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「好きを仕事に」は「楽なことだけやる」という意味ではないんだ。

「好きを仕事に」
「好きなことで生きていく」

このキャッチコピーってすごく魅力的だ。

でも、腑に落ちていたわけではない。

「好きを仕事に」なんてできない、と思っていた

こんなことを心の底から言えるような人は
「好きなことを仕事にするための方法とタイミングに
運よく出会った成功者の体のいい甘言」
だと、薄目にしながらぼやかして見ていた。

私はその昔、歌を歌うことが好きだから、歌手を仕事にしたい!
と数年間音楽活動をしていたことがある。
だけれどライブの集客はままならず、手売りのCDは売れずで、
「好きなだけでご飯を食べていくことは難しい」と道半ばで諦めてしまった。

その数年間で、私は「好きを仕事に」することを諦めてしまったのだ。
「挑戦したけれど私にはできなかった」と。

その後、人生においては早めだが20代前半にして、
セカンドキャリアのような気持ちで、一会社で現在も働いている。
それからは「今の仕事を好きになろう」という考えに切り替えてきた。

だからこそ、目の前の仕事をとにかく必死に頑張ってきた。
好きになろう!誰かの役に立つまで、もっとやろう!って。

すると、認められたことも、褒められたこともあった。
お給料も上がったし、努力した分ちゃんと報われていると思う。
もちろん後悔もないし、無駄なことは何もなかった。

けれども最近、心が疲れている気がする。
「私がどんなに頑張っても、あの人のようにはなれない」
「でもならなければ、お給料はこれ以上上がらないだろう」
「私の幸せは、お金だっけ?楽しく生きることだっけ?」
定期的に、この3行が頭の中をよぎっては消えていく。

だから私はいつも焦燥感に駆られてきたのだろう。
「自分に足りない何かをさらに身に着けなければ」
「あの人は○○を持っていることが評価されているから、私も!」
というように。

しかし、「○○ができるあの人」がいるから
「○○は私には求められていないこと」であるとも言える。

嗚呼、難解だ。
自分らしくして、なおかつ評価される方法なんて思いつかない。

何か月も続く、この鬱々とした気持ちを表すと
自身の価値を向上させる万策尽きて、途方に暮れている。

もうこのままでもいいや。
というか、以前のようにはもう頑張れそうにない。


「好きを仕事にする」=「その為に辛い思いをしてもやりたい」を貫くということなんだ

「仕事を楽しもうとする」努力が足りていないのだろうか…
続けていれば、いつかは「心から好き」になる日がくるだろうか…

そういったことを考えるのも疲れてしまったのか、
最近youtubeを見ることが増えた。
さまぁ~ずチャンネルが特にすき)
最近流し見していたら、ヒカキンさんのこの動画が流れてきまして。

【エゴサ】ツイッターで『ヒカキン嫌い』で検索したら涙が…【エゴサーチ】【Twitter】

そういえば「好きなことで生きていく」って言ってたな。
改めて考えると、好きなことが仕事なんて、羨ましい!見てみよう。
明るい気持ちになれるかも。
そうしたら、こんなことを言ってて。

・「初心忘るべからず」じゃないけど、「ヒカキン嫌い」でエゴサを~
・youtuberとして気が緩んでしまうから、批判的な声にも目を向けようかと
・2014年頃はギネス載るくらい言われたんじゃないかな~
・キモイ、顔が生理的に受け付けないとかね~

そのセリフで「好きを仕事に」の解釈が間違っていたのでは?と思った。
「楽してお金を稼ぐ」と解釈していたから、腑に落ちなかったのだ。

好きなことをしてお金になるって楽だろうな、羨ましいな。
と思ってきたけれど、果たして自分が同じ立場におかれたとき、
批判的な言葉を雨あられのように受け続けてまで続けただろうか?

他にも、一日密着みたいな動画も見たけれど、
私から見ると決して楽じゃあない。
一日中動画を撮るか編集か企画を考える日々。
そこまで頑張ってきた何かや仕事に対して、たくさんの心無い言葉が集まるなんて私ならやっていられない。
好きじゃなきゃやっていられない。しかも十数年も続けるなんて。

「楽に」お金を稼ぐ、とかそういうことでなくて
何を言われても辛くても、好きだから「耐えられる」「肥やしにできる」
ということかもしれない。

よく例えで言われるような、イチローやスポーツ選手も同じことが言えるし、
芸能人も私が憧れた歌手の方々もそうだろうし、
会社で楽しそうに仕事しているあの人も。
楽なことばかりでも、楽しいことばかりでもないはずなのだ。

食べていけるか・儲かるかなどわからなくても、
認められるか・出世できるのかなどわからなくても、
必要とされるかどうかなどわからなくても、
辛くても、

それほど好きなことなら、耐えられるし努力できる。
例えお金持ちになれなくとも、
好きなことをやっている時間は自分を幸せにしてくれる。
それで仕事として食べていけたら最高だよね。
そういう意味だったんだ。

確かにそれなら、どんな批判の言葉も説教も
「聞いてみようかな」
「そう感じる人もいるのか、配慮しよう」
ありがたいとさえ感じるかもしれない。
私側の受け止め方も変わるということだ。

私も「好きを仕事に」したい!

今まで斜に構えて見聞きしていた言葉の意味が急にクリアになった。

なので、私にとってそこまで好きと言えるものは何だろう?
それを考えてみることにした。

…でも、見当たらなかった。

歌は好き。歌手になりたかった。
けれど、再度挑もうというほどの気持ちもない。
表現する方法として好きなのだ。

旅行?モルディブの水上コテージでのんびりする夢はある。
けれど、そのために死んでもいいほどでもない。

……困った。

では、視点を変えて
唯一、お金のことは気にせず続けてきたものはなんだろうか?

それは「文章を書くこと」だった、と振り返れば思う。

WEBライターも儲からないけど、楽しい仕事として副業をしていた。
その傍らブログも書いた。
会社勤めの中でも、校正とか電子書籍とか、HPのコンテンツライティングとか、今の広告業なんかもそう。
受ける仕事を選んだつもりはないが、無意識に文章関連を選んでいたのかもしれない。

このnoteも無料でもいいから見て欲しくて。
とにかく書きたくて書いている。
なんだかんだずーーーーっとなにかしら日々文章を書いている。

じゃあ、文章のことなら
何を言われても辛くても、好きだから「耐えられる」「肥やしにできる」のだろうか?
私は一度歌手挫折の件で、自分への信頼を失っているので、簡単に自分を信じることもできないでいる。

社会から切り離されても、
心無い言葉をたくさん浴びても、
稼げなくても、
安定、保険、を捨ててもいい覚悟があるのか?

まだ私は怖いし、ずるくてもいいから、安定を享受しながらゆっくり考えることにしよう。
ライターの副業を再開するなかで、自身に問いかけてこれからじっくり決めたいなと思う。
noteにも日々乱高下したり、右往左往する気持ちや意見をこれからも書き留める。

誰でもなく自分が決めた選択として、自信を持って生きていくために。
迷う時間と捨てるのが惜しい仕事があることは、幸せだと思うから。

おススメ書籍

動画で自分が感じたことだけをソースにするのは気が引けるので、
好きなことを仕事にすることを提唱する書籍もいくつか探して読んでみた。

そしたら、この本が私が伝えたいことを大部分カバーしてて、かつ面白い文体なのでおすすめしたい。

複数個所引用する。

まだそうなっていないのに、なぜ未来のことを心配するんでしょうか? 
もしそうなったら、そうなったときに考えてみませんか(怖いね)。


心屋 仁之助. 「好きなこと」だけして生きていく。 ガマンが人生を閉じ込める . 株式会社PHP研究所. Kindle 版.

この「(怖いね)。」って表現がツボにはまって、声に出して笑ってしまった。
そのくらい読みやすい文体で書いてあるので、さらっと読める。

私がこの記事で伝えたいことも書いてあった。
人にはそれぞれ理解しやすい思考パターンがあるので、この数ページ読むほうが早く伝わる人もいるはずだ。

(P559~585)
*好きなことをするには 一番嫌なことをする

心屋 仁之助. 「好きなこと」だけして生きていく。 ガマンが人生を閉じ込める . 株式会社PHP研究所. Kindle 版.


最後に、文章で食べていきたいかもしれない私が販売中の詩集宣伝します。
Kindle Unlimited入ってる方は無料で読めるので、
もしよければご意見などいただければ、踏ん切りつくかも。
怖いけど。


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