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短歌:生き残る条件って

道端の雑草抜けと彼は言う誰の役にも立たないからと/銀猫
みちばたのざっそうぬけとかれはいうだれのやくにもたたないからと

人もまた誰の役にも立たなくば抜かれるのかなこの社会から/銀猫
ひともまただれのやくにもたたなくばぬかれるのかなこのしゃかいから

 パートナーは、セミプロ級の野菜作りをします。そのために欠かせないことは、草取りと間引きです。
 それが大事なことであるのはわかっているのですが、わたしは間引きが苦手です。草取りはなんとかかんとかやっていますが。

 能登の地震がきっかけとなって、ネット上でいろいろな発言ややり取りを見かけます。その中で、「弱者は淘汰されても仕方がないってこと?」と思われるような内容を見つけました。避難所や災害関連死に関する記述でした。

 わたしは、軽度ですが化学物質過敏症を発症しているので、こんな災害があったら大勢が集まる避難所にいられません。長期間のレトルト生活も自信ありません。心配事がいろいろとあります。
 そして、わたしよりも重症の方はたくさんいらっしゃいます。そういう方たちの場合、さらにさらに深刻な問題です。

 各種アレルギーは、比較的に理解が進んだと思われますが、化学物質過敏症は、なかなか正しく知って戴けません。香りの好き嫌いの問題ではないのですが。

 自衛する、自分で備えるのは当然のこととして、それでも生き抜けるかどうかかなり不安です。化学物質過敏症は、周囲の方に大きく影響を受けてしまうものですから。

 そんな人間は、淘汰されてしまうんでしょうか。生き物の宿命として。

 こんなことを考えながらの連作です。

 被災なさった方、弱者の方、マイノリティの方、お年を召した方、障碍をお持ちの方、持病をお持ちの方、アレルギーをお持ちの方、化学物質過敏症の方、一日も早く落ち着いた生活が戻ってきますように。


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