【間違えやすい表記】「褒」
手書きすると間違えてしまう漢字。近年はパソコンやスマホが普及して、文字を手で書く機会も少なくなりました。そのため、中高生のみならず、大人の方も「あれ?これどう書くんだっけ?」ということが増えたのではないでしょうか。
本日は「褒」。こちらを紹介します。
なぜですかね。私なら漢字が書けるか書けないかに関わらず、「ほめる」とひらがな表記にしますが、中高生のみなさんは、結構「褒める」と漢字で書くことが多いようです。たとえば「褒賞」などの熟語ならわかるのですが、熟語で使っているのは余り見かけません。なお訓読みの場合、それはもともと「やまとことば」なので、複雑な漢字を使う場合は、余り漢字表記にしない方がよいです。まあ、そうした漢字の表記の話はまたの機会にするとして…。
さて、この「褒」。下は「衣」ではありません。この間違いがとても多いです。
いつものように成り立ちを見てみましょう。
結論から言うと、これね、「衣」で合っているのです。間違っていません。でも、「下は『衣』ではない」のです。それは間違いです。
「は?何言っているの?」、わかりますよ、わかります、では今からそれを説明します。
「褒」は、衣服の意味を表す「衣」と音「ホウ」を表す「保(新字体)」が組み合わさった形声漢字。つまり、「衣」の上(の「なべぶた」)と下(の「あし」)が分かれた真ん中に「保」が入ったかたちなのです。
ですから「衣」なのですが、下が「衣」にはならないというわけです。しかも「褒」の部首は「衣(ころも)」です。
この成り立ちを覚えていれば、今度は間違えないでしょう。「褒」の下は「衣」ではありません(でも、部首は「衣」ですよ)。
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