フードエッセイ『アイスクリームが溶けぬ前に』 #10 うずまきソフト(明治)
思い出とリンクしている食べ物がひとそれぞれにあって、その話を聞いた瞬間から、それまで身近ではなかった食べ物と、勝手に距離が縮まったように感じることがある。
コンビニや売店で売っているソフトクリームの半分以下の大きさながら、ソフトクリームを食べたくなったときに冷凍庫にあるとガッツポーズしたくなる、うずまきソフト。このパッケージを見ただけで、なぜこんなにも安心感と安定感を与えてくれるのだろうか。
バニラだけでなく、チョコ、バニラアンドチョコの3種が詰まった6個入りの箱入りアイスは、自分を甘やかしたいときの最高のギフトだ。
うずまきソフト、実は知人の涌井 陽くん(ハルくん)が薦めてくれた。
うずまきソフトの話をハルくんから聞いたとき、子どもの頃におばあちゃんと縁側で食べていたスイカバーを頭の中で連想させていた。ハルくんとうずまきソフトをつないだのは、ハルくんのおじいちゃん。毎週日曜は家族みんなで、ちびまる子ちゃんからのサザエさんを観る的なルーティンのように、毎週末おじいちゃんの家にいくと、冷蔵庫にうずまきソフトがハルくんの帰りを待ち構えている。
そんな話を聞くと、ハルくんと週末のひと時を味わうのが、わたしの喜びですみたいな。一緒にこの週末を楽しもうぜと、うずまきソフトから声が聞こえてきそうだ。
小さい頃から、ぼくたちの身近にあったアイスクリーム。
時間が経っても、形を変えながらアイスクリームとの思い出が積み重なったいく。まるで、食べ終えたアイスクリームのカップのように。
ハルくんを通じて、うずまきソフトに出会えたことに、感謝の気持ちを溶けぬ前に。ごちそうさまでした。
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