集客しない飲食店
飲食店の売上構造はシンプルで「客数×客単価」
つまり売上を上げるには客数を増やすか客単価を増やす、あるいは両方増やすと昔から言われてきた。
コロナ以前の状況では客単価を下げることで圧倒的に客数を伸ばすビジネスモデルが主流になりつつあった。代表例としてはサイゼリヤ、串カツ田中、回転すし各社、いきなりステーキ、俺の○○系列など。
ただそのビジネスモデルもレッドオーシャンであった。新規参入が激化し競争を勝ち抜いたトップしか生き残れないサバイバルであった。そこに今回のコロナ禍である。
もう客数を増やすのは絶望的であり、客単価を上げる勇気もなく多くの飲食店は苦しんでいる。
テイクアウトやデリバリーに活路を見出し健闘されている飲食店もあるし元々の常連さんの応援やその店の信頼で回復している飲食店もある。
クラウドファンディングで前売りチケットを販売したり応援消費で再建を目指している店もあるが、長い目でみると望ましくない。応援していただける顧客も店も体力が消耗してしまうからだ。
これからの飲食店を考えると「客数×客単価」に変わる新しい方程式を見つけなければならない。
今後は「基本給+歩合給」で考える必要がある。
私の実例で恐縮だが少し紹介させていただく。
私は今回のコロナ禍で10年経営していた居酒屋を閉店した。色々な思いはあったが、時代が変革してしまい元には戻らないと感じたことが理由の一つだった。そして今は住宅街の中にひっそりと小さな店を一人で経営している。
6月半ばに開業して今までビックリするくらいお客様は来ない。デリバリーの会社にも登録はしたが申込みが殺到しているらしくサービス開始はいつになるやらという状況だ。現在は細々とテイクアウト販売、元常連さんのご来店でなんとかしのいでいる。
この店では広告はあえて一切うたなかった。グルメサイトにも載せずチラシも配らない。さすがにホームページは作ったが宣伝しないから客が来ないのは当たり前だ。
狙いとしては固定費を下げる。家賃の安い物件で人は雇わないから人件費なし(実質は自分の分)、グルメサイトは固定費がかかるわりにはコスパが悪い。(詳しくは過去記事を参照。https://note.com/shuuzo/n/n0c33e2779001)
そしてお店にお客様が来て売上があがるという仕組みに頼らない。お店はあくまでベース基地であって、その設備やコンテンツで売上を出す。
私の場合はアイドルタイムにメニュー開発の仕事を承っている。地元の食材を活かしたメニューを開発して道の駅などでコラボ商品にする。また時間貸しのシェアキッチンでの収益、撮影会の主催もやる。
そして定期的なイベント開催。うちでは日本酒講座をやっている。料理教室も今後やる予定。
まとめるとテイクアウト、デリバリー、店内飲食などの売上が「基本給」
イベントや副業的なのが「歩合給」
いままでの飲食店は集客に力を入れすぎていた。限りある時間や経営資源をどう配分するかが問われている。
新規客→再来店→リピーター→信者 というサイクルを作ることは並大抵のことではなくほとんどの店が多くの時間や努力やアイデア、お金をつぎ込んできた。
そのエネルギーを一旦、集客から別のものに向けてはどうか?
もちろんお店の運営を疎かにしては本末転倒だが、集客を諦めてみると様々なアイデアが浮かんでくる。
私の場合は今のところイベントとメニュー開発だ。
イベントではターゲットを絞って企画する。幅広く多数を意識するのではなく本当に価値感の合う10人だけを集める。
集客はライン公式アカウントを使う。無料で使えるうえにプッシュ通知でお知らせができ、トークで会話ができる。
テイクアウトや店内飲食のお客様にも公式アカウントへの登録をすすめる。ここから予約につながることもあり相乗効果も期待できる。
商品開発ではTwitterで毎日料理写真をあげ、料理コンテストにもかたっぱしから応募しココナラにも掲載した。まだ仕事になったのは2件だけだが地道にやっていくつもりだ。
まだまだ現在進行形で目に見える成果は出ていないが閉塞感は不思議とない。むしろ楽しく仕事させてもらっている。
歩合給を伸ばすのは自分からどんどん発信しなければならない。うまくいくかは未知数だが試行錯誤やっていくつもりだ。
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