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告知 サイは投げられた!

 今回はこれから書き始める小説の告知をしよう。それにあたって長い前置きをするので、いつもやっている短い前置きはカットしよう。よろしければお付き合いください。よろしくなければ「告知」まで飛ばしてください。


前置き
~創作と迷い~

 私が最初に「物語」を作ったのはいつだっただろうか。物心ついたときから、絵本をはじめとして色々な作品に触れ、小学校1年生のとき、自分でも物語を作ってみたくなった。

 最初に作ったのは『くりとくも』という詩だった気がする。小学一年生の作品だ。内容なんてあってないようなものだが、母親に見せたら喜んでいたね。

 小学校の通学班の中、そして休日の暇な昼下がり、私はいつも何か「物語」を作っていた。とりとめのない、物語というより妄想に近いものだった。それでも一人、時間を忘れて自分の世界に入り込み、じっくりと考えるのは楽しかった。

 小学校高学年ごろからそれらは性的な妄想にとって代わり、以前にも増して内容や構成が破滅的になったのだが、まぁそれはいいとして、転機が訪れたのは高校の文芸部。自分で考えた物語を文字に起こしてみたくなった。

 自分の中の漠然とした物語、その面白さを言語で表現し、皆に楽しんでもらうのは、想像以上に難しい。文芸部で私は黒歴史的作品を3作ほど書き上げ、アドバイスからアンチコメまで、様々な批評をいただいた。私には文芸の才能がないのだと、そう思った高2の冬のことだった。

『籠の中の鳥~皇帝の息子~』

 高1の時に読んだ歴史書『ナポレオン四代-二人のフランス皇帝と悲運の後継者たち(野村啓介,2019)』を思い出した。かつて私は、ここに出てくるナポレオンの息子、ナポレオン2世の悲劇的でありながらも希望に満ちた人生に心を打たれたのだ。

彼の人生を、書こう。

 そう、決意した。学校の図書館からその本を再び借り、そしてwikipediaも参照しつつ、さらには博物館となったオーストリアの宮殿のHPから舞台のイメージを固め、自分でも面白いと思える作品、『籠の中の鳥~皇帝の息子~』を仕上げた。

 結果は好評。かつて批判をいただいた文芸部の顧問からも賛辞をいただいた。

私にも、自分でも面白い、そして人に楽しんでもらえる作品が書けるんだ。そう思うことができた。

才能、というのものは

 受験勉強もあり、高校3年では物語を書くことがなかった。大学に入学して少しばかり暇ができ、以前『ライター活動開始!』で書いたように、文芸サークルに入って、また新たな物語を書こうとした。

 結果は惨敗。締め切りに間に合わないどころか、途中で書くのを辞めてしまった。何というか、書いてて面白くないわりに、締め切りや面白くない作品を公開してしまう不安などのストレスが溜まりに溜まって、もう耐えられなくなってしまったのだ。

 それでも、何かを、特に小説を「書きたい」という欲求は心の中にくすぶり続ける。才能というものは、全くないよりも中途半端にある方が、かえって諦めがつきにくく、厄介なものらしい。

 そこで昨年11月から隔週更新でエッセイの投稿を始めた。ビュー数は多いもので110回程度と、あまり多いとは言えないが、読者たちからの声援やいいねのお陰で、少し自信を取り戻せた気がする。ありがとうございます。

 短い小説も上げたことがあり、その出来にも概ね満足しているのだが、今度はもっと長い小説を書きたい、そう思って3月、設定を練り始めた。

 設定の原案自体は高校1年生頃から頭の中にあったのだが、そこから幾度も改変を経て、ようやく今、形になりかけている。

サイは投げられた!

 メインキャラクター15人分の設定をA4コピー用紙15枚に書き上げ、他世界観など設定が固まってきたとき、一抹の不安が甦る。

これ、面白いのか?

 面白くないとも言えないが、これが本当に面白い!とも言い切れないのだ。(実際、プロの漫画家、小説家でも、自分の作品を面白いと思っている人もいればそうでない人もいるみたいだが…)、やっぱりいつものエッセイを投稿し続けるか?それも段々とネタが切れてきている…、いっそのことnote自体を辞めてしまおうか?いや、更新の継続は新年の抱負に書いたではないか。さらにはここで逃げたら、何も書けぬまま一生を終えてしまいそうな気がする。そんな人生も別に不幸ではないんじゃないかな。いや、才能が中途半端でも、あきらめたくはない。そんな引くに引けぬ状態で、それでも作品を公開する不安から、右往左往し続けている。いまなら虎になったあいつ(『山月記』)の気持ちもわかるかもしれない。

 そんな時、書こうしている小説のヒロインの声が響いた。

「サイは投げられた!」

 そうだ、もうここまで来てしまった以上、覚悟してルビコン川を渡り、前に進むしかないではないか。元から何者でもない私だ。たとえ失敗したとしても、自分の黒歴史が増えるだけで、何も失うものはないではないか。創作に使った時間?どうせネット動画やSNSをだらだらと見てつぶれる時間だ。それなら創作に使った方がまだ有意義だし楽しい。(読者のみなさんの時間をいただいている以上、精一杯書こうと思っています。)

 さぁ、もう思いっきり、シモン・ボダン劇場を開幕するぞ。

(前置きに約2000字もお付き合いいただき誠にありがとうございました。)

告知

(以下の物語はフィクションです。実際の地名、人物、団体などとは一切関係がありません。また、一部キャラクターが歴史上の人物をモチーフにしているようにも見えますが、考証不足や作者の意図により、人物像が異なっている可能性が大いにあります。)

「サイは投げられた!」
夕闇に沈む世界で、月桂樹の冠をつけた彼女はそう言った。

都心から少し離れた地方都市、そこに住む少年、阿具里晴人(あぐりはると)は、毎日を無感情に過ごしていた。

彼には不思議に思っていることがあった。
あの遠い記憶、あれは夢だったのだろうか。

塾帰り、街灯に照らされた街で、晴人は黒いオーラをまとった暴漢に襲われる。
「サジッタ・アングリカエ!」
助けられた晴人は、天使の矢が放たれた方向を見る。
そこにいた少女も、あの人と同じように、月桂樹の冠をつけていた。

『月桂冠の魔法少女』

 さてさて、まさかの魔法少女譚です。作者は魔法少女モノよりも変身ヒーローのほうが詳しいので、「戦う」という共通点だけ残してそっちのノリになるかもしれませんね。

 古代ローマをあまり知らない人でも知っている「サイは投げられた!」という言葉。それを幼い頃に聞いた少年が、同じ月桂樹の冠をつけた魔法少女に出会う。察しのいい人なら2人目の少女のコンセプトもおわかりでしょうか。今は黙っておきましょう。

 今回はローマ皇帝や古代ローマ時代の人々の生き様や内面を(独自解釈などでだいぶ歪曲しながら)活かせるところは活かし、主人公や魔法少女たちの戦いとして描くという試みです。私のXの読破カウンターで古代ローマ系歴史書が目立っていた伏線が、やっとここで回収できました。(普段いいねしてくれてありがとうございます(圧力))。

今後の展開

 更新頻度は、今まで通り隔週木曜日更新を予定しています。

 今までのエッセイを楽しみにしてくれた方へ!小説のネタに詰まったときや、語りたいことができたときは従来通りエッセイを投稿しようと思います。

 要するに、

小説を中心に、エッセイも時々はさみつつ、隔週木曜日更新を続けていく

ということになります。

 次回更新は4/11(木)!
まだプロットもできてない状態ですが、これから精一杯書き上げますので、よろしければお付き合いください!

(バナー画像はいらすとやより、「ポン・デュ・ガール」)


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