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「マドモアゼル・レイニー」を読んで

note大学読書部の仲間が描いた作品、


「マドモアゼル・レイニー」



実体験がないと書けないリアルな大人女性の描写。
時間という概念を超えた複雑な感情を、誰でも愛おしくなるように変換してしまう。ハッと気づけば、そこに感動している自分がいる。



ごく身近で、どこにでも溢れている風景が故に、自然に吸い込まれてしまう。読み進めるにつれ、知らず知らず自分の記憶と重ね合わせ、まるで懐かしさえ感じる。全く違和感なく読み進められるのは、全ての作品が肯定的に感じ取れるからだろう。


とっても素敵な短編集。
全ての物語、登場人物、背景、主人公の感情が愛情で包み込まれている。だから読みやすいしストンと腑に落ちる。素直に感動するんだ。


名前も覚えていないような、譲の「いとこ」だという中年の男女が来て、「譲、大きくなったねえ」「この間会ったときにはまだほんの子どもだったのに」などと言い、譲はどうしていいのかわからず、ただ小さな声で「うす」と答えた。

作品一部抜粋


おじいちゃんが亡くなった時の一コマ。
誰でも一度は経験する違和感。僕も同じ様な場面に出くわしたことがあり、どう返事して良いか分からず「うす」って言った。なんだか笑える。


飛行機の中で読みはじめた短編集。
ついつい夢中になってしまいニヤニヤして読んでいたのか。CAさんに声をかけられた。「楽しそうにお読みになられていますね」って。


「うす」って答えておいた。



最後まで読み進めて頂きありがとうございました。読書は本当に楽しいです。寒い時期ですが、たまにはじっくりご自宅で読書三昧ってのも良いですよ。


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