〆野友介@小論文・作文指導者

大学卒業後、学習塾勤務、出版社勤務などを経て、現在は団体職員。傍ら副業で「中高生への小…

〆野友介@小論文・作文指導者

大学卒業後、学習塾勤務、出版社勤務などを経て、現在は団体職員。傍ら副業で「中高生への小論文・作文などの添削指導や採点」を在宅で行っている。しかし年間3000枚程の答案を扱っているため、もはやそっちが実質本業の人。趣味は文章創作とラジオ聴取と酒。

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自己紹介

 おはようございます。こんにちは。こんばんは。〆野友介と言います。  プロフィールにある通り、本業は団体職員ですが、副業で中高生への小論文・作文などの添削指導や採点を行っています。Wワークしないと生きていけません。貧乏暇なし。何かと世知辛いですが、ふてくされずに今夜の晩酌を楽しみに、今日も仕事を頑張っています。  けなげですね(人が言わないので自分で言う)。  文章指導は在宅で行っています。いわゆる赤ペンで指導することもありますが、パソコン上で行うこともあります。…とこ

    • 【文章作成の基本】接続詞の使いどころ

       noteの記事作成を始めて、一か月程経ちます。皆さん、いろいろと読み応えのある記事を書かれていますね。読む度に様々な発見があるので、楽しいです。  文章の作成術に関しても、皆さんいろいろな立場で考察されていて、面白いです。  私は中高生に指導する立場で、学校教育的な側面から文章作成について述べていますが、webライティング術やコピーライティング術、セールス文章の作成の側面で文章作成について述べている記事もあり、読むと「なるほど、そういう考え方もあるか」と驚きます。もちろ

      • 【間違えやすい表記】「魅」

         本日は、「魅」。  志望理由書などでは「~が魅力的です」などの表現が使われがちなので、中高生は書く頻度の多い漢字なのではないでしょうか。その分、間違える人も多い印象です。  中の「ム」の部分が、よく忘れられます。  「魅」の中の「未」が「ミ」という音を表します(形声漢字)。そして「鬼(キ・おに)」が意味を表します。この「鬼」は、「ばけもの」や「もののけ」などの怪異を示します。「魅惑」、「魅了」という熟語を考えれば、そのように心をひきつけて惑わすような力(魅力)に、昔の

        • 【エッセイ】「ぶら下げ」に振り回される。

           小論文・作文指導者の朝は、遅い。  昼近くに起き、顔を洗い歯を磨き、野菜ジュースを飲む。雑に遅い朝ごはんを終えて着替えると、「職場」に向かう。通勤時間ゼロ。自分の机に向かう。在宅ワークが今日も始まる。  大きなあくびをしながら、高校生の書いた添削原稿を眺めると、すぐに異変に気付いた。  「ぶら下げか…。」  さて、この業者の原稿ではどうだったか。赤入れするかどうか。迷った。  文章の誤りには赤を入れて正すのが、私の仕事である。誤字、脱字の、表記上のミス。言葉の誤っ

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          【文章作成の基本】「なので」は、文の頭に置かないこと。

           小論文や作文などで「かっこいい」は使わない方がよい、という話を先日しました。それと同じくらいの頻度で目にするのは、「『なので』を接続詞のように文の頭に置くこと」です。この誤り、間違いもよく目にします。  これも先日上の記事で言いましたが、話し言葉や俗語は「正しい表記・表現ではない」ため、小論文や作文などで使うべきではありません。この「なので」も、そういう意味での「正しくない表記・表現」の一つです。  今回も辞書を引いてみましょう。  これが、国語辞典の「なので」の項目

          【文章作成の基本】「なので」は、文の頭に置かないこと。

          【文章作成の基本】一文を短くする矯正術(追記)

           先日、このような記事を書きました。後にnoteに上げたわけですが、しばらくして「あ、あれ書き忘れたわ」と気づきました。今回は、その追記になります。  本当はすぐにこれを書きたかったのですが、先週はいろいろと忙しかったので、時間が経ってしまいました。結果、大変ご面倒をお掛けしますが、先日の同題記事と合わせてお読みください。  では、本題です。  先日の同題記事で、このようなお話しをしました。  いわゆる「ワンセンテンス・ワンメッセージ」の原則ですが、これに対する補説で

          【文章作成の基本】一文を短くする矯正術(追記)

          【間違えやすい表記】「達」

           結構皆さん間違えます、「達」。どこを間違えるかと言うと、「しんにょう」の中を「幸」にしてしまうのです。つまり、下の横棒が一本足りない。残念。  小学生4年生の時に習う教育漢字なのですが、意外と中学生も高校生もよく間違えます。もしかしたら、大人の方でも間違えて覚えている人がいるかも。 「達」  よく見ると違いますよね、「しんにょう」の中、「幸(しあわせ)」ではありませんよ。  間違えている人は、こんな感じで覚え直しましょう。  「しんにょう」の中の元の漢

          【間違えやすい表記】「達」

          【文章作成の基本】一文を短くする矯正術

           私に限ったことではなく、どこの国語の先生も、またどの「文章の書き方」本でも、「一文は短く書きましょう」と注意しています。これ自体は全く珍しい話ではありません。  しかし、なぜ一文が長いといけないのでしょう。  それは、「文構成が乱れがちになり、文意の通りにくい文」になるからです。文構成が複雑になることで、主語と述語、修飾語と被修飾語などの呼応関係が乱れがちになり、理解しにくい文になるのです。だから、一文はなるべく短くまとめるようにします。  『源氏物語』などの、平安時

          【文章作成の基本】一文を短くする矯正術

          【文章作成の基本】「かっこいい」は、使わない方が無難。

           「小論文や志望理由書など、大人に提出するような『しっかりした』文章を書くときには、『話し言葉』は禁物である。正しい表記、表現である『書き言葉』で書くべきである。」ということは、ほぼ全国の「国語の先生」が生徒に指導で言うことですが、それでも後を絶たない「かっこいい」。添削や採点指導をしていると、ほぼ毎日そうした答案を見ます。 もちろんこれは、「かっこいい」に限ったことではないのですが、答案を見ていて「また出たぁー!『かっこいい』」という心の叫びを発して「赤」を入れてい

          【文章作成の基本】「かっこいい」は、使わない方が無難。

          【コラム】「マルハラ」について、小論文・作文指導者が考えてみた。~マルハラ狂騒曲の果てにあるもの~

          「マルハラ」への批判の多くは、えん罪である。 あらゆるハラスメントはこの世からなくなればいい、という主張に反論する人はまずいない。しかし、この問題の難しさは、ハラスメントそのものに対する賛否の違いにあるのではなく、する側とされる側との間にある「認識のずれ」にある。つまり、している側が嫌がらせのつもりでやっているのではないことを、された側が、している側の想定に反して嫌がらせだと感じることがこの事象なのである。「己の欲せざるところ人に施すことなかれ」は万民が認めるところ

          【コラム】「マルハラ」について、小論文・作文指導者が考えてみた。~マルハラ狂騒曲の果てにあるもの~