世界は法律で覆われているか?
第二次世界大戦前後に活躍したドイツの法哲学者グスタフ・ラートブルフ(Gustav Radbruch)は,無人島に着いたロビンソン・クルーソーを例に挙げ,一人ぼっちの時には「法」は無かったが忠僕フライデーにめぐり合ってから「法」が生まれたと説明しました。出典は不明なのですが,法律家の間では有名なローマの諺に「社会あるところ法あり(Ubi societās, ibi jūs.)」というものもあります。法をどのように定義するかによりますが,ルールといった意味で広くとらえるならば,