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日々の雑感 day27【 話を聴く4つのレベル①】

前回、どうしても話をしてしまう方への処方箋に触れました。
今日は話を聴く、聞いているという状況をどのように判断したらいいのかという事をやっていきましょう。

今回お伝えする4つの段階を自分自身で、あるいは自分の親しい誰かからフィードバックを受けながら、自分の状況をまず判断出来るようにする。

これだけで、人生そのものが変わってしまうこともあると思いますよ!

☆聞き方の4つのレベル

ここからはマーク・ゴールストン(難事件の解決にあたるFBI交渉人に
講師として交渉術を教えている精神科医としても著名)の語る4つのレベルを要約していこうと思います。まずは、

「注意欠如リスニング」(removed listening)
実はこの最初のレベルにとどまっている人は多いかと思います。
俗にいう、上の空。聞いているふりをしているが心はそこにないという状態です。

クリスティーン・M・リアダンは「多くのリーダーが人と話をする時、主導権を握ろうとしたり、話を都合よく導こうとしたりする」と指摘していますが、メールやスマホを見たり、操作しながら対応したり、強いエゴの為に自説を守るための反論や強調を考えるばかりで相手の話に耳を傾けていなかったりします。

こうした態度や思考、行動をゴールストンは、話し手をあしらうことに満足し、住み慣れた世界から外に出ない聞き方だと指摘。話を片道通行にしてしまう、相手を侮辱するものだとバッサリ切り捨てています。

☆部下、生徒の対応策「共感」

こうした教師や上司に苦しむ部下や生徒は「正論」や「エビデンス」で相手を打ち破ることは出来ないことが多いでしょう。

「上司が黒と言ったら白でも黒」という半沢直樹の大和田専務に見られるような権力行使が相手にあるからです。そして、大なり小なりこうした誤った権力の行使を実行する人は少なくないことは実感できるところでしょう。そんなわけで、正しさは感情的反発を生みますので取扱いも要注意です。

そこで「共感」というキーワードが出てきます。
「そんなブラック上司に共感できないよ」とか「向こうがこっちに共感すべきだろ」とか思うかもしれませんが、まず一回でいいので試みてみましょう。

コミュニケーションは常に相互に影響しあっています。
自らの変化によって、現状よりよい結果を得ることも多いでしょう。

☆状況と背景への共感

1つ目は相手の状況にフォーカスしてみるというアクションです。

昔、あるお母さんがネイチャーゲームに参加していて、子供が何かをやろうとするとすぐに手を出したり、正解を教えようと構ってしまっていました。
なので、子供が見守ってくれる人として安全認定をした僕(ゲームリーダー)の側にぴったりとくっついて離れなくなってしまったのです。

そこでサブリーダーに進行を委ね、僕はお母さんと対話をしながらその子が本当に表現をしたかった作品を最後まで一緒に見守っていきました。
そして、その完成した作品を見ながら子供と対話をして、どうしてその葉っぱを選んだのか、どうしてその木の実を使ったのか、どんな世界を描きたかった、作りたかったを一つ一つ聴いて、教えてもらったのです。

完成した子供の作品はとても独創的で、とても鮮やかで。

お母さん自身も、自分が手を出してきたことで子供が子供としての表現を阻まれていた。子供がそのストレスに苦しんでいた事がすぐに理解できたのでした(ここで責めたりしてはいけませんよ!)。

お母さんに感想を聴いてゆっくりと対話をしたところ、良き母親であろうとする自分自身へのプレッシャーが重たかったと話してくれました。
「学校での点数、周囲からの評価を気にしすぎてしまい、自分の子どもをちゃんと見れていなかった」と涙ぐみながら伝えてくれたのです。

というわけで、こんな状況は日常にも潜んでいると思います。無茶ぶりしてくる上司や先生、親が本当に悪意(自分に対する不利益)やエゴ(彼らの利益)にのまれて自分と相対しているかを確認してみましょう。

その為には実はオープンな場所であることがのぞましいと言われています。つまり、会社外、教室外でこうした機会は得られやすい。
出張や飲み会、カフェでの打ち合わせ。ここでの自然の中で在ったり、あるいは文化祭、体育祭といった普段とは異なる状況で関係性が変わりやすいといえます。みなさんにもそんな体験や目撃した記憶があったりしないでしょうか?

そんな状況変化をつかまえて、ここぞと聞いてみたらいかがでしょう。

「僕らからは見えないくらいタスクを抱えているんですか?」
「休日はどんな過ごし方をされているんですか?」
「お子さんは、おいくつくらいなんですか?」

といったことや環境が変わったことで自分が伝えられる「強み」や相手の知らない「個性」。それは、コーヒーやお茶、ランチでのこだわりや趣味、知識でもOKです。

相手が知った自分の新しい情報は、必ず相手のあなたに対する認識を変えさせます。その中で、上司や親、教師といった上位者が自分の状況や背景、願い、悩みといった部分を聴いてくれた、聴こうとしてくれたという感触は、心の返報となってあなたへの反応を変えていく事でしょう。




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