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浅草って浅草神社が地域ブランディングしたって知ってました?

観光ニーズが右肩上がりの浅草

浅草で新しいホテルが続々と建設中のようです。

3月末には、築53年の倉庫ビルをリノベーションした「KAIKA TOKYO -THE SHARE HOTELS-」がオープンします。コンテンポラリーアートを公開保管し、アート空間の中でお酒を楽しんだり、旅仲間と談笑したりできるそうです。

そして7月には、東武ホテルマネジメントが「浅草東武ホテル」を開業します。4名客室を多く設置し、バリアフリー対応の客室を設けるなど、国内外から訪れる様々な客層に対応することを掲げています。


国内はもちろん、外国人観光客にも大人気の浅草。ホテルや副業商業ビルが次々と開発されていることから、その人気は依然として右肩上がりにあることが窺えます。

そんな浅草の地域ブランディングを牽引している存在が、浅草神社です。

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かつて神社仏閣は地域の中心的存在であり、神社には常に地域の人々が集まり賑わいを見せていました。

浅草神社は、こうした神社仏閣を通じた地域住民のコミュニティを現代に再現すべく、地域を活性化させる取り組みを継続的に行ってきました。

浅草は、街の所々で日本の伝統文化に触れられる街。という地域ブランディングを浅草神社が主導したのです。


「夏詣」という新しい習慣を根付かせる

日本には大晦日の「年越の大祓」、元旦の「初詣」と神社仏閣に詣でる習慣があります。そして、同じく年の始まりから6カ月後には「夏越の大祓」があります。

しかし、この「夏越の大祓」には、初詣のように神社仏閣に詣でる習慣がなかったのです。

そこで浅草神社は「夏詣」という新習慣をつくり、「夏越の大祓」の翌日にも神社を詣でる新習慣を根付かせる取り組みを行いました。

2014年から始まった夏詣には、浅草神社にて浴衣の着付けサービスが行われ、流しそうめんやうなぎ奉納祭り、七夕飾り教室など、日本の伝統文化を体験できる数々のイベントが開催され、毎年大勢のお客さんで賑わっています。

今ではすっかり、夏詣は浅草ならではの夏の風物詩として定着しつつあるのです。


地域住民を神社に呼び寄せ、コミュニティ活性化に成功

また、浅草神社は毎月1日(1月を除く)に社務所を解放し、日本の伝統文化を学ぶ教室を開催しています。

ここでは、古事記や日本書紀などの日本古来の文学、けん玉やあやとりなどの昔なつかしい遊び、茶道などの伝統文化に触れることができるのです。

さらなる取り組みは、地域住民向けの和食料理教室です。

神道には、穀物や野菜、魚肉などの命あるものを食材として神に捧げ、その食材を食して生きる力を分けていただく「直会(なおらい)」という考え方があります。この考えに基づいた和食料理とともに、日本文化を学ぶ料理教室は隔月で行われているのです。

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浅草神社が企画する様々な催しによって、「浅草」という地域の特色は磨かれていき、浅草神社に観光客だけでなく地域住民も足を運ぶ機会が増えました。

そして、これらのイベントを通じて住民同士が繋がりを深め、地域住民の発信力やイベントに協力する人たちが増加。まさに、かつて神社仏閣が果たした役割と同じく、地域住民のコミュニティが活性化していったのです。

結果的に、浅草という街のブランドイメージが向上し、日本の伝統文化に触れられる街として国内観光客やインバウンドの需要もさらに増加することに。

観光客にとって常に魅力的な街であり続ける浅草は、浅草神社の地道な活動によって支えられていたのでした。

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