採用コンサルタントが転職活動をして感じた”面接設定前辞退の心理”
少し久しぶりの投稿になります。(約3週間ぶり)
なぜ時間が空いてしまったかというと、実は私、転職活動真っ只中だからです!!
10年近く企業の採用について支援をさせていただいてきたのですが、私自身が転職活動をおこなうのははじめて。
日頃選考フローの改善をし
「なんで辞退をするんだろう?」
「どうしたら辞退が起きずに応募者と会えるんだろう?」
と考えているのですが、
自分が転職活動をするようになって「あ、これは辞退するわ」と思うこともありました。
この記事では、自分が転職活動をする上で感じた、辞退の心理についてお伝えをします。
※この記事で伝える辞退の心理というのは、主に応募後〜面接前までの辞退です。面接後の辞退については後日記事にしたいと思います。
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■自己紹介
8年にわたり中途採用サービスを提供する会社で企業の採用活動を支援。
採用計画の立案、求人広告の設計・制作、選考フローの改善を行ってきました。
これまで携わった案件数は2000件以上。
近年は、応募後の選考ロー改善メインのコンサルティング業務を手掛けています。
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辞退の心理
これまで辞退が起こるたびに、
「なんで辞退が起きるんだろう?」
「求職者はどういうことを考えているんだろう?」
と思っていました。
ですが、自分が転職活動をしてみて「これは、辞退したくなるわ」と思うことがありました。
日頃選考フローの改善を行う人間が、転職活動をする中で感じた辞退者の心理をお伝えします。
◎応募前に吟味するのは効率が悪い
応募後に辞退が起こる一番の原因は、多くの求職者にとって企業の吟味を行うのは応募後だからです。
もっと言葉選ばずにいうと、
応募前にたくさん調べて応募をするのは効率が悪く、応募して書類選考を通過してから企業理解を行なった方が効果的なのです。
だから、書類選考通過をしたのに「あれ、よく調べてみたらなんか思ってたのと違う。辞退しよう。」となります。
実際、僕も担当してくださっているエージェントから
「書類選考通過率は10〜20%なので、10〜20社くらい応募していただくのがよいです。」と言われました。
求人広告であればほとんど書類選考を通している案件も多くありますが、仮に10〜20%しか合格しないのであれば、1時間かけて企業理解を深めて「この企業だ」と1社応募するのは非効率です。
10社エントリーするのに10時間かけて、書類選考を通過するのは1〜2社。時間がいくらあっても足りません。
だったら、少しでも興味があるところに1時間で10〜20社応募して、書類選考を通過した1〜2社に対して理解を深めた方が効率的です。
「転職をしよう」と意思を固め、自分のやりたいことや軸の精査など行った僕ですら、「辞退しようかな?」と思う瞬間がありました。(今の所辞退してはいませんが)
「なんとなく転職活動しようかな〜」「いまより条件がよければどこでも」という人であれば、辞退が増えてしまっても仕方ない気がします。
◎スケジュールを組むのが大変
書類選考を通過した後に大変なのがスケジュール調整です。
働いている人であれば、日中時間を確保するのは一苦労。複数の企業と調整をしているのであれば、ダブルブッキングするリスクもあります。
最近はオンラインでの面接が主流になっていますし、私は在宅勤務がメインなので、
「この時間なら中抜けしても大丈夫そうだな」
「18時以降であれば基本大丈夫」
と調整がかなりしやすい方だったと思います。
ですが、出社している人であればオンラインであっても「職場のどこで面接をするんだ」って話ですし、オフラインでの面接となると有給を取らなければいけません。
志望動機が高くなければスケジュールを調整する意欲すら湧きません。
同様に、追加タスクを求められるのも就業中ですとなかなか難しかったりします。
企業としては「これくらいすぐに答えて」と思うかもしれませんが、他の選考も動いていますし、日々忙しかったりします。
ワンクリックで終わるというのであればすぐにできますが、事前のアンケートとなると下手なことはかけません。
テストともなればさらに準備が入ります。
真剣に転職をすればするほど、面接の調整だけではなくひとつ一つのタスクに対してスケジュールを組まないといけなくなります。
そのため、「スケジュールも合わないし、辞退するか」と考えてしまうのです。
◎企業とのやりとりひとつ一つが判断材料
自分が転職活動をする側になってより強く感じたのが、「企業のひとつ一つの対応が判断材料になる」ということです。
書類選考に時間がかかる→「相手を待たせるなんて対応が悪い企業だな。志望意欲が下がった。」
※2〜3日であれば待ちますが1週間かかるのは印象が良くありませんでした。(企業の中で私自身が重要な人材じゃないというのもあると思いますが)
日程が限定的→「こっちの都合は考えてくれないのか?」
企業側にも都合があると思うので「直近忙しく、限定的な日程となり大変恐縮ですが・・・」と一言かけてくれれば印象も変わります。
連絡内容が極端に少ない→「求職者を大切にしていないんだろうな」
普段裏側を見ているからこそ感じる部分もあるかもしれませんが、このように感じていました。
逆に、
できる限り早く対応をしてくれたり、こちらに配慮したやり取りをしてくれたり、要件だけではなく企業の魅力づけ(紹介動画を添付してくれるなど)を行ってくださる企業はとても好印象でした。
企業が求職者の対応を見ているように、ひとつ一つの対応を求職者だって見ています。
◎やり取りのしやすさが重要
転職活動を円滑にする上でいかにやり取りがしやすいかということは重要だと感じました。
企業の対応の問題というよりも、使用しているエージェントや媒体の問題ですが、
動作が重くストレスがかかる。
UIが見づらく対応しにくい。
見落としやすい方法で連絡をしている(普段使わないメールアドレスに連絡等)
など、やり取りがしづらいと優先順位が下がり辞退したくなる気がしました。
私が使っていたエージェントサービスは比較的使いやすいUIでしたし、LINEでエージェントから連絡も来るようになっていたので、万が一タスクの抜け漏れがあっても対応がしやすかったです。
媒体のみを使用されて採用活動を行っている企業ですと、「メールで連絡をしている。」というところも多いので、やり取りがしづらく辞退に繋がりやすいのも納得でした。
辞退を防ぐには
実際に転職活動をしてみて「これは辞退しちゃうよね」と感じる部分についてお伝えをしました。
逆に、辞退を防ぐにはどうしたらいいのか、私が考えたことについてお伝えします。
◎求人情報は特徴と利点を端的に伝える
求人広告の作成に携わってきた人間がいう話じゃありませんが、現在の転職市場では辞退は必ず起きます。
応募前に企業を細かく吟味するのは非効率な転職活動だからです。
なので、応募後に辞退が起きることはある程度割り切る必要があります。
その上で、どうすればいいのかというと募集要項の書き方を工夫することが大切です。
抽象的な話をしたり、いいことばかり書いたり、マスに対して訴求をすると、なんとなく応募した人が増え、応募後に「あれ?なんか違う。」と辞退されます。
そうではなく、「うちの企業はここがいい」ということを端的に伝える必要があるのです。
応募者の印象に残すことで「この企業はここがいいから選考進みたいんだよね。」と認識の相違が少なくなり、辞退が減ると思います。
◎書類選考通過社に対して魅力づけを行う
「書類選考通過後に本格的に企業理解をし始める。」というふうにお伝えしましたが、
逆にいうと書類選考通過者に対してちゃんと魅力づけをすることが大切になります。
なんとなく応募をした募集要項の情報だけで終わってしまうから、「この企業はやっぱいいや」となってしまいます。
書類選考通過者に対して、「うちの会社はこんないいところがあるよ!」とわかりやすく伝えることによって、選考に進む意欲が醸成されます。
もちろん、このタイミングで抽象的な誇大広告を行ってしまっては、面接設定後〜実施までの間で応募者が準備をする中で、「あれ?やりたいことと違う?」となってしまうので、情報の精査は必要ですが、魅力づけを行えば応募者の印象に残ると思いました。
◎応募者に配慮した対応をする
最後に、一番取り組みやすく一番大切なこととして、応募者に対して配慮した対応をすることです。
早いレスポンス。丁寧な文面。リマインド対応。
ひとつひとつの対応を求職者は見ています。
配慮した対応をしてください。