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チャーハンの作り方を研究してみた。どの作り方が一番うまい?

一日中チャーハンを作り続けた「チャーハン研究会」

おうち時間が増えて、
料理をする人が増えていますが、
チャーハンを作った人も多いのでは?

簡単に見えて、奥深い料理ですよね。

僕は今、チャーハンのレシピ本を作っています。
その中でチャレンジしたのが、「チャーハン研究会」。

チャーハン研究会とは、様々なチャーハンの作り方を実際に試して、どの作り方(どの組み合わせ)が一番うまいのか!?を実験する場です。

たとえば「ごはんの硬さ」や、「ネギの切り方」など、
実際にやってみると「え!?こんなに違うの!?」という発見が多くて、
とにかく面白かった!ので、今日はこの研究会の様子を紹介します。
(見出し写真 加瀬健太郎)

5キロのお米を用意して、一日中チャーハンを作り続けました。
そして、食べまくりました。

試してみた作り方は、こんな感じ。

◆ごはんの硬さ/種類
かため/ふつう/やわらかめ/ジャスミン
発芽玄米30%/佐藤のごはん/玄米100/冷凍ごはん

◆油の種類
サラダ/ごま油/オリーブ/ラード

◆ネギの切り方
輪切り/みじん切り/あらみじん/青ネギ

◆タマゴの入れ方
溶いて先入れ/溶いて後入れ/溶かずにフライパンに直接/TKG(先にご飯に混ぜる)

◆火(熱)の強さ
弱火(2分)/強火(1分)/IH

◆チャーシュー
小さく切って弱火チャーシュー/大きく切って強火チャーシュー

◆調理器具道具
へらで/おたまで/ホイッパーで/菜箸で

こんなに!?と思うでしょう。
いや、でも妥協はできません。
これらすべての作り方において、
チャーハンを1人前ずつ作りました。

たとえば、油ならばこんなふうに。
(以下、写真は編集部)

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そして、著者+編集者3人で実食して、
どれが一番うまいのか決めちゃおう!というのがチャーハン研究会です。

研究会の発案者は、マニアな炒飯栄養士!?

研究会の発案者は、炒飯栄養士の佐藤樹里さん。

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この夏に出版予定の「ウチで作るチャーハンがウマい!」(池田書店)の著者です。佐藤さんはどんな方かというと…

・日本一炒飯を愛する管理栄養士。
・本格中華料理店の店主に弟子入りして、日々おいしいチャーハンを研究中
・テレビ朝日 マツコ&有吉 かりそめ天国の「ガチガチランキング王道チャーハン」にてチャーハン有識者の一人として出演するほどのチャーハンマニア。
・小学3年の初恋相手が中華屋さんだったことをきっかけに、
現在まで5000食以上の炒飯を食べてきた
・大学ではついに炒飯巡りをして炒飯ブログも。就活も「趣味は炒飯巡り」
・社会人になり「どうしてラーメンフェスはあって、チャーハンフェスはないのか?」と2017年8月8日のパラパラの日に独自のチャーハンフェスを開催。100人以上の人を集めてしまう。

今回の研究会は、佐藤さんの「どの作り方が一番うまいのかを実験したい!」というピュアな願いから生まれました。 

「硬め」はパラパラチャーハン。「柔らかめ」は母のチャーハン

明らかに違いがあったのは、「硬めに炊いたご飯」で作ったチャーハンです。

チャーハン01

左「水の量を20%減」右「水の量を20%増」。ちなみに、この日に作ったチャーハンは、ネギとタマゴだけの極めてシンプルなものです=これ、絶品です。レシピ本にも、もちろん掲載します。

見た目ではわからないと思いますが、炊飯の際、水の量を20%減らして炊いたのが左の写真のチャーハン
ちなみに、その日の感想メモを見返すと…

佐藤さん「パラパラになって、お店の感じが出る。調理していてもすぐにほぐれてタマゴがコーティングされていく感じ」
編集者A「パラパラチャーハン、黄金に輝く。硬いほうが油でコーティングされた感じがあった」
本当にお店の味なんです。ぜひ、お試しください。

また、右の写真は水の量を20%増やして炊いたやわらかめのご飯で、もっちりとした食感となりました。ただ、これも悪いわけではなく、

佐藤さん「お母さんのチャーハンを思い出す」
編集者A「うちで作るチャーハンの感じ。普通の炊き加減でも、野菜などの水分でこのやわらかさになっているのだろう」
編集者B「もっちりしている。やわらかくておいしい」

と、それぞれが懐かしいおうちのチャーハンを思い出す結果に。

感動するほどの違いがあった「ネギの切り方」

私が一番の感動したのは、「ネギの切り方」です。
「輪切り/みじん切り/粗みじん/青ネギ」で試してみたのですが、明確に差がありました。

まず下の写真が「粗みじん」に切られたネギ(白い部分だけ)のチャーハン。ネギの風味、食感が絶妙なチャーハンです。ただ、そのネギの切り方を変えてみると…

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「輪切り」…ネギの存在感が唐突で、確かにネギの味はするけど一体感はなく、ネギの風味は激減。

「みじん切り」…ネギの味が全体に回っているけど、ちょっとネギ感が強すぎる。食感はしんなりして物足りない。

「ネギの青い部分」…白い部分とくらべると味の一体感がなく、別の食べ物のよう。

チャーハン00

この日に作っていたチャーハンが、タマゴとネギ、味付けは鶏ガラスープの素と塩コショウということもあり、ネギの切り方や部位だけでもこんなにも味の違いが表れることに驚きました。

これが一番うまい組み合わせだ!

最終的に「一番うまい組み合わせはこれだ!」と結論が出たのが、このチャーハンでした。

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お米は「硬め」、ネギは「粗みじん」、タマゴは「溶いて先入れ」。
そのほかにもこだわりがつまっているのですが、確実に長くなるのでこの辺で。

この夏に、チャーハン本を出版予定!こうご期待!

現在制作中のチャーハンレシピ本ですが、
筆者の高橋が10年以上あたため続けた企画でして、“気合い、入ってます”。実は、この研究会は僕にとっても夢だったのです。

私自身もチャーハンが大好きで、たくさんのレシピをみながら、作り続けてきました。生意気ながら、自分好みの味に作れるようになったのは、本当につい最近のことです。

チャーハンは作る人や、調理環境で、素材も作り方も、全く異なる料理。
レシピ通りにやっても、なかなか正解にたどり着くのが難しい料理です。
そんな中で誰もが、自宅でおいしいチャーハンをつくることができる方法を紹介したい。これが、この企画のコンセプトです。

なかなか実現しませんでしたが、
ついに佐藤樹里さんという最高のチャーハン研究家と巡り合うことで実現しました。佐藤さんは、チャーハンを作ることにおいても、食べることにおいても、プロです。作るプロ、食べるプロ、それぞれはいますが、それを両立している方はなかなかいません。

「自宅でお店の味」
この企画は、佐藤さんだからこそ実現することができるのです。

本の内容は、
「基本的なチャーハンの作り方」はもちろんのこと、今日紹介した
「チャーハン研究会の様子」。そして、
「88品におよぶチャーハンレシピ」。さらには
「町中華の名店レポート」や、佐藤さんの人徳のおかげで実現した
「名店の再現レシピ」。盛りだくさんの内容です。

ちなみに、レシピ数が88なのは、パラパラ(88)にしたいという佐藤さんのこだわりです。細部にもこだわりがある、熱々のチャーハンレシピ本、お楽しみに!


文 高橋ピクト
生活実用書の編集者。『新しい腸の教科書』『コリと痛みの地図帳』などの健康書を中心に担当。『マンガでわかる東大式麻雀入門』『はじめての囲碁入門』『競馬の教科書』『豪快バーベキューレシピ』『新しいキャンプの教科書』など、趣味の入門書を編集することに喜びを感じる。立ち上げから携わる『マンガでわかるシリーズ』(池田書店)はスタートから10年、計30点、累計70万部となった。「生活は冒険」がモットーで、楽しく生活することが趣味。ペンネームは街中のピクトグラムが好きなことに由来する。

Twitter @rytk84
シュッパン前夜 Twitter @Shuppan_Zenya

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