見出し画像

家庭という「職場」

いわゆる専業主夫という立場になって、約5か月(それまでは大学卒業後、5年半ほど企業にて勤務)。主夫としての十分な働きができている訳では全くもってないが、自分自身でやってみると、新たに見えてくることや想像していたものと違うことも多少ある。

世の中の家庭、百種百様であるとは思うが、専業主夫(一部は専業主婦の方にも当てはまるかもしれない)を「仕事」として捉えた場合の話を少し書いてみたいと思う。(もうちょっと旅行記っぽい記事を書こうとは思っているんですが、たまにはこういうものも書いてみても許されますかね・・・)
#仕事の心がけ #国際女性デー

ちなみに、前提として、私の現状はこんな感じである。

  • ラオスで働く妻の同伴者としてラオスに滞在中(一定の期間のみ)

  • 発行されているビザの関係上、現地での就労は不可

  • 夫婦での二人暮らし(子どもはいない)

  • 掃除サービスは付いているアパート暮らし

なお、自分自身の現況に不満は全くなく、むしろ仕事をしつつも、専業主夫をサポートしてくれている妻に心から感謝している旨は付け加えさせて頂く。(妻に読まれそうだから書いているわけではありません。)

待遇面

勤務時間

専業主夫(主婦)をやる上で、これを定義することがなかなか難しい。なぜなら、日々の生活(プライベートの時間含む)と勤務時間の切り分けが必ずしも明確でないから。近年の在宅勤務の潮流により、企業等に勤務されていても似たような気分を味わわれることもあるかもしれない。

ただ、そうは言ってもある程度の時間は算出可能だ。(家事代行サービス等もあるのだから、当たり前と言えば当たり前だが)
私の場合は、おおよそ以下の通りだろうか。

  • 朝ごはん準備、食器洗い:30分程度

  • 洗濯:1時間半程度(洗濯物を洗濯機に入れて、洗濯機を動かして、干すまで。待ち時間が曲者ですが、その間に何かできると言えばできるし、家に拘束されると言えば拘束されるので、算出の仕方が非常に微妙。ただし、その時間を入れないと私があまりにも仕事をしていないことがばれそうなので、一応フルで計算には入れさせていただきます。)

  • レシピ決め、食材買い出し:1時間20分程度(だいたい週に2回、買い出しに行く。意外と、数日間の間に何を作るのか決めるのに時間がかかる。まあ、これは私の実力不足です。)

  • 夕食準備:1時間~1時間半程度(凝ったものを作るときは、3時間程度まで増加)

  • 掃除:0分(サービスアパートに住んでおり、お掃除が週に3回程度入ってくれるため。これは、チート)

なお、基本的に家事の半分は自分自身のためでもある。(自分の洗濯物はたとえ外で仕事をしていても対峙しないといけない。家を臭い洗濯物の山だらけにしたくなければの話ですが。)ただし、顧客(パートナー)の分と合わせてやり、パートナーはその時間を費やさなくて良くなるという恩恵を被るということで、時間を半分に換算したりはしないことにする。

給与

これはご家庭によって、かなり異なると思われる。
私のケースでは、(私が約半年のみの休職ということもあり)、日常生活で必要な食費・生活費や一緒に行く旅行等は妻から出してもらう一方、自分自身の趣味のお金については、自分自身の貯金から出す形を取っている。(なお、月々の支払いが発生する自身の健康保険や年金等も自身の貯蓄から出している。)

このやり方だと、自分自身の仕事での対価と、いわゆる後述の予算(例えば二人のために作るご飯の材料費)が混ざった状態になるため、自分自身の仕事に対する対価が可視化されないという不満をお持ちになる方もいるかもしれない。

その他考えられる方法としては、例えば働いている側から主夫(主婦)側へのお金を以下のように分ける、といった可能性もあるだろう。
・生活に必要なお金(いわゆる、月々割り振られる「予算」)
・仕事に対する対価(こちらは自由に自分のために使って良いお金)
2つ目の仕事に対する対価に関しては、家事代行サービスの価格等も金額を決める上での参考になったりするかと思われる。

休暇制度

これも各家庭によって様々だろう。
我が家の場合、週末のご飯づくりや洗濯物等、パートナーに代わってもらえることが多い。
ご家庭によっては、この日は全く家事をしなくて良い、という日を設けられている場合もあるかもしれない。

ここでいう「休暇」を考える時には、職場での健全な「休暇」を参照するのがおすすめ。例えば、企業勤務の場合、メールは見ない、電話はかかってこない、究極的には仕事のことを一切考えなくても過ごせる時間(明日の準備ぐらいは考えるけれども)というのが「休暇」だ。
別の言葉で言うと、職場でいう「仕事がたくさんあるから一部を他の人に代わってもらう」ということと、「休暇」という制度が全く異なるのと同様に考えた方が好ましい。そのように定義づけた上で、「休暇」が必要かどうか、必要なればどの程度設けるのか(週に1回「半休」とか、月に2回「全休」とか?)話し合うのが良いのでは。くれぐれも、「料理は代わるけど、その間に洗濯物をやっておいて」というのを「休暇」扱いしないように。

職場環境

顧客

基本的に、顧客はパートナーと自分自身の2人になる。

家事がきちんとされているか(食事は作られているか、洗濯物は終わっているのか等々)、その結果を確認しサービスを享受するのはその2人。
ただし、基本的に自分自身に対する家事は雑になりがちなので(それは私だけではないはず・・・)、より求める水準が高くなるのはパートナーの方であると思われる。

ということで、パートナーの方はぜひ、顧客意識を持って自分自身の要望をはっきりと伝えること、そしてそれに必要な時間や費用についてもきちんと主夫(主婦)と相談することを意識して頂くと、不要な軋轢*を避けられるのではないかと思う。
(*「あれ、やっておいて欲しかったのに」ー「そんなの知らんがな」とか、「ふつうはここも掃除するでしょ」ー「気になるなら自分でやれば」みたいなやり取り)

また、夫婦は対等な関係でいたい、と思われる方も多いと思う。一方で、この主夫(主婦)とパートナーとの「甲乙関係」のようなものは、どうしても自然発生してしまう。したがって、顧客であるパートナーの方は、常に主夫(主婦)の方にお礼をぜひお伝えいただきたい。サービス提供者側としてのモチベーションは一気に上がります。

裁量と時間の自由度

職務内容は、つまるところ家事全般となるが、自分の自由になることもあれば、パートナーに合わせないといけないこともあったり、様々である。

裁量に関しては、顧客2人のこだわりに左右される面が多いだろう。ある程度おなか一杯になるものが食べられれば十分という家庭もあれば、アレルギーや塩分量に気を付けて調理をしないといけない、という家庭もある。その他掃除や洗濯等も人のこだわりはそれぞれだが、どちらにしても顧客の要望を十分に満たす働きをする必要がある。

時間の使い方に関しても、家事によって様々だ。
例えば、洗濯物を乾かすことを考えると、洗濯は基本的に朝の時間にやらなければならない。(もちろん、乾燥機という文明の利器を使うという方法もある)
食事についても、半分は作り置きのおかずにするにしても、やはりメインはパートナーが家に帰ってくるタイミングで出来たてを食べてもらいたいものである。そうすると、パートナーから「今から帰る」という連絡が来るまでに事前準備をしておき、連絡が届いた瞬間に火を入れるという作業に入る。従って、パートナーが家に帰ってきそうな時間帯というのは、基本的にスマホを定期的に確認しながら待つ半待機状態となる。(そうすると、上記の勤務時間に含まれないが、できることが限られる時間というのは別途存在しているとも言える。)

上司や同僚

残念ながらいない。これがなかなかの孤独である。
何かあってもすぐには相談できない(たまには顧客にも相談できるが、基本的は自分で解決しろというのがもっともな考え方である)、何かあっても愚痴を言う相手はいない、雑談をする相手もいない。

ということで、いわゆる井戸端会議や(子どもがいらっしゃる方は)パパ・ママ友会等は非常に重要な役割を果たしているのだろう、ということが最近分かってきた。そんな会なんて周りに期待できない、という方は私みたいにNoteに何かを綴って気を紛らわしましょう。(あとは、趣味でコミュニティを見つけるとか)

企業などで仕事をしていると、(嫌かどうかは別として)人とのつながりは自然とできるものである。その中には気が合う人や、軽く飲みに行く、という人もできるだろう。基本的にはこのようなつながりは一切望めない職場というのが、専業主夫(主婦)に待ち受けている。

勤務場所

自宅なので、通勤時間ゼロなのはありがたいが、気分転換は自分が外に出るしかありません・・・。家ではどうしてもダラダラしてしまう、モチベーションが上がらない、という人にはあまり適していない気がします。どうしようもありませんが。

以上、つらつらと思いつくままに書いてしまった。少しでも幸せで関係良好な家庭が増えることを祈りつつ、明日の主夫業に支障をきたさないよう、筆を置きたいと思う。

*2023/3/9に若干更新しました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?