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見上げてごらん

坂本九さんの歌で知られてるこの曲。
元はミュージカルの歌であり映画化されたか定かではないか、それが始まりである。

見上げてごらん夜の星を

ミュージカルの中身だが、夜間学校が舞台である。残念な事に私はその内容を知らない。

さかのぼる事、中学の進路相談の話があった時だが私は進学せずに働く事を希望していた。かあちゃんは世間体を気にして進学して欲しいと言う。悩んだ結果、昼間仕事して夜間学校に通う事を決め、かあちゃんと先生と話し合った。
先生は、自分の見栄の為だけで、夜間学校への進学を反対したのだ。私立でもいいから普通学校に…と話にならない。
そこは、かあちゃんである。
先生に啖呵を切り、
あんた何様なんだい?
この子の将来を勝手に決めるんじゃねぇーよ。
あんた先生だろ?
生徒の気持ち考えた事あんのか?
あんたとは、もう話したくないね。
帰るぞ。

とそくさっさと帰ってきた。
そして、こう話したのだ。
見上げてごらん夜の星をって知ってるか?
お前みたいなヤツのミュージカル映画があってな、坂本九が歌ってるんだ。
いいか、お前はお前のやるべき事をすればいいんだ。夜間学校だからってバカにしてくるヤツがいても負けんじゃねぇよ。
もし辛くなったら、この曲を思い出せ。

早速だが、楽器屋に行ってその歌を探した。
歌詞はわかったが、メロディがあいまいだ。
店員に、事情を話しこの曲、弾き語りしてもらえないかと頼み込んだ。
店員は優しく、
是非君の為にこの曲をプレゼントしよう。
とピアノでメロディを奏でながら歌ってくれたのである。
母親の不器用な愛情表現がそこにはあった。
不覚にも泣いてしまった。
店員も応援してるよ。と言ってカセットを渡してきた。
さっきの弾き語りを密かに録音してくれてたのである。
帰ってから、何度も聴いては泣いた。

仕事をしながら夜間学校に通うのは本当に大変だったが、帰り空を見上げて、歌うのである。
母親の愛と優しい歌詞に助けられた。

今も辛い時や悲しい時苦しい時に、夜道を歩き見上げてながら、この曲を口ずさむ。

押し付けではないが、一度聴いてみて欲しい。
もし、同じ境遇の人や似たような経験のある人にこの曲をおすすめしたい。

後ろ指さされても、誰がなんと言われても、あなたは素敵でとても素晴らしい人間です。

学歴社会なんてなくなればいい。
こんなにも沢山、未来ある人間をそんな小さい事で決めつけられるなんておかしい。

頑張って勉強して進学していい大学に入って、大手企業に内定もらえる人生がダメだとは言わない。努力を惜しまないその強い心に尊敬を覚える。だが、それ以外の人間をバカにはするなよ。低学歴だろうが、派遣だろうが、その人達は立派な人間なのだと思う。

極端だが、生きてる事、それだけでも尊いではないだろうか。

すべての人達に心から敬意を…。

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