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卑弥呼伝 by Dr.Shu

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#鬼道

卑弥呼伝 第六章

卑弥呼伝 第六章

【迫りくる火】*1983 文字

さて、豪族を束ね、女官たちを束ね、人の上に立ちて七年。

やっと人心の安定を見た卑弥呼でありました。

さてもさても、その年は、大変な不作の年でございました。

幸い卑弥呼は、備蓄というものを奨励しておりましたので、邪馬台国の中では、比較的食べるものには困らぬ様子でございました。

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卑弥呼伝 第五章

卑弥呼伝 第五章

【鬼道ー祈りびとの思い】*1358 文字

「タケミコ、鬼道をはじめる。私の道具をここへ」

「ははあ」

「きょうは、どのような卦が出まするか」

「そうだな、では参るぞ」

卑弥呼は、やおら鹿の肩甲骨を取り出し、それを小さな斧で五角形に型取りました。

「ところで卑弥呼様、何ゆえに鹿の肩甲骨を用いるのでございましょう」

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