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事故物件のリフォームは失敗すると大惨事!!?

遺品整理現場での知っ得シリーズ

今回は事故物件現場のリフォームのお話し。先日、不動産の管理会社の方より孤独死現場のリフォームの相談を受けました。

リフォーム相談といっても、現場のリフォームは既に完了しているようで、なんでもリフォームが終わったのに死臭が消えなくて困っているというものです。

孤独死などが起きた際に問題となる死臭は、遺体が腐敗した際に体液などから発せられ、その臭いがクロス等に染みついて部屋全体から死臭がするという事になります。

ですので、孤独死が起きたようなケースでは早期発見、早期処理をすることで死臭がしみ込んでしまう前に処置することが一番の解決策となります。

ただ、当事務所のような特殊清掃を専門に扱う遺品整理業者に依頼が入るケースのほとんどでは既に手遅れになってしまっている状態が多く、室内には死臭が充満し、ハエやウジが大量に発生している状況がほとんどとなります。

こうなってしまった場合は、まずは一刻も早く死臭の元となっている汚損された衣類や家具を処分し、体液や血液で汚れている箇所は洗浄と消毒を行い、被害がこれ以上広がらないようにするのが、孤独死現場の清掃の第一歩となります。

死臭が充満してしまっている部屋にある家財は基本的には全て撤去し、撤去することができない設備や建具等に関しては洗浄を行った上でオゾン消臭等での消臭作業を行っていきます。

ここまで行うと、室内に一般の方でも入れる状況にはなっていると思われますが、それでも遺体の腐敗状況や遺体が倒れていた場所によっては、特殊清掃だけでは臭いの元となっている汚損箇所を洗浄しきれていないこともあり、部屋には何もないし、一見汚れている部分もないのに死臭がする!?ということが起きてきます。

この状況の主な原因は遺体が腐敗した際に遺体から漏れた体液などがフローリングから床下までしみ込んでしまっているようなケースで多く発生します。

フローリングの表面上は清掃で綺麗になっているけれど、実際の死臭の元は床下にある為、フローリングの表面をどれだけ綺麗に洗浄しても、死臭がいつまでたっても消えないということになるわけです。

特にクッションフロワーなどのビニール製品では表面上は清掃によって綺麗になっているように見えても、巾木の隙間やクッションフロワーの繋ぎ目から床下に浸食しており、表面は綺麗なのに、捲ってみたら下側は体液でビショビショなんてことは珍しくありません。

この状況になってしまうと、清掃だけでは死臭を断つことは出来ませんので、リフォーム工事を行わないといけないのですが、事故物件に慣れているリフォーム会社に依頼をしないと、せっかくリフォームしたのに死臭が消えていないという、今回相談を受けた管理会社のようになってしまいます。

事故物件のリフォームは一般的な賃貸物件のリフォームとは異なり時間を掛けて行わないと後が大変。

賃貸物件のリフォームはリフォーム箇所にもよりますが、一般的に行うのがクロスとCFの張替え、ルームクリーニングとなります。

ですので、1Kのような小さい部屋なら極端な話し1日~2日で仕上げてしまうこともあると思われます。

特に賃貸物件の入退去が激しくなる1月~4月頃の繁忙期では、問い合わせがある内になるべく多くの成約を取るために退去した部屋を可能な限り早く入居可能とするために、リフォームを急ピッチで行うことは珍しくありません。

しかし、こうした賃貸物件での入退去の際に行われているのと同じレベルで孤独死現場のリフォームをしてしまうと、清掃が不十分であったり、臭いの対策が甘かったりと、リフォームが完了した後からトラブルが発生してしまうことが多々あります。

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この画像はフローリング部分でかつ壁際に遺体があったケースですが、遺体が腐敗したことで、体液がフローリングと壁の基礎にまで及んでしまっているケースです。

死臭の元となる体液や遺体の一部等はほんの少し残っているだけで、信じられないくらいの臭いを放ちます。

ですので、臭いの元となる汚損箇所は撤去部分や交換可能な部分は撤去、交換をし、撤去や交換ができない部分は洗浄と臭いが漏れてこないように処置をしておく必要があります。

当然、大掛かりな大工工事が必要となるのですが、注意が必要なのが臭いが消えた事が確認できていない段階でリフォームを進めないということです。

先ほども言いましたが、死臭の元となる体液等はほんの少し残っているだけでも、次の入居者から苦情がくるレベルで臭いを放ちます。

ですので、上の画像のフローリングと壁のリフォームの場合でもそうですが、洗浄等を行い、死臭がもう感じられなくなった事を確認してから、フローリングやボード設置などをしないと、リフォームが終わった後で「あれ?まだ死臭がするんだけど、、、、、」となってしまいます。

もし、汚損箇所を洗浄等をして対策したのに、まだ死臭がするとなれば、気づいていない汚損箇所があるかもしれません。

フローリングやクロスを貼ってない段階なら原因の調査もしやすいですが、リフォームを完了してから気づいてしまうと、再度床やクロスを剥がさなくてはならなくなり二度手間、三度手間になってしまいます。

孤独死現場のリフォームは相続人が相続放棄をしてしまい、原状回復費も支払ってもらえずオーナーにとっては痛い出費となるケースも多いですから、なるべく安く、そして次の入居者を早期に入れたいという気持ちも分かります。

しかし、急がば回れの気持ちで確実なリフォームをしていくことが解決の早道だと私は考えています。

まとめるなら、孤独死現場のリフォームは遺品整理と特殊清掃をした後は焦らずにしっかりと死臭の原因を断ってから進めるようにしましょう!ということですね。

事故物件のリフォームや遺族に相続放棄されてしまったケースのご相談などは随時当事務所でも受け付けておりますので、心配な事があればご相談くださいね。

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