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明日を孕め

旅の途中

思い出しました。私はまだ、
旅の途中だったのです。

誰にも気付かれないように
小さな声で、

そして、
嫌いになってしまう前に。

  「お腹がすいていたのに」

そんなふうにつぶやいてしまう自分を。

自分で捕獲するのだ
自分の食べ物は。

孤立無援の海原へ
違う明日を探しに行こう。

心だけで生きている存在もいる。

そして背中や肩や頭が
妙に重苦しい時もある。

その解りやすい心の美しさが、

その解りやすい心の寂しさが、

その心に対しての純粋さが故に伝わる。


男は男でなくなるのかも知れない。

ほんの少しだけでも優位でありたい男心を

突然なくしてしまう、とある朝に、


太陽に焼かれた大地が
スコールを待ちこがれ


心の砂が両手の指をさらさらとすりぬける。

そして空気のしめりけは、
昼と夜の狭間に啜り泣き、


一方砂漠の植物達は
歓喜の香りで
夜の虫達の排泄をさそうものだ。


た べ あ い
食物連鎖の愛
巡り逢いの愛
騙しあいの愛


ゆっくりと錆てゆくのは
食べかけのりんごのよう。

始まりの終わりが終わりを告げ、
終わりの始まりが始まろうとしている。

             
そこにだけ満たされゆく物の正体が見えるのかい?


ただ、甘んじて餌食となり
けっして、滅びの為の出会いではなかったはずの愛を。


防腐剤焼けした胃袋は
正しい食物を思い出せない。

そして

暴走しはじめた列車は

遠くの景色を見ようとはしない。

うつろに眺めて過ごしては、
ため息をつくことすらも忘れて
ただ、あぜんとするばかり。

じっと見つめることすらできないその足元を

ただただ、留まることを許されない
刹那の大地に

せめて砂よ

こぼれ落ちる心の砂よ

ようやく受粉した種子達の
根を守るささやかな闇となれ。

そして風となり、解けた体が
たゆたう芳醇の雲を

その約束の場所へ続く道すがらに
運んでゆけるその日まで

生きるのだ。

命よ

命を永遠へと結ぶ愛よ

始まりの始まりを孕む終わりの始まりを
終わりまで見届けながら
はやる心で始まりの世界の妊婦に差し入れを。

ごったがえそう。

そして今日も黄昏時の交差点は
信号の合図でしか
リズムを測れない

集団という巨大生物の
3色の子守唄を静かに歌い続けるのは
もうどのくらいつけっぱなしか
電気仕掛けの色電球達。

何のことはない。

祭りが終わるその日まで、
今はただ見つめていたいだけなのだ。

混線するつぶやきなどに目もくれず。

明日を孕め。


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生きることは、驚きと気付きの連続です。こうした出逢いもまたキセキです。地球の状態や宇宙の状態もとても気になりますが、まずは我々の良い状態を作り上げ、維持してゆくためのクリエイティブ活動をたくさんの視点から様々な表現手法で誰かの心にのこせる人間になりたいです。日々精進です。