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「君の名は」

今更ながら見ました。

「天気の子」は公開当時に見て、主人公の正しくはない選択肢を選ぶ所が人間らしいと思ったものです。

「君の名は」はまさしく王道のストーリー。

主人公とヒロインが夕暮れに出会うシーンは感動的ですね。

その時の夕暮れ時を映画内での造語ですが、

かたわれどき

と表現されています。

日本で

夕暮れ時

を表す言葉を調べてみたら結構多く。

・黄昏時
・逢魔が時
・日の入り
・暮れ六つ
・酉の刻

などで大体17時〜18時を表しているようです。

昼と夜との境界線を表す言葉ですね。

逆に夜明け、夜と昼との境界線を示す言葉は

・薄明
・彼は誰時(かわたれとき)
・東雲
・黎明
・日の出

などなど。

昼と夜、夜と昼とを分ける言葉の豊富なこと。

では何故主人公とヒロインは

かたわれどき・黄昏時・逢魔が時

に出会うことができたのか。

逢魔が時、から考えると分かりやすいですね。

逢魔が時は魔物と出会うような時間帯のことです。

この世とは別の世界にいる魔物と出会ってしまいかねない時間ということは、

世界の境界線が曖昧になって"いく"時間ということ。

かたわれ時、逢魔が時、黄昏時は魔の世界に向かう時間。

現世と魔の世界が曖昧に混ざり合っている時間。

逆に夜明け、薄明、黎明は同じ境界線でも魔の世界から現世に戻っていく時間、と考えています。

ということは。

現世とそうじゃないものが曖昧に混じり合う時間である逢魔が時、黄昏時かつ、口噛み酒で生まれた繋がりが2人を引き合わせた

ということでしょう。

昔、神社に行くときは16時以降は行かない方がいいという話も聞きましたが、

この曖昧な時間は魔の世界と距離が近づくため良くないのかもしれませんね。

逢魔が時、黄昏時に空間と時間を超えるというのはとても日本的な表現ではないでしょうか。

境界線
中道

この"間"を大事にする考え方は、個を重視するよりは、他者との関わりを重視する日本的な文化を表現しているかのようですね。

ではでは。

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