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負け続けの自分が、勝てるようになったきっかけ。

何かをやろう!と決めた時、やってやるぞ!と気合い十分な自分と、やると決めたけど、ほんとにできるかな…そんな自信なさげな自分。僕は何をやるにしても、この両者が激しく闘います。

かっこよく言えば、スターウォーズのジェダイとダースベイダーのような光と闇の闘いが繰り広げられます。


フォースと共にあれ。 


自分の中の闇はとてもシンプルで、めんどくさいからやめよう、お前には無理だ、恥かくだけだ、チャレンジとかしないで、このままでいようよ、そう呟いてきます。

実際、その誘惑に負けて3日坊主になることもありました。やっぱり続かなかったかぁ、最初からムリだったんだ。そう自分にいい聞かせ、「ダメな自分」のレッテルを自分に貼りつけていました。




何かをやり続けるのは、けっこう難しいです。新しいことを始めることは、脳にとってストレスだと聞いたことがあります。そのストレスが減り、習慣化するまでは2〜3週間。その2〜3週間が辛くて辛くてたまらない。 


ひたすら自分の闇に負け続け、いわゆる「負け癖」がついていました。自分ごときには何もやり遂げられない、だからしょうがない。やり遂げられるのは選ばれた特別な人だけだと。


「僕には何もありません。唯一の特技はサボることです。これだけは自信を持って言えます。好きな言葉は怠惰です、よろしくお願いします。」



でもある時、友人から誘われて一緒にライブをすることになりました。久しぶりのライブでいきなりのワンマンライブ。怖い気持ちと、緊張感が混じり合っていましたが、せっかくの機会だしやってみたいと思いました。来てくれたお客さんにいい演奏を聞かせたい、気合いに満ち溢れていました。


ライブまで3ヶ月、会場を予約し、チラシも作りました。しつこく書きますが、気合いは十分です。



しかし、

気合いは十分なのに、またヤツがきた。


いざ練習をするぞ!と決めたのはよかったのだけど、1週間まるで何事もなかったかのように練習がストップ。




まだ日にちがあるし、今日はサボろっと。疲れた疲れた。明日から頑張ろう。負け癖って恐ろしい。。いくらでもサボれる。 

やらない自分を自ら選んでいたのです。



残り50日、40日、30日。無常にも時間は流れ、ライブが迫ってきているのに、全く練習に向かえない。もちろん曲も全く完成していない。ヤバいぞこれは!このままでは大変なことになる。どんなに自分にいい聞かせても、どんなに発破かけても、全然練習に向かえない。


「お願いがあります。誰か代わりライブ出てください。僕は観客席から応援します。」
 


ついに、究極の現実逃避に走り始める。


やっぱり間違ってた、何もやり遂げられない自分がライブやろうとすること自体間違ってた。なんでやるって言ってしまったんだ、オレのバカ。



生まれてきてごめんなさい。

生まれ変わったら貝になりたい。


そんな自己嫌悪の黒い塊に覆い尽くされてしまっていたのでした。



ライブまで残り27日。悪夢を見た。

ステージでピアノが全く弾けずにテンパリMAXで、お客さんに指をさされ大笑いされる夢。激しいドキドキとともに目覚める最悪の朝。夢でよかったとは思えない生々しい夢。

その時、声が聞こえた。


これは夢ではない、27日後のお前の姿だ!せいぜいあがくんだな。がははははは!





何のキャラ設定か全く不明だが、頭の中の大魔王がそう告げていた。たぶんドラゴンクエストだと思う。



もうダメだ、逃げられない。やるしかない。自分スイッチなんてものがあるかはわからないけど、とにかくピアノに向かうことにした。とにかくイスに座る。まずはそこから。


ライブ3週間前にして、ようやく練習し始めた。すぐにやめたくなる自分より、変な演奏を聴かせたくない一心だった。必死の形相で、1日12時間以上ピアノをひたすら弾いた。音大生か!と突っ込みたくなるほど、弾きまくった。こんなに練習したことはいままでなかった。



もう時間がないから、間に合わないかもしれない。この間にも、容赦なく魔王は囁いてくる。





「いい提案があるんだ。行方くらまさないか?

 そうだ、京都に行こう!」


ここまできても、一瞬本気で京都に行こうと思った自分が心底イヤになる。なぜ腹に決めることさえできないんだろう。大変だとすぐに逃げようとする。こんな自分は嫌いなのに、変われない。振り払うようにひたすら練習に向かった。




ここでやめたら、たぶん一生このままだ。それは…死ぬ時…絶対…後悔する。そんなつまらない人生はイヤだ。いい人生だったと笑って死にたい。自分から何かを振り絞って、弾いていた。






2週間後、自分に変化を感じ始めた。魔王の声が小さくなってる!1日12時間の練習を続けられた自分ってけっこう凄くない?そう自分でも思えるようになっていた。このまま走り切ってやる!





自信がついてきたのも束の間、

ライブ5日前、
練習のしすぎで腱鞘炎になった。


手首から肘にかけて重くつっぱり、指がうまく動かない。。焦らなきゃいけないところだけど、腱鞘炎になるまで練習できた自分が嬉しくて、つい喜ぶオレ。



本番で弾けなくなったらどうするの?とメンバーに本気で怒られたけど、でもやっぱり嬉しかった。「こいつわかってねぇな。」反省の色が顔にでてなかったせいでさらに怒られるが、やっぱり嬉しかった。こんなにやったんだから、絶対にできる強い意志を持つ自分に変わっていました。


こんな自分、いままで見たことない。



流されて続けて、決めることができなかった自分が変わり始めた。






そしてライブ本番。

ありえない緊張で腕が震える。

気が散るからこっち見ないでくれ!と心で叫ぶ、まったく不可解な演奏者。


結局、
練習の成果ほぼ出せずに惨敗。。






まぁ、当たり前か。でも悪夢は現実にはならなかった。ミスしながらも、最後までやりきった自分がいた。意外だったのは、必死すぎる何かがお客さんに伝わって、いい感想をもらえたこと。




ナイス!ビギナーズラック。



お客さんが優しくてよかったよ。


「ちょっとした自信」がつきました。


結果はどうあれ、本番に立つことで成長できるのかもしれません。




何かにチャレンジする時、光と闇の自分がいます。変わりたくても変われない時は、とにかく目標を立てて、ムリにでも期限を決めてしまう。1人じゃムリだったら誰かの力を借りてでも決める。そんな環境に自分を追い込んでみる。そして、ひたすら自分をぶつけてみる。


出来ないと思いこんでいるのは自分だけ。


まだ本気を出していないだけだということに気づきます。


本気を出した時のパワーってほんとに凄いですよ。人生を変えるパワーがあります。僕は1年後リベンジしました。1年間できる限りの準備をして。できない自分はもうどこかへ行ってしまったようで、負けることはありません。夢中になっていました。


チャレンジすることは大切だと思います。今まで知らなかった自分に出会えるのだから。小さな闘いを始めていきましょう。

フォースと共にあれ。


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