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急遽、ラベンダー蒸留水でシーシャを立てる。

2年前、友人に初めてシーシャに誘ってもらったのですが、その声をかけられるきっかけというのも、「ラベンダーフレーバーがある店だよ!」とのこと。

だもんで、2年前に初シーシャを経験していました。
(まだタバコは吸ったことないガキなんですけどね…)

わんさかラベンダーポプリと生のカットりんごが沈んでいる

確か訪れたシーシャ屋さんは札幌のロコモコだったかなぁー…?
シーシャって、話を聞く限りだとフレーバーにタバコの葉を添加しているそうで、水層-水蒸気にニコチンをある程度は逃がせるらしいんですが、結局ニコチンも吸入しているそう。

この時は程度を知らずラベンダーアロマを吸いまくってしっかり頭クラクラさせてた⤴︎⤴︎


んで時は経ち、そういえば!と自宅で長らく活路をさまよっていた蒸留水にふと目が留まり、シーシャをセルフで立てられる友人が近場にいたな…!!

というワケあってこの実験的企画がスタートしました!


■芳香蒸留水/フローラルウォータの臨床的活路を見出す。

実際に人体の内側に入れる方法として、シーシャの下の水にラベンダーの蒸留水を配置することがあるなーと思いついたんですね。

いわゆるラベンダーが持つ香り成分の中で、油分・オイル成分は蒸留工程で先にエッセンシャルオイルとして分離・回収されていて、芳香蒸留水中に残る物質とは水溶性成分(OH基を持つ)のリナロールラバンジュロールシネオールαテルピネオール樟脳/カンファーテルピネン4オールが主体になってたりします。

これらを主体的にシーシャで吸っていくワケです。
でシーシャの構造的にあのモハモハ煙はほぼ水蒸気なので、蒸留水吸えんじゃん!!と思い立ったワケであります。

加えて、芳香蒸留水の味を身近に味わえるツールとしても、シーシャって優秀だよなぁ…と。


ともにフランス原産ラベンダーの3号濃紫とラバンジン・グロッソの蒸留水。

・・・今回おもしろいことに、作出年代は1930年代と1970年代の新旧時代を分かつラベンダー品種(の蒸留水)を用意。
奇跡的にどちらともフランス原産ラベンダーとなっています。

おもしろいでしょう!

■ラベンダーにはL.angustifoliaとL.x intermediaの2つがいる。

今回の検証趣旨でもありますが、ラベンダーと一言で言っても、香りはもちろん植物系統的にも大きく違っているコモンラベンダー(Lavandula angustifolia)ラバンジンラベンダー(L. x intermedia)の2種が存在していることはご存知でしょうか。

そして、それぞれはケミカル的に見るとしっかりとアロマ成分の構成成分が違っているんですよ。
エフゲニーマエダ個人的に思うに、薬品臭さをもつカンファー/樟脳やボルネオール/竜脳を持つか持たないかの差が大きいでしょう。

ラベンダーにおける代表的な原種と交配種

※持つ持たないと言ってもコモンラベンダーも樟脳・竜脳を微量含んでいて、1%程度(コモン)か10%以上(ラバンジン)かの違いになります。

コモンラベンダーとラバンジンラベンダーの香りの違い

なので、樟脳をほぼ持たないリナロール主体のコモンラベンダーは、オイル単価が高いだけに、癒し・鎮静・リラックス効果で有名なタイプ。

対して樟脳を10%ほど持つラバンジンラベンダーはどちらかというと目が醒めるようなアロマを持っていることになります。

●プチ疑問- ラバンジン使用のジンはなぜか甘い。

YASO GIN 151シリーズのLAVENDER

越後薬草(新潟)のつくるクラフトジン151シリーズでラベンダーバリエーションが製品化されています。

これは「ラベンダー」と呼称しつつも、蒸留に使われたラベンダーの詳細を探るとグロッソであることがわかっています。

しかし肝心のお味が、薬感がまったくなく、甘いラベンダーのアロマなんですよ。。。
不思議だーと思ったものです。

■それぞれラベンダー蒸留水を味わう検証準備。

今回ラベンダーアロマのお供になるのはノンニコチンの洋梨フレーバー

シーシャのプロの友人に頼らせてもらえるので、ラベンダー蒸留水のアロマの性質をケミカルレベルで相談。
蒸留水もそれぞれ直接飲んで味わってみて、どんなフレーバーがマッチするかを検証します。

結果、邪魔しなさそうと思われるノンニコチンタイプの洋梨フレーバーをチョイス。
コモンラベンダー蒸留水を吸うので、コンセプトを『癒し!!』に持っていきます。
(この上に赤く焼けた炭を置き、フレーバーを熱で蒸発・揮発させるそう)

今回検証に使用したシーシャ。意外とコンパクト!

サクサクっとセットを組んでもらいました!さすがプロの仕事は早い!
ラベンダー専門家のエフゲニーマエダができることは、下の水受けに蒸留水を注ぐことくらい…笑


■実際に試してみる。

【3号濃紫ラベンダー蒸留水】

初回、コモンラベンダーの3号濃紫フローラルウォータから!

これは22年の7月初頭に始まった3号濃紫ラベンダーの蒸留で得られたフローラルウォータ/芳香蒸留水ですね。

ラベンダーの蒸留水は抗菌作用が特徴のテルピネン4オールを含むので腐りにくいそうです。ウケるよね。
これはジュニパーベリー(ジンの原料)のなるジュニペルス・コミュニスが不朽しにくい所以でもあるそうです。

では、この3号濃紫の蒸留水をシーシャで吸っていきまっせ。。。

①味はどうか?

しっかりとシーシャフレーバーと味の住み分けがあることに驚かされます!
トップにラベンダーの邪魔しない洋梨フレーバーが来て、フレーバーが抜けた直後に特濃の3号濃紫の甘さがやってきます。これは本当におもしろい感覚。

シーシャセッティングを手伝ってもらった友人のコメントですが、「ハチミツのようにねっとりした甘さ」だと形容していました。
本当その通りで、おいらも洋菓子づくりに使うほど甘い香りの強い品種なのでさらにその根拠が強まったと言える結果だと思います。

②リラックスするか?

ただの水しか仕込んでいないのに強く出るラベンダーのアロマがおもしろい

甘いです。ラベンダー的爽やかさのある、その中での特に甘い部類です。

この甘さに癒されるかどうかは人によりけりでしょうが、コモンラベンダーは樟脳をほぼ含んでいないので、他のコモン品種によってはどうなんだろう!?とさらに興味が深まる結果になりました。

えーと、不快味はまったく感じません。おもしろい!

ちゃんとリナロールを吸えているんでしょうか、興奮作用などは特に感じません。寝る前とかいいのかもね…!?


【ラバンジン・グロッソ蒸留水】

2番打者、ラバンジン・グロッソ蒸留水!

ラバンジン・グロッソは、まぁ世界でいちばんポピュラーに植えられてるラバンジンだし、うちで精力的に育てる必要はないよね、だとか理由つけてマトモな株が3つくらいしかいないラバンジンでした。

ラバンジンラベンダーはコモンとは明らかに遅れて咲く超遅咲き品種のラベンダーなので、確か蒸留日時は8月の中頃だった気がします。
その時に今回使用の蒸留水/フローラウォータを得ました。

では、さっそく同じノンニコチン洋梨フレーバーで吸っていきましょう…!!

①味はどうか?

弱く吸うと、フレーバーを邪魔しない程度のハーバル感+華開くようなフラワー感
強く吸うと、やっとメントールに似た樟脳/Camphor感が口の中に広がるのを感じることができます。
メインのシーシャフレーバーが駆け抜けた後に、あっさり・爽やかな甘みがやってきます。

ビッッックリすることに、フローラルウォータ単体を直接嗅ぐった際に強く感じる青臭さ・野性味が不思議と取り払われ、消えています。これがすっごく不思議。

②リラックスするか?

弱く吸う・強く吸うそれぞれで味わいの変化を生むことができた!

3号濃紫に比べて大きく味わいが違うので、どちらかというと仕事中や集中したい作業の片手間などに向いている感じがしました。

やっぱり、樟脳感をもつラバンジンラベンダーにリラックス性を求めるのはどこかマッチしていない感じがしますね。
「リラックスするじゃん!」という人は本物のコモンラベンダーのアロマを知らないからなんじゃないかなぁ、という感想でっす。


●総評!!

友人にもしっかり味わせて感想を引っ張る

1.3号濃紫フローラルウォータ

ファーストはシーシャのフレーバー、次に遅れてやってくるラベンダー由来の甘さが格別!!!!
とにかく甘いラベンダーアロマに癒されろ!!

2.グロッソフローラルウォータ

目がさめるハーバル感+フラワー感と遅れてやってくる優しい甘さ。
強く吸う・弱く吸うで味わいの大きな変化を生むことができるのでそこがグロッソ蒸留水deシーシャおもしろさのポイント!


はい。
コモンラベンダーの3号濃紫(L.angustifolia 'No3 Noshi')があまりに異質すぎる甘さを放っていたので、次はピンクラベンダー代表格であるミスキャサリンさん(英国品種)の蒸留水でシーシャを試してみたい所存であります。

あーちょっとここで筆止めますね。誰か来たようだ。


若い人がどんどん減る地元【三笠市】もついに人口7000人台目前。 朝カフェやイベントスペースを兼ねたラベンダー園で今いる住民を楽しませ、雇用も生み出したい。そして「住みよい」を発信し移住者を増やして賑やかさを。そんな支援を募っています。 畑の取得、オイル蒸留器などに充てます。