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女子大がInstagramをやるべき理由は、男性との考え方の違いにあった

大学の学生を集めたいという想いは同じでも、マーケティング戦略はそれぞれ違ってきます。立地、学部、獲得したい学生像など大学によって個性・特色があるから当たり前の話です。

今回は女子大学にフォーカスして考えていきたいと思います。女子大学という名の通り、ターゲットは女性に限られてきます。

大学を目指す女性に興味をもってもらい、大学の個性にあった学生に集ってもらうことが名目命題になります。

では、他大学が実施していることと同じマーケティング戦略で良いのでしょうか。男子学生と女子学生とでは戦略に違いが必要なのでしょうか。


ライバルは他の女子大学だけではない

こちらは、AERAムック「大学ランキング」2021(朝日新聞社刊)からのデータを元に開成教育グループが編集したものです。 一般大学における女子学生の在籍数ランキングになります。

女子学生比率

出典:AERAムック「大学ランキング」2021(朝日新聞社刊)

大学を目指す女性がどこへ進学するのか選択するときには女子大だけでなく共学の大学もその比較検討対象になります。

だからこそ、一般大学と同じ運用方法ではなく、女子大学ならではのターゲット設定と運用での差別化が必要なのです。

共学と大きく違う点はターゲットが女性のみであること。では、女性をターゲットにする際にポイントとすべきところはどんな点でしょうか。

だからこそ、共学の大学と同じ運用方法ではなく、女子大学ならではのターゲット設定と運用での差別化が必要なのです。


男性向けと女性向けではマーケティングプロセスに違いがある


男性向けと女性向けのマーケティングプロセスには大きな違いが存在します。しかし、考えや行動に違いがあることに気づいていながらも、この点はビジネスの現場ではいつの間にか忘れられがちなポイントです。

SHIBUYA109labの調査結果でも、around20の男女が情報収集の際に参考にするものとして、男性の1位は「Twitter(62.3%)」、次いで「検索エンジン(57.7%)」「YouTube(57.3%)」という結果です。

一方、同じ質問に対して女性は「Instagram(65.7%)」となり、その数値が高くなります。また「同性の友人や家族からの口コミ」も男性より重視する傾向にあります。

男女の違い

これらのデータからも、マーケティング戦略にかけるときに見えてくるペルソナ像は変わってくるのが分かるかと思います。

ペルソナが男性か女性か違っているだけで、SNSの運用、広報の手段、それらの役割は大きく違ってきます

現代は大学の情報が溢れている時代です。さらに、それぞれの大学全体の多様性が生まれ、質が向上し、昔とは違い選択の自由があります。

では、約800もある大学の中で、どうすれば女性に興味を持ってもらえるでしょうか。

男性も女性的な要素を持っていることもありますし。反対に女性が男性的な要素を持っていることもありますので全ての女性に当てはまるとは言いきれません。

ただし、実際のペルソナ像を深く理解し、戦略を建てることでお役に立てるのではないかと考えております。


女性と男性の意思決定の違い

具体的に男性と女性の買い物における行動の違いを分解できればと思います。

男女が一緒にショッピングモールに買い物に行くと、目的の物を購入するまでに大きな差があると言われています。実際にそういった経験をしたことのあるかたもいらっしゃるでしょう。

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                  出典:NeatoCMS by Rommel Santor

上の図からも分かるように、男性は「目的の売り場」に直行して会計をすぐに済ませて帰ろうとします。

一方で、女性は「ついでに」と寄り道を繰り返し、買い物をするまでの課程を楽しむということがわかっています。

実際にこちらの実験では時間と使った金額に大きな差が出る結果となりました。このことから男性と女性に大きな意思決定の差があるのではないかと考えられます。

実は、この意思決定の違いには求めているものが異なることに起因します。

女性にとっては何らかの行動を起こすときに偶然に出会う「運命」がその醍醐味であり、男性は吟味したものを手に入れることが何より優先されるのです。

女性の決定のプロセスを詳しく考えていきましょう。特性を知ることで、どんな情報をどのように伝えるのが効果的なのか理解していれば、ターゲットを絞って効果を出せるようになると思います。


わかりやすいことが信頼につながる

女性にアプローチしたい場合は文字を読むのではなく、写真やイラストを多めに使い、行間も広くすることが基本です。

自分にとってわかりやすい構成になっていることが信頼につながる要素なのです。

スズキの車を例にとってみましょう。ジムニーとラパンという二種類の車があります。どちらも同じメーカーから出されているものです。

しかしその商品サイトを見てみると、ラパンは女性向けに構成されており、買ってから真似したくなるような体験が綴られています。

直感的に分かるようになっていることで、単に理解しやすいだけでなく、実は自分のことを”わかっていてくれている”という安心感や信頼に繋がるのです。

ラパン

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ジムニー

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雰囲気が良さそうだから安心できると考える女性たちが求める主観的な証明がそこにあります。

詳細を比較検討してから決める男性が必要としている客観的な証明とでは、発信する内容が大きく変わってくるのです。


早い段階から学生と接点を持つ

アカウントを運用していない場合は運用しましょう。最初に接点をもつことが何より大切です。

実際に女子大学や女性を集めたい大学のInstagram運用は、伸び代のあるアカウントばかりでしたので今回このnoteを書くことにしました。

情報が溢れている現代では早い段階から学生と接点を持つことができると、段階的にその大学への志望意欲を育てることもできます。

わざわざ大学のサイトを検索して全ての大学の雰囲気をそこから汲み取る学生は多くはありません。

ですからInstagramを通して視覚優先の女性と早期に接点を持つことで、大学自体のサイトへの訪問、オープンキャンパスへの参加促進、説明会への参加など、学生の行動率を上げる効果もあります。

また、発信したコンテンツをSNSの拡散機能を利用して共有してもらえれば、SNS上でコンテンツの拡散も狙えるでしょう。

実際に大学に出向くことが難しい今だからこそ、そこにチャンスがあるのかもしれません。

Instagramの活用が次に繋がるかもしれない、何かのヒントになれば幸いです。

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