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ようやく見えてきたゴール

今年1月から必死に書いてきた 大学院、高齢者看護(老年看護学)での修士論文がようやく形になってきました。
 
論文は 、在宅に住む 初期の認知症患者への検査や支援を行う、地域診療所で働く看護師がどのように他の医療職や地域の福祉職と連携をしているかについてのインタビューを分析したものです。
 
 
スウェーデンでは10年ほど前からベーシックな 認知症診断については 地域の家庭医が行うという方針になりました。
診断を していく中で とても大事なのが 認知症が疑われている方の生活の状況を知ることや 家族の状況を確認することです。
 
また 診断 ありきの支援ではなく、 認知症の診断がなくても 、認知機能の低下がある方が 在宅で暮らせるような支援を少しでも早い時期からできるために患者さん自身について知ることが大事であると 国の指針も示しています。
 
そのようなことで 医師による 聞き取りには時間的限界があることや、医療と生活福祉の視点や知識が必要となるので、 認知症専門の看護師などを中心に 看護師による認知症外来が家庭の診療所に開設されるようになり、
診療所によっては 理学療法士、 栄養士などもチームを組んで認知症の方の生活を維持するための支援を行っています。
 
また福祉の業務を担う市のケアマネージャーや 訪問看護師 訪問介護士 などとの連携を この認知症外来の看護師が行っている場合や、今後そのような役割を担うことを期待されています。
 
2019年には 在宅で暮らす 認知症の患者さんのための 多職種連携について 非常に具体的な ガイドライン が国から出されてはいますが スウェーデン国内の中でも 地域の差 や診療所による差はまだ大きいようです。
 
そのような状況の中で看護師はどのような業務を行い どのような連携を行っているのか 地域によって どのような医療サービス 福祉サービスの差が生まれているかについて 看護師の体験を聞く インタビューを行いました。
 
全国から 該当する看護師を探し出し 連絡を取り インタビューの予定を作ることが この論文の中で一番困難でしたが 多くの人の協力もあり、なんとか 10名の看護師に参加してもらうことができました。
 
私の住む地域から遠く離れた看護師もいたため オンラインでの面接が半分、 看護師の働く 診療所へ訪問してのインタビューが 約半分となりました。
 
多くの看護師が看護師の後に認知症や精神科 、保健師など専門看護師の教育を受けた人たちで、さらに看護師としての職歴も長く 認知症外来という新しい分野で それぞれがその地域にあったやり方を探りつつ 仕事をしていることが、
インタビューの中でよくわかりました。
 
 論文にまとめた研究の分析、 結果やディスカッションについてはまた次
の機会に お話しさせていただきます。

写真は、一緒に働くケアワーカーのスタッフ。

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