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【蒸留日記vol.28】東洋のニオイヒバことコノテガシワを蒸留する!

一見するとおなじみニオイヒバ(Thuja occidetalis)にソックリなんですよね。
おいら氏もお初目にかかる相手で、ラボに持ち込むまで違いに気づきませんでした。

なんだなんだ、最近ヒノキやらヒバやらコノテガシワやら、ヒノキ系ばっかやんけという蒸留日記。
本日も中国のヒノキことコノテガシワ(Platycladus orientalis)でお送りしていきます!

●コノテガシワ(Platycladus orientalis)の簡単なプロフィール!

ニオイヒバは北米原産のヒノキの仲間で、明治期より北海道にたくさんやってきたという来歴はみなさまご存知ですよね。

対して、中国大陸(北部)にもこの近しい仲間が実はいたんです。
それもコウヤマキと同じ一種一属の稀少な存在。それがコノテガシワ!

和名ではさすがにヒノキチックな名前はつけられていなんですが、植物分類上では立派なヒノキの仲間。

ニオイヒバを木琴と例えると、コノテガシワは鉄琴。
そんな仲間関係にあたります!

学名に注目しても関係はわかりやすく、ニオイヒバはT.occidentalis-オクシデンタル(西欧的なというラテン語)が当てられており、コノテガシワはP.orientalis-オリエンタル(東洋的な)というまさしくな名称となっています。

北海道では庭先のグリーンや囲い木のシェアこそニオイヒバに譲りますが、次の手三の手あたりで上がるのがこのコノテガシワ。
ニオイヒバよりは枝が柔らかいために積雪に耐えられないのでニオイヒバやイチイに軍配を譲るそうです。

本州でだとどうなんすかね?

◯分類上、かつてはニオイヒバと同属だった。

ヒノキ科の球果たち

英語圏では"Thuja orientalis"の学名でもコノテガシワについての文献がよくみられるんですが、分類学の歴史的にはここ最近"Platycladus"として分離されたようです。

理由としては、まず種子の形が全然ちげぇ!ってのが一つと、ほぼ匂いのしない葉っぱという違いだそうです。
ということはクロべ属(Thuja)はみんな香りを持ってるのかな?

確かに蒸留前刻んでる作業中、匂いはほーんのわずかにシトラス系の香りが漂うほかは目立った匂いはしてなかったんですよね。

●春の大剪定で出たコノテガシワを譲り受けた!

見ての通り山のように貰った!

知人ツテで「庭の常緑樹集めてるの?ちょうど切って出たよ!」という連絡がきたのでホイホイ釣られて回収してきましたとさ!

しかし持ち帰ってきてみてびっくら仰天!
どうやらニオイヒバっぽくはないぞ〜?と気づいたので先日のヒノキ回みたいにさっそく松ぼっくり探し!

よく探すとまれに丸っこい球果が付いている

出ました!葉っぱはめちゃくちゃニオイヒバっぽいのに、球果(松ぼっくり)だけはネズとかヒノキっぽい!
たくさん密集してついていないところはヒノキっぽい!

もちろん葉っぱには白い気孔帯は無し!本当にニオイヒバっぽい!

で比較サイトなんかで詳しく調べてみると、どうやらコノテガシワのようでした!

●刻みやすい形状なのでザクザクと刻む!が…

枝葉一枚一枚は平たく伸び、重なり合うように生い茂る

"コノテ"ガシワというように子供の手のひらのような葉っぱが重なり合うように葉っぱがつくので刻みやすいっちゃあ刻みやすいんですよね。
この重なり合う葉っぱのつき方が和名の由来!

光を求める性質が強いのか、枝の内側にはまったく葉っぱはつかず、葉っぱのほとんどが枝の先端に集中しているようです。

コノテガシワは刻みやすい形状をしているので1時間足らずで箱いっぱいにできる

さすが北米のニオイヒバとは"距離的に"遠い樹木。
ここまで大量に刻んでも匂い一つ漂ってこない。。。
本当に精油採れるのか内心、心配になってきた。

針葉樹が好きなエフゲニーマエダの肌感覚だと、北米大陸には葉っぱや木材に特徴的な香りを持つ針葉樹が多いイメージ。
プンゲンストウヒウエスタンレッドシダーなんかね。
一方のアジア大陸やヨーロッパ大陸の樹木にはそれが少ない感じがする。

樹木を食害する虫や動物が多かったり少なかったりの生存競争圧の強度によるのかなぁ〜とも思ったり。

刻んだコノテガシワをモリモリと釜に突っ込んでいざ蒸留開始!
さぁーてコノテガシワはどれだけ精油が採れるんでしょうか、、、!!

●どれだけ精油が採れた?

今回の蒸留結果は

予感が的中、、、というより匂いがあんましなかったのは当たってたようで、精油は期待するほど多くは抽出できませんでした!

フローラルウォーターの香りもニオイヒバほど特徴的でもなく、アカエゾマツのようなピネン系?ボルニル系?のいかにも松系を蒸留したな〜って香りでした。

精油は、、、なんだろう、独特ではあるんですけど、近しい香りがいない。
そしてあんま良い匂いではない、、笑
通りでコノテガシワ精油というのを見ないわけだ。

体調が優れないから良い匂いを感じられないのだろうか?
いやーこれはこれで心配になるなぁ。

●総論!

コノテガシワがアロマの世界で真価を発揮できるのは、どうやら木材の方らしいです…調べによると。
ちょっくら後日太い幹の部分をゴリゴリやってみて香りがどうなんだか探ってみます。

精油とフローラルウォーターはともに良い香りがしませんでした。あちゃ〜…

ではでは!!
(なんでこんなテキトーに終わらすねん‼︎笑)

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