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裏庭ハーブ園での香料採油作物としてL. x chaytorae 'Sawyers'を検討する!

以下L. x chaytorae栽培導入の動機

葉っぱや茎表面に軟毛が際立ち、白っぽくみえる。

まぁザッッックリ述べると、このハイブリッドラベンダー系統種において精油抽出をして成分を解析した人や研究機関が未だないようで、精油成分の解析論文やL. x chaytoraeについて調べられた論文が存在していないみたいなんですよ。
片親のL. lanataの方はいくらか片手で数えるくらいの本数の精油成分解析論文が存在していて、それら論文の解析結果によるとカンファーとラバンジュロールが精油の主体成分であることがわかっています。

ここ最近、精油販売を行ってるメーカーさんが精油成分のデータ解析事業もはじめられたようなので、チャイテラエの精油をGETしてそこに投げ込んでみようと思ったのです。
おそらく世界で初めての試みになるようですね。


●L. x chaytoraeは耐湿性が高い??

香料作物としてよく栽培されるコモンラベンダーと
自生種のみで大規模栽培はみられないウーリーラベンダーのそれぞれ生育エリア

南フランスの高地エリアで香料用に栽培されてたり、北海道の富良野地域でよく見られるコモンラベンダー(Lavandula angustifolia)は北海道や英国、ウクライナやロシアでも大規模栽培が可能なくらい積雪や雪の下の湿度には耐性があるラベンダー系統種です。

対してウーリーラベンダー(Lavandula lanata)はスペイン・イベリア半島の南部乾燥帯に位置するシエラネバダ山脈に自生しており、アフリカ大陸に近く乾燥地であるので、温帯湿潤気候の湿度には素直には耐えられない性質を持ち合わせています。
英国の園芸業界においてもシルバーリーフが評価されるウーリーラベンダーの栽培がいくらか試みられましたがうまくいかず、結果として耐湿度と栽培耐性を強化できたコモンとのハイブリッド種が園芸業界で主に扱われるようになりました。

ウーリーラベンダーは南方性のラベンダーではありますが、コモンと交配することによってウーリーの性質をいくらか引き継いだまま耐湿性および北方生育能力を獲得しており、つまるところウーリーの持つ精油成分のいくらかを冷涼湿潤地でもハイブリッド種chaytoraeとして抽出することができるのです!

ちなみに、チャイテラエラベンダーは英国で作出され、英国を中心にガーデンプランツとしてよく栽培されているラベンダーの1系統であり、曇り日がすこぶる多い英国:湿潤地での栽培性能もお墨付きだったりします。


●研究者としての意地、L. x chaytoriaeの精油成分を調べる!

コモンと交配しているハイブリッド種なので、いくらか香りに甘みやフルーラルな美しさが含まれていることが予想されます。
その精油としての香り良さを確かめるべく、まとまった量の精油が得られるよう多数栽培するつもりです!

果たしてラバンジンとチャイテラエ、精油の香りとしてはどちらが多くに人に受け入れられる香りであるのか?を調査します。


●L. x chaytoraeの清涼成分を香料として利用!

チャイテラエラベンダー'ソーヤーズ'の未成熟花穂
香りは心地よい甘さとスッとするさ爽やかなアロマが両立している

裏庭ハーブ園での栽培作物の主眼としては、メントールなどの清涼成分を獲得することをテーマに据えております。なのでミントやハッカを栽培し、これらからメントールを入手することが決定しています。
ラベンダー花壇エリアにおいても樟脳やシネオールを主体的に精油に含むヒロハラベンダー(Lavandula latifolia)が植えてありますが、湿地かつ低日照の裏庭エリアではまず育つことができません。

そこで、樟脳成分を主体的に含有し、多少の湿地でも栽培が可能なチャイテラエラベンダー(L. x chaytorae)に白羽の矢が立ったワケです!
おまけにチャイテラエラベンダーは甘く癒される香りの精油を生み出すコモンラベンダーと交配しているハイブリッド種なので、片原種のウーリーより香りが受け入れやすいものに改善している可能性があるのです。

L. x chaytoriaeは香料としても利用が可能か?

おまけに香水原料として盛んに栽培されるコモンラベンダーと交配していることから、香りがいくらか心地良いものに改善していることが予想されています。(詳しい精油成分の解析例は無い)
そこでウチでもその可能性を追求するべくそれなりの量の栽培を検討しているのです。

ちなみにコモン&ヒロハのハイブリッド系統種であるラバンジンは樟脳とリナロールが主体成分となる精油組成になっています。

▶︎日本国内で入手しやすいL. x chaytorae品種たち

1.'Sawyers' - ソーヤーズ

1980年代に園芸作物の研究圃場で発見されたソーヤーズは、日本の園芸苗販売市場でも比較的安易に入手できるチャイテラエラベンダーの品種になります。主にハーブショップのネット販売ページではラベンダーを扱う事業者ならばラバンジン以外のハイブリッドラベンダーでの定番商品としてストックしている品種のようです。

株サイズと花穂形状がコモンラベンダーより大型化する傾向があるようです。
あらゆるソーヤーズラベンダーの画像をチェックすると、花穂形状がラバンジン(L. x intermedia)のように大型化しているので、植物体積が大きいということになり、採油用として採用の余地があります。

外見的特徴から推測すると、ウーリーラベンダー固有の特徴がより多く発現しているように思われ、精油の香りもよりウーリーラベンダー寄りの性質が強いことが期待されます。

2.'Silver Sands' - シルバーサンド

手前の白っぽいラベンダー株がシルバーサンド、奥はラバンジン。

調べたところによると、2015年にJardin社によって作出されたシルバーサンドは、花穂の形状がコモンラベンダーに似て穂先にまとまって蕾をつける外見的特徴があるようです。
対照的にソーヤーズは花穂が長いことが評価され、ややラバンジンのような穂状花序の形態をとることが知られています。

シルバーサンドは近年普及しはじめたチャイテラエラベンダーであり、ホームセンターなどの実販コーナーなどで入手することができます。
比較的値段が高いのが大量栽培においてのネックになります。


総括!

【選定理由】
①コモン(L. angustifolia)やラバンジン(L. x intermedia)より高い耐湿性を持っているとされるため
②精油成分研究の未知領域・先進性があるため
③花や枝葉などが樟脳採集源としての利用が期待できるため

若い人がどんどん減る地元【三笠市】もついに人口7000人台目前。 朝カフェやイベントスペースを兼ねたラベンダー園で今いる住民を楽しませ、雇用も生み出したい。そして「住みよい」を発信し移住者を増やして賑やかさを。そんな支援を募っています。 畑の取得、オイル蒸留器などに充てます。