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2.解離性障害を受け入れて【精神疾患】

こんにちは。精神疾患をもつLGBT当事者である「しろくろ」です。
今回は、前回の「1.解離性障害の発症」に続き、私が解離性障害を受け入れた時のことをお話ししようと思います。

※症状や発症については個人差があるため、あくまで私の話です。
※解離の症状には、記憶をなくす「解離性健忘」や、いわゆる多重人格と呼ばれる
「解離性同一性障害」、自分が自分でなく感じ、自分を外から眺めている感覚になる「離人症」など多種多様な症状があります。
※当時の日記が近くにないため、年齢・季節など曖昧です。

20歳の秋、初めて「人格交代」を自覚した私は、まず当時の主治医に相談しました。その頃には、人格が交代するが故に日常生活がままならなくなっていました。
そして冬になり、私は初めて精神科の閉鎖病棟に入院することになります。
スマートフォンは禁止、外出も許可が出るまで禁止。何より「閉鎖病棟」という聞き慣れない単語に、私はかなりビクビクしていました。しかし、その病院で長くお世話になるであろう支援者と出会うことになるのです。

はじめは想像できない環境に怖がっていた私ですが、入院した病棟の看護師さんたちはとても優しい方ばかりでした。そして、病院の外の世界ではなかなか信じてもらえない「解離」の世界の話を、根気強く聞いてくださいました。

解離性障害は、よく「複数の人格がいるフリをしている」と言われますが、実はほとんどの場合は違います。社会で生きていくために、「人格が1人のフリをしている」のです。私も入院をするまで、話を聞いてくれる人格には「しろくろのフリをして」と伝え、人格が1人のフリをしていました。
「人格交代」という症状に、誰よりも戸惑っていたのは私でした。毎日「こんなこと起こるはずない。演じているだけだ。」と自分を責めていました。そんな私に看護師さんたちは、「解離するくらい辛かったんだよね。そんな時は逃げていいんだよ。」と伝えてくれました。その言葉で、ようやく私は「解離性障害」の自分と、しばらく付き合っていくであろう人格たちの存在を認められました。

私は、入院を通じて自分の症状を受け入れることができたのです。
(この病院に毎年入院するようになる話は、また別の時にお話しします。)
次回は、解離性障害と共に生きている今の現状をお話したいと思います。

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