見出し画像

2023年日本映画賞のすべて


各部門のすべて

昨年の記事はこちら↓

ドキュメンタリー映画賞

 ドキュメンタリー(記録映画)として選出しているのは毎日、キネ旬だけです。毎日は『生きる 大川小学校 津波裁判を闘った人たち』、キネ旬は『キャメラを持った男たち―関東大震災を撮る―』が受賞しました。

アニメーション映画賞

 報知は『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』、毎日は『アリスとテレスのまぼろし工場』、日アカは『君たちはどう生きるか』とそれぞれで割れました。受賞はしていませんが、すべてで候補にあがったのは『BLUE GIANT』でした。非常に評価が高い作品ですよね。

撮影賞

 ここも4つの賞ですべて割れました。ヨコハマ以外で候補に挙がったのは『怪物』、毎日でノミネートされ日アカで受賞した『ゴジラ-1.0』がそれに続きます。ヨコハマで受賞した『ケイコ 目を澄ませて』、毎日で受賞した『月』、毎日と日アカでノミネートされた『首』など散りました。

照明賞

 日アカしかない賞です。本家アカデミー賞でもないので日本完全オリジナルですね。比較対象がないので、今年は『ゴジラ-1.0』が強かったとだけ言っておきます。

編集賞

 こちらは本家にはありますが日本のほかの映画賞にはない賞です。こちらも今年は『ゴジラ-1.0』が強かったとだけ言っておきます。

録音賞

 両方で候補に挙がり日アカで受賞したのが『ゴジラ-1.0』が一番強いですね。続いて毎日で受賞した『せかいのおきく』、どちらにも候補入りした『怪物』があります。

音楽賞

 ここは上原ひろみが音楽をてがけた『BLUE GIANT』が強かったです。日アカとおおさかで受賞しました。毎日と日アカ両方で候補に挙がった『怪物』『ゴジラ-1.0』『キリエのうた』、そして毎日で受賞した『658km、陽子の旅』が続きます。

美術賞

 毎日と日アカで受賞したのがやはり『ゴジラ-1.0』でした。そしてヨコハマで受賞した『せかいのおきく』、毎日と日アカでノミネートされた『首』『怪物』が続きます。

脚本賞

 ここも割れている部門で、複数受賞したのが『せかいのおきく』だけでした。ヨコハマで受賞した『そばかす』、おおさかで受賞した『正欲』が続きます。そして毎日と日アカでノミネートされた『福田村事件』、そして日アカで受賞した『ゴジラ-1.0』が続きます。

助演女優賞

 報知、日スポ、キネ旬で受賞した『月』二階堂ふみが一強です。次いでブルーリボンを受賞した『ゴジラ-1.0』浜辺美波が続きます。そしてヨコハマとおおさかで受賞したのは『高野豆腐店の春』中村久美でした!これは意外ですね。3ポイントで続くのは『怪物』田中裕子『エゴイスト』阿川佐和子『キリエのうた』広瀬すずでした。
 一方、ある意味我が道を行ったのが日アカ、どの賞にもノミネートすらされていない『ゴジラ-1.0』安藤サクラを選びました。

助演男優賞

 ここは『月』磯村勇斗の独壇場!6つの賞で受賞し無敵状態でした。そして地味に2つの賞で受賞しているのが『愛にイナズマ』佐藤浩市でした。毎日で受賞した『エゴイスト』宮沢氷魚がそれに続きます。

主演女優賞

 ここは見事に各賞割れました。TAMAとヨコハマで受賞した『せかいのおきく』黒木華、日アカで受賞した『怪物』安藤サクラ、日スポとおおさかで受賞した『愛にイナズマ』松岡茉優が並んでいます。
 次いでブルーリボンで受賞した『こんにちは、母さん』吉永小百合が5ポイント、ヨコハマで受賞した『ケイコ 目を澄ませて』岸井ゆきの、TAMAで受賞した『658km、陽子の旅』菊地凛子、報知で受賞した『リボルバー・リリー』綾瀬はるかが続きます。
 キネ旬は『ほかげ』趣里、毎日は『市子』杉咲花、高崎は『茶飲友達』岡本玲が受賞するなど全体的に分散した印象です。

主演男優賞

 助演男優賞と同じくこちらも『エゴイスト』鈴木亮平が5つの賞で受賞の独占状態。日アカとキネ旬で受賞した『PERFECT DAYS』役所広司がそれに続きます。
 次いでブルーリボン賞受賞の『ゴジラ-1.0』神木隆之介、TAMAを受賞した『春に散る』佐藤浩市、報知で受賞した『春に散る』横浜流星、3つの賞で候補に挙がった『ロストケア』松山ケンイチがいます。

監督賞

 見事5つの賞を受賞したのは『月』石井裕也でした。前半は石井裕也が強く、後半は『ゴジラ-1.0』山崎貴『PERFECT DAYS』ヴィム・ヴェンダースが強かったという印象です。『怪物』是枝裕和は一定して強かった。『福田村事件』森達也も受賞はありませんが強いですね。

作品賞

 そして作品賞、5つの作品が同ポイントで並ぶという事態に。良くも悪くも飛びぬけた作品がなかったと言えるかもしれません。複数受賞しているのは『月』『ゴジラ-1.0』『せかいのおきく』でした。これにTAMAを受賞した『怪物』、受賞はしていませんが軒並み候補入りしている『福田村事件』をあわせて5強です。

総括

本家アカデミー賞では4つの演技賞と監督、作品をあわせて重要6賞と言ったりします。それにあてはめて演技賞と監督賞を5人、作品賞を10作品選んでみます。
同率の場合は①受賞しているか②重要賞にノミネートされているかで判断していきます。

作品賞


怪物
福田村事件
ゴジラ-1.0
せかいのおきく
PERFECT DAYS
愛にイナズマ
ケイコ 目を澄ませて
正欲
こんにちは、母さん

監督賞

石井裕也『月』
是枝裕和『怪物』
山崎貴『ゴジラ-1.0』
森達也『福田村事件』
ヴィム・ヴェンダース『PERFECT DAYS』

主演男優賞

鈴木亮平『エゴイスト』
役所広司『PERFECT DAYS』
神木隆之介『ゴジラ-1.0』
佐藤浩市『春に散る』
横浜流星『春に散る』

主演女優賞

黒木華『せかいのおきく』
安藤サクラ『怪物』
松岡茉優『愛にイナズマ』
吉永小百合『こんにちは、母さん』
岸井ゆきの『ケイコ 目を澄ませて』

助演男優賞

磯村勇斗『月』
佐藤浩市『愛にイナズマ』
宮沢氷魚『エゴイスト』
大泉洋『こんにちは、母さん』
加瀬亮『首』

助演女優賞

二階堂ふみ『月』
浜辺美波『ゴジラ-1.0』
中村久美『高野豆腐店の春』
広瀬すず『キリエのうた』
阿川佐和子『エゴイスト』

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?