![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/107231173/rectangle_large_type_2_4e26dc771d7ff394286c05ac775c5ca2.jpeg?width=1200)
錆びつかない残像
月が満ちていく夜は
心の凪がざわつき始める。
貴方のコロンと汗が入り交じった
体温の感覚が既視感を呼び起こして
月光の中で生ぬるい風になって
私にまとわりつく。
心の片隅に追いやったはずの記憶は
忘却を知らないらしい。
幻想と艶麗を誇る月を仰ぐたびに
私は、さびつかない貴方の残像に
心乱されるのだろうか。
手の届かない月は
まるで実になることを知らない
徒花(あだばな)のようだ。
![](https://assets.st-note.com/img/1685757817577-nFsfqo5hlK.jpg?width=1200)
艶めかしくさせる今宵の月に
私は影の自分を感じている。
虚と実なんてこの胸間の想いの前に
なんの意味があるのだろう?
少なくとも今は、
月にただ魅せられながら
貴方の匂いをたぐり寄せたい。
ひそやかに
憂いと快哉に折り合いをつけながら
夜露が零れ落ちる間に・・・・
私は気だるいまま眠りにつく。
Sara
![](https://assets.st-note.com/img/1685757879954-9UyBovHPpU.jpg?width=1200)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?