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年金生活でお金を得るということは、想像以上に大きな喜びでした

年金のみの生活を始めてから4年たちました。

ほぼ同じ時期に、母を引き取り同居しました。
ありがたいことに、生活費をいれてくれたので夫の年金とあわせて、贅沢はできないけれど、それなりに生活を送ることができました。

昨年、夫の大病と母が他界したことで、目まぐるしい日々を過ごし、ひと段落ついたところで、いろいろと考え、再就職を決心したのが今年の始めでした。

そして無事再就職を果たし、先日初給料をいただきました。

就職先はめずらしく、お給料を現金で手渡しして下さいます。

日々の仕事に必死で、給料日がいつだとの認識もどこかに飛んでいたし、今までずっと口座振り込みだったので、給料日に現金を手渡されたのは、大きな驚きでした。
本当に、嬉しかったです。ここ最近で一番嬉しかったことです。

考えれば、この1か月ほど、勤務でない日も仕事を軸に過ごしていました。
勤務日には当然その日の、段取りを考えたりと、日常が仕事を中心に回り始めていました。
仕事をしていなかった日々から思うと180°の転換です。

そして、給料日という特別な日が、再び私にやってきました。

我が家は、夫がサラリーマンで妻が第三号被保険世帯の年金生活者です。
今までの生活をサイズダウンしていけば、生活に大きく困ることはないけれど、遊ぶにはもう少し余裕がほしいという平均的世帯ではと思うのです。

今回、お給料をいただいて改めて思ったのですが、お金は、本当に日々の生活を潤してくれるということです。

仕事をしていない時、私はファションには、全く目が向きませんでした。
もとから、そういう性格ではあったのですが、その性格に一層拍車がかかり
デパートやショッピングモール、スーパーの洋服売り場は素通りで、送られてくるカタログにも目を通すことはなくなりました。

どうせ、おしゃれな値の張る洋服を購入しても、私の主な外出先は、日常の買い物をするためのスーパーがほとんどです。

おしゃれも日常を潤す一つですが、私はそちらのほうには、どうも気がむきませんでした。その必要がなかったのです。

でも仕事として、出ていく場があると、ファションにも気をくばりたいし、エチケットとしても、ラフな服ばかりではなく、少しきちっと感がほしいです。

お金がはいったことで、次々と今の自分にお金をかける必要性が生まれてきたことに気づきました。

当初は、小旅行をしたり、おいしいものを食べたりとプチ贅沢をしたいと思うのも大きな理由の一つでした。
もちろん、夫と外食や小旅行をすることに費やす予定です。

でも、自分にお金をかけることのできる必要性が生まれたのは、予想外でした。
そして、そのことは、思いのほか嬉しいのです。

夫が働いていた時のように、ボーナスがない生活にも慣れ、サイズダウンした家計は、それなりに納得がいく生活で決して不満などなかったのですが、追加でいただける給料を目にして、自分でも驚いていることがあります。

私って、いろいろなことに我慢していたのだろうかと。

買い換えたい物ややりたいことが次々浮かんでくるのです。
週3~4日の4時間ほどの勤務で、それほど多くをいただくのではないのですが、そのわずかな収入が生活を大きく底上げしてくれるのです。

通販のカタログも時間をかけて目を通したり、ファションの売り場に立ち寄ったりと、今まで忘れていたアンテナが活動し始めました。

我慢していたのではなくて、その必要性を感じなかったのだと思うのですが、真っ平らな日常のなかに、花が咲いたような気分です。

仕事をはなれたからこそより強く感じたのかもしれません。
お金を得るということ、仕事をするということは、生きていくうえで、まさしく人生の主軸だなと。

そういえば、思い出したエピソードがあります。

以前、アンケートに答えてポイントを貯めるサイトに登録していたことがあります。

あるおじいちゃんがコメントで、貯めたポイントを使って、孫に絵本を買ってあげたいと言っておられるエピソードがありました。

なんか微笑ましくていいなぁと思ったので記憶に残っているのですが、まさしく老後を豊かにするポイントの一つは、わずかでも収入を得られる喜びだと思うのです。

以前テレビ番組で、老人ホームのなかで、自分たち自身に提供される食事の準備をすることで、わずかではあるけれどもお金をいただいたり、老人ができそうな内職をもってきて、賃金を得るシステムを確立している施設が紹介されていました。

現在、働けるうちは、働こうと提唱されている方のお話をよく耳にするようになりました。
人生100年時代です。
65歳や70歳で定年しても、まだまだ時間はありあまっています。

そのうちに、定年という言葉は死語になって、元気に働けるうちは働くのが当たり前の時代がくれば、高齢化社会の未来も明るいように思います。

高齢者になっても、70歳を超えても働ける仕事、働ける場所、働き方を提案できれば、多くの高齢者が生き生きできるのではと思います。

お金を得ることは、誰にとってもとても大きな喜びです。

高齢者だからといって、その道を閉ざさない社会になればと、今回再びお給料を目にして、強く感じました。


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