おおばしゅうの「言葉のおすそわけ」第1回
2022年春に過疎発祥の地である島根県益田市から、地元静岡県にUターンし、家業の会社に入社し、営業・広報として働きながら、生き方に関するトークイベントを開いたり、農業を展開したり、静岡での暮らしや跡継ぎ、地域についてのあれこれを発信している おおばしゅうが、心の中で思っていたことや小さな気づき、残しておきたいことを自由に綴ります。
(ヘッダー画像:川田まいこさん [https://note.com/kawatamaico/])
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ぼくにとっての「言葉」
日曜の夕方、ラジオドラマの主人公の「人生はトーナメント方式ではなく、全チームと対戦する総当たり方式だ。」というセリフが流れる。その瞬間、この言葉を深く考えたいという思考になった。
野球をしていたこともあり、負けたら終わり、失敗したら負けにつながるという考え方が自分の中にあって、何事にも挑戦するというより、失敗するリスクが少ないものを選んで生きてきたと思う。社会人になるまでは。
最初に入社したメーカーで営業として働き始めると、これまで失敗することの少なかったのにいろんな失敗をしたことで、自分が自分に何やってるんだと思うこともあったし、悔しいと感じることが多々あった。今思うと、働き始めたときは、出来ないことが多くて当然のはずなのに、出来たことよりも出来なかったことに目を向けていたと感じるし、以前した失敗を今回はしなかったとポジティブな思考を持てたらよかったのにと思ってしまう。
そんな自分が、
いろんなことに挑戦し始めたのは、益田(島根)での生活だ。
「やってみんちゃい」
広島弁で「やってみなさい」という意味を示すこの言葉は、自分や若い世代にとっての魔法の言葉で、何かやってみたいことがあれば、いろんな人が応援してくれる。ここでならいろんなことに挑戦でき、等身大の自分でいられる。そう思わせてくれた。
だから、地域の中でカレー屋さんを開くことができたり、地域の人とソフトボールがしたいという小さな夢を叶えることができたりした。
言葉って、一言で誰かの背中を押すことができたり、寄り添えたりするパワーを持っている。勇気づけたり、悩んでいる人に寄り添ったり、自分を頼りにしてくれる人のために、自分の言葉で力になれれば嬉しいし、適切な言葉を導けるように言語化の精度を磨きたい。そんな思いで、おおばしゅうの「言葉のおすそわけ」を週に1本で連載しようと決めた。
その時の感情は、その瞬間に保存しないと腐ってしまうように、
その瞬間に思ったことや感じたことは、後になって(そのまま)思い出すことはできない。
言葉が詰まったタンスから、自分の思いに合った言葉を取り出し、文章にしていく。そのためには、タンスに言葉を詰め込まないといけないし、言葉を取り出して文章にする練習も必要。つまり、まずやるべきことは、自分の言葉を増やすために、いろんな人の言葉や表現に触れる機会を増やすということ。静的な言葉だけでなく、街を歩いてみたり、人と話したりと、動的なアクションも大事だな。
この連載をきっかけに、自分サイズの言葉にどれだけ出会えるんだろう。どうか温かい目で見守ってもらえたら。
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