12.いつか野良猫になるときに
私は エレクトーンとピアノを習っている。
先生は
かわいがっていた猫が 亡くなったとき
「もう 猫は飼わない」
と 言った。
「最期までみれるか 分からないから」
先生は 私の母親くらいの歳だ。
また あるとき
「もう 小さい子のレッスンは
新しく 受け付けない」
と 宣言した。
「最後までみれるか 分からないから」
私たちって 猫みたいだ。
そうは 言っても
受け持つことにした子も いた。
生徒の 子どもや親戚だ。
「私が みれなくなっても
ママが 何とかすればい