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【人を知り、世界を知るという体験を通す重要性。かわいい子には旅をさせろのリアル②】日々の雑感 day73

5月前半は長野→沖縄→東京→長野という経路で戻ってきました。そして明後日からは長野→島根→鳥取→岡山→長野を予定しています。
 
さて、その沖縄行きですが、飛行機、新幹線共にしっかりと移動が回復してきているように感じました。本当はもう少し滞在出来れば、行きたいところ、会いたい方々もいた・というところですが、今回のご縁から沖縄にはまたお伺いする機会が出来てきそうです。

というわけで本題。観光の本質とは何だろう?ということにも触っていきましょう。

☆「旅」と「旅行」の違いとは?

みなさんは「旅」と「旅行」という言葉の違いをどのように説明されるでしょうか? もちろんこの問い自体の正解という正解はありません。

例えば僕が親と海外に行ったときに、僕は歴史ある小さな寺院で受け継がれてきたストーリーに耳を傾けていました。しかし、僕の母にとっては「ローマの教会に比べるとしょぼくて」ということでガイドに行程の切り上げを要求し、その短縮時間をつけかえて向かった先がショッピングモールで僕が激怒したということがありました。

これは「旅」を価値観にする僕と「旅行」大好きな親の価値観の違いから生じたものと言えるでしょう。そう、大事なことは、その言葉の向こうにあるそれぞれの「目的」なのです。

例えば、一人旅とは言いますが、一人旅行とはいいません。
新婚旅行と言う一方で、新婚旅というケースはないかと思います。

ですので、私たちは観光にも「旅」する人と「旅行」をする人がそれぞれいるということを認識する必要があります。そして、そのニーズが異なることはもちろん、どちらかに全振りする必要がないこともまた、既知の事実として知っておく必要があるのです。

そのうえで、今回の沖縄行きで感じた「旅行」という視点からの課題をまず考えてみたいなと思います。

☆2020年代の「旅行」アップデート

悪い意味での昭和のままスタイル。これは沖縄に限らず、むしろ国内の本州にこそ、そこかしこではびこる難題です。

旅行は基本的に「誰と」行くか。
そこが重要な視点になります。そしてその目的はリフレッシュ(気分一新)やワクワクといった高揚感、非日常であってもライトな体験!ということが多いと思います。

先にあげたように、うちの親とその世代においては「みんな」で「お買い物」とか「みんな」で「スタンプラリー(観光地巡り)」とかが旅行のスタイルとして染みついていています。そして、そのスタイルが「正しい」と思い込んでいますので、人を寄せるにはスタンプラリーの場所となる「箱」や「ステータス」を増やすことが大事だと考えます。

そして「みんな」が来るのが常識なので「安く」「大量に」という数で成果を判断しようとします。加えて自分たちがそうであったように「リピート」を重視しません。それは新しい「スタンプラリー(観光地巡り)」を数多くこなすことが、目的化してしまったからです。

そのせいか、那覇空港のショップも同じお土産を陳列している同じようなお店ばかりになっています(この点ではロイズや六花亭といった専門店が並ぶ千歳空港の方が周りがいがあります)。なので、空港で沖縄らしい、これというオリジナリティのあるお土産を買えないというのは、個人的に残念な状況だなぁ・といつも思います。

というわけで、これからの旅行。その「スタイル提案」をしていくことが極めて重要なポイントになることはいうまでもないでしょう。

なぜなら、集客数こそハワイに近づいてきた沖縄ですが、一人当たりの消費額は1/3程度ですし、滞在日数も3日以下がほとんどで、とても国際リゾートと呼べる水準にはありません。

つまり、これだけの自然や文化を活用しきれていないことで、首里城に行って、ちゅらの海水族館に行って、本島は3日と持たずに終わり。箱ものありきという行政主導型観光の考え方の為に「それが当たり前で仕方ない」という結果になるのは、ただただもったいないわけです。

あれもやりたかった、これもやりたかった、また来よう!というリピーターが出来るようなコンテンツ作り。そこにはまだ、果てしないくらいのポテンシャルが沖縄にはあるように思っています。

2025年を目標にしている森岡さん率いる(株)刀のアドベンチャーパークが見せるであろう本当の「旅行」の姿に期待がかかることは言うまでもありませんが、その前にでも出来ることをやっておくくらいの前向きさは欲しいようにも感じます。
 
少なくともこの「旅行」のカテゴリーで沖縄発の会社が生まれ、国際的な競争でも勝負が出来て、沖縄の雇用を支え、沖縄経済のフロンティアになるようなベンチャーが育まれてもいいのではないでしょうか?

*行政主導型の一過性旅行客中心の積み上げで、社会状況から手のひら返しでストップされると否応なくこうなっちゃう。稼げない状況を作った行政側には「銀行で借りればいい」とか本気で思って言ってる人も少なくないから、そのギャップが怖いところ。

☆ローカルカルチャーと旅

そして一方、この2年以上の間ではっきりしてきていることは、小さな会社や個人がリピートするファンを耕していると「強い」。生存する力、たくましく生きていけることが見えてきます。

「旅行」の顧客ではない「旅」するパートナーを持っていること

ここはまさに関係人口の要諦と言える部分でして、うちの社名「星巡る旅人」の由来にも深くかかわっています。その原点として2015年に僕が「まち冒険」に書いたコピーの一説をご紹介すると

コミュニティが銀河の星々のように集い、星々を巡る様々な人の軌跡が、様々な星座を描いていく。

地域があるから、街があるから、人が寄るのではない。
人が集うから、街が生まれ、地域が出来る。

それが持続する未来の地域。

ということで、本当にその頃から、この感覚はより磨かれてきたように感じています。この点で、今回の沖縄行きは、沖縄の「旅」となったことが本当に良かった。そこには人と人の交わる場があり、再会の時でもあり、新しい発見の日々でもありました。

初めてあったばかりなのに、もう普通に「いつでも帰ってきて」と言ってくれるローカルの皆さんの暖かさ。それこそが本当にローカルの「光」であり、その「文化」こそが土台なのだと思っています。

加えて特に今回の旅を通じて感じ、ピンときた一つは琉球の料理であり、地域のおばあちゃんたちがつくる味。こうした地域の当たり前を見直していくこと。それだけで出来てしまうような当たり前を当たり前にやるだけで成立してしまいそうなことは初手でいい。民間で出来る人から、すぐやってよいのだろうと感じました。
 
こちらは地域の内側の日常を豊かにして、その経済を循環させていく重要な役割を担う存在でもあります。そのうえで、こうして旅のパートナーを迎え入れる人々が持続的に稼ぎ、より幸福な日々を過ごし、暮らしていける十分なポテンシャルを発揮させること。そこを育んでいくことにもまた、適切な支援があると良いように感じています。

というわけで、こうしたコンセプトの初手ともなったの今回のコンテンツでもあったかなと思います。見事に実行実現した旅するおむすびやさん・菅本香菜さんとその YeeeY な仲間たちには拍手👏&感謝ばかりです!







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