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ロマンポルノ無能助監督日記

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#長谷川和彦

ロマンポルノ無能助監督日記・第18回[映画って“持つ”もの?加藤彰監督・荒井晴彦脚本『宇能鴻一郎のあつく湿って』でキスシーンやっちゃった]

ロマンポルノ無能助監督日記・第18回[映画って“持つ”もの?加藤彰監督・荒井晴彦脚本『宇能鴻一郎のあつく湿って』でキスシーンやっちゃった]

助監督1年半仕事して、改めて思う。助監督は監督修行への学びの道なのか?
仕事しながら「映画を勉強している」、ということか。
そもそも「映画を学ぶ」とは、どういうことなのか?
先輩助監督のなかで、「学校で映画を勉強した」という人は稀だった。
『炎の舞』のチーフ中川好久さんが、唯一、日大芸術学部出身だったと思う。

実は僕も、日大芸術学部映画学科・監督コースを受験し、合格していた。
筆記は良くて、面接

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ロマンポルノ無能助監督日記・第6回[『情事の方程式』撮影中・助監督の殺意とは?]

42年前のことを、これだけ詳細に書けるのだから、女優さんの美しき御姿も微細に覚えてるだろう、とか言われるかも知れないが、正直、ハダカを見てエッチなことを考える余裕なんて、無かったデス。

女優さんは、写真が残っているので、それと照らし合わせて映像的に記憶している。

ナマの記憶で覚えているのは、山口美也子さんのシャワーシーンで、テスト(リハーサル)が終わっても、ボーッと突っ立ってたらしいので、

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ロマンポルノ無能助監督日記・第3回[新人監督・根岸吉太郎組で那須博之さんと出会う]

1978年4月1日から1週間、撮影所の中にある「日活芸術学院」の黒板のある教室で、「新入社員研修」が行なわれた。

僕ら助監督2名プラス10名ほどの営業新入社員に向かって、社長をはじめ、制作部長、営業部長、興行部長、ビデオ部長、ダビング課長・・・計30人くらいの〇〇長たちから、それぞれ1時間づつ、訓示を頂いた。当然、面白くは無い。
いちおう、ノートとるフリしました。

〇〇長の皆さんが言っていたの

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ロマンポルノ無能助監督日記・第2回[助監督試験に合格して自慢しまくった]

調布の日活撮影所。

広い、明るい、助監督試験面接会場。

片手には大きな映写機を持ち、もう一方の手には、直径7.5cmの8ミリフィルムを持って、面接官の前に突っ立っている・・・

3分間の『変身』はもちろん、カフカの「ある朝目が覚めたら毒虫になっていた」のパロディーだ。

出演者は二人。

一人は高橋朋子・・・三鷹高校3年の時、受験勉強しながら作った30分の失恋映画『水色の日射し』のヒロインで、

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ロマンポルノ無能助監督日記/第1回・[8ミリ映写機を自転車に積んで助監督面接試験に行く]

今から42年前・・・

1978年2月21日、22歳の僕は、三鷹の上連雀から調布の日活撮影所に向かって自転車をかっとばしている。
ハラハラしてる。
ドキドキしてる。

日活助監督試験の2次試験、面接だ。

「三鷹通り」ほぼ一本道で、自宅から30分で行ける。
一次の筆記試験も自転車で行ったが、ちょっと道に迷って焦った。
(前の日も自転車使って、場所を確認したのに)
深大寺の坂は“下り”だから、スピー

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