフードといった目の前の誘惑に抗えず、何をやっても長続きしないという場合に、自分自身を思いやることは、「自制心は高まり、やり抜く力も強く」なり、「ストレスがかかってもすぐに立ち直る力を持った体をつくるのにも役立つ」ため、心身の健康のことだけではなく、「未来の成功」(うまくいく)という観点からも、注目なのです。
お忙しい中ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます😊