日々の雑感 day10【そろそろ懲りよう。失敗する地域課題解決型ツアーがまた!?】
最近、観光関係で新しいなんちゃらの流れから「地域課題解決型ツアー」とか言いだす人が、また出てき始めました。
この市場は新しいというよりも、既に1回生まれ、そこから自然消滅していって本物だけが形を変え、成長、進化しながら残っている・・。焼きつくされたレッドオーシャン市場でもう一度!のような状況と言えるでしょう。
この状況から隠れているニーズを見つけられる人は稀有です。
でも、いつの時代も「俺は違う!」という人がいて、そんな人程同じ失敗をやらかしてしまう。そして、周囲を疲弊させてしまうことが繰り返されていくのでしょう。
リスク回避で挑戦嫌い。でも承認欲求は人一倍。そんな面倒くさい人にお金、権限、時間、エネルギー、人材等々、何を与えてもマイナスにしかなりませんよ。
☆他力本願は実らない
基本的に木下さんのコラムで語られている流れは鉄板だと思います。そして、これから焼き直された多くの「課題解決型ツアー」もこの道を辿っていく事になるでしょう。
かつてですが、成功事例の一つともいえる岡山県・西粟倉村に九州最大のF市さんが視察に来ていました。
僕はたまたま近くにいて聞こえちゃっててなんですが、職員達の中でも上役風な方が視察も半ばくらいから「うちでは出来ないな」「うちでは無理だな」と帰りたいオーラ満載でブツブツと言い続けていたわけです。
僕としては「邪魔だから帰れ!」と思い「公金使ってるんだから、せめて何か出来る事を見つけて、落とし込んで帰れよ」とも思って。でも「こんな人が真似してもろくなことにならないから、出張費くらいのロスなら安いものか」と最後は思いました。
そもそもですが、こうした成功事例の劣化コピーをやりたがる考え方(マインドセット)を手放さないと、いつまでも劣化コピーを繰り返して、消耗、損耗していくだけになります。
まず、そのことを学んでほしいなと思うわけです。
☆自己正当化の罠
出発点として、自分自身が自分の地域と向き合わない。そこで挑戦をしない、GRID出来ない。そんな人が都会の人と地域をマッチングして、結果が出る事はまずないのです。
その理由は明確で、そもそもの「課題設定」を間違えているのと、その課題に向き合い、マネタイズをして「事業」へと昇華させていく挑戦者のポジションから逃げている。行動の土台となる覚悟、熱量が足りないからです。
自分が逃げ出してやらないことを、誰かにやらせてあわよくばその成果、実績を掠め取ろう。そんな立ち位置の人は、挑戦者のパートナーになりえません。
西粟倉村のようにたった一人の挑戦者に本気で周囲の人々が自分に出来る何かを手渡していく。その人のキャリアにとって自分の地域ではない方が望ましければ、移住しなくても応援しあえる。
そんな温かみのある人と人の関係性を無視し、挑戦者の事業内容を失敗者達や無責任な評論家達が批判してご満悦に浸っているだけ。そして、評論家や批判者は挑戦者に指一本の手助けもしないし、一円のお金も落とさない。
そんな終わり方をしている会や催し、ツアーといった諸々。ローカルベンチャー何とかとかなんちゃらコミュニティとかそれっぽい名前は、ただの不良品でしかない。全く価値がないこともしばしばでしょう。
☆最前線にいるのは誰だ?
僕自身が2013年にNPO法人ETIC.が開催した地域イノベーター・アカデミーの修了生でもあるわけなのですが、ETIC.のように受け入れた地域に「その課題設定から見直しませんか?」とか言い合える人同士の関係性を築いたり、講座外の時間でも連絡をとりあったりとか。そのうえで、友人としてその後もずっと関係性を保ったりできているというところまで作れる組織、人は数えるほどかなと思います。
当時は市来さんが勝負をかけていた頃で、熱海で行われていたこうしたマッチングや熱海マルシェでの熱いエネルギーの交換。覚悟を持つ挑戦者としてのその姿は、本当にロールモデルとしてふさわしい影響を与えていたことを覚えています(僕は東北がステージでしたが、この頃にこうした人同士をつないでくれる機会もETIC.は多く設けてくれていました)。
イノベーション。変化はいつも最前線にいる本気の挑戦者とそのフォロワー達がおこしていきます。
挑戦者自身。あるいは、その挑戦者の本気のフォロワーでない人がこうしたツアーをやっても熱のない、ただなんか話したな、時間使ったなで終わってしまう。
そこを回避したければ、こんなツアーを考えるより先に、今現在の自分の場所で、自分に出来る何かをきちんとやりましょう。行政側の中の人であるならば、たった一人の価値をもっと見直していきましょう。
地域おこし協力隊がろくに定着できない。それ以前に実績すらこれといって作れないような状態を続けていて、こうしたツアーをやっても税金の無駄です。
スタートは小さく。そして進捗の連続をつくっていく。
地味でもこれが最速。現場でまずはの小さな体験をして、それを経験に昇華させていく事をまず自ら味わってみましょう。
☆
いつもながら、こちらも必読!と久々に長くやってみました。
なお、地域おこし協力隊の定着、キャリア支援はお気軽にお問合せ、ご連絡ください。ほぼパーフェクト定住している長野県伊那市のロールモデル、県アドバイザーとして既に実績のある我が社が!とステマも。
そして、うちの地域挑戦者への支援の形の一つとして、前回のリンクもいれておきます。ではでは!
ありがとうございます。頂きましたサポートは、この地域の10代、20代への未来投資をしていく一助として使わせて頂きます。良かったら、この街にもいつか遊びに来てください。