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at 道東 with ドット道東 ②摩周・中標津・知床峠

道東のアンオフィシャルガイドブック、ドット道東を持って旅に出た。

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①はこちら↓

7月22日 弟子屈から中標津を通ってウトロへ

摩周駅で下車すると、予約したレンタカーの方が待ち受けている。

「地元の人も、観光客も飛ばしますから、流されないように気を付けてください。あと、シカも出ますから笑 普段は運転されます?」「はい、まあまあ、でもシカが飛び出てくるところでは運転しないですね笑」

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レンタカーで向かった摩周湖は雲海に覆いつくされていた。神秘的で、神々しい。「カムイ・トー(=神の湖)」と呼ばれる意味がわかるようだ。北海道の雄大さを改めて実感する。

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北海道の道は、起伏があっても真っ直ぐ長く続く。左側の矢印は雪に埋もれた時の道の端を示す。

来た道を戻りながら、中標津へ。ここでは行きたい店がある。RANGE LIFEだ。なぜ中標津でこんなにこだわりのあるお店が?それも道東全域から客が来るというではないか。

やっていなさそうな弁当屋の脇の狭い階段を昇ると、扉が待ち受けている。少しの入りづらさを感じつつも扉を押し開けると、シンプルで品のいい服が、大きな窓から入り込む午後の明るさに佇んでいた。

店主と客1人。最初からありえない距離感で話しかけてくる服屋の店員は苦手だが、ここはそうではない。落ち着いて服を見ていける。

徐々にこちらが興味を示す服を見出したのか、こちらに合いそうな服を見出したのか、会話が生まれ始める。

「それは九州のfujitoさんが、プロスケーターのサポートをしているんだけど、その流れでスタートしたFUJITO SKATEBORDINGで。」

「このシャツ(JackmanのDotsume Pocket T-Shirt)は綿なんだけど、密に編まれてるから汗かいても張り付かないし、丈夫なんですよ。」

服への愛、拘り、作り手との密なコミュニケーション、素材への精通、そして客への勧め方の良さ。あいにくグラニフのオレンジ色のTシャツを着ていた自分は、試着してもどれもTシャツの主張が勝ってしまっていたけれど。

そのうち、この場所、中標津の話になる。元々ここに生まれ、札幌などに出て行ってた人々が、30代40代に差し掛かるにつれて段々と戻ってきていると。店主もその1人。

「家の、3000万も新築でかけたら豪華だねってなる。新しく越して来る人もいるしね、オススメだよ。唯一困るのは映画かな。釧路まで行ってもやってない映画が多い。でもそれ以外は困らない。むしろ、漁師のお客さんや、農家のお客さんなんか、魚や野菜をお裾分けしてくれるからね笑 ここはそういうのがあるの。ほら」店の冷蔵庫には大きな魚、貝と食材がたくさん。

「店もそうやって帰ってきた人とか、新しく来た人がやってるのも結構ある。」「なんか皆さんで連携とかはされてるんですか?」「最初の頃はそういうのやってたんだけど、イベントとかやっちゃうとそれ待ちになっちゃうんだよね。その時しかここに来なくなっちゃう。『次はいつですか?』って。だから途中で辞めた。色んなお店があるから、いつでも来てくれた人が回遊してくれれば、それが一番、町のため店のためになるから。

安直に、定期的なイベントは集客、宣伝に繋がるのではないかと考えていたけれど、それはその時だけを見ているからそう思えるだけなのかもしれない。イベントのない、いつも通りの1日、日々はその積み重ねで、その積み重ねの方がはるかに大きい。「実態」はそちらにあるのだ。

服を買うためにキャリーケースに余裕を作っていた自分は結局5点の服を購入。長く使える、飽きの来ない服を買うのは、早ければ早い方がいい。

服を畳み終えて、店の冷蔵庫から美幌に豆灯っていうカフェがあるんだよ、と言いながらお礼にとコーヒー豆を譲ってくださった。今回は行けないが、美幌に行った時には寄ろう。

「もう少ししたら隣の元美容院に引っ越すのよ。ただであげるっていうからね笑 改装してもそこまでの額にはならないし、外装とかも今じゃやらないようなデザインだからね。」帰りに見てみた隣の建物は、小さな会社の倉庫かというほど広い、可愛らしいファサードながら立派な鉄骨造の、建物だった。

思わず長居してしまい、もう夕方。今日はウトロまで行かねばならないのだ。

スイカ専用の鞄を持ってきた彼女と共に、Aコープ中標津で立派ならいでんスイカを購入し、完全にスイカ専用の鞄と化した鞄を車に積み込み、ドライブ再開。

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ウトロの宿にて。なんといい色合い。

標津まで至り、国道335号線に入る前後から右窓にオホーツク海が見え始める。夏の海というイメージからはほど遠く、涼しげ。時折河口とともに漁村が現れる。

標津ぶりの大きな町、羅臼を過ぎると知床峠への登り坂を進む。すぐに、濃い霧が立ち込める。

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車が「ブブブブ」という音を立てるので、何事かと思い、車を停めたら、ただ道に凹凸があるだけであった。それにしても濃すぎる霧である。そしてみんな大好き国道334号線。

通る車も多くないが、見通し距離の短い中を進んでいくと、霧を抜けて視界が開け、知床峠に達する。北に羅臼山、東に雲海、そして西には夕陽。どの方角を見ても圧倒的。

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羅臼山の単体の写真がなかったので、早速RANGE LIFEで買ったTシャツに着替え、キャップを被った自分とともに...。

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山、海、雲、そして夕陽。

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登ってきた羅臼側には濃い霧が立ち込めている。

駐車場以外、人間の営みは全く見えない。全ての方角が美しく、思わず服を着替えてしまった。爽やかでシンプルな服を着たくなる景色なのだ。

知床峠を下る、下る。ウトロ側に濃い霧はなく、徐々に海が広がり始める。プユニ岬に至り、海が全面に。町が見える。地の果てと呼ぶにふさわしい地・知床に最も近い町。もうあと10分も走ればウトロだ。

知床での、ピエさんに組んでもらった予約不要箇所巡りは、at 道東 with ドット道東 ③知床 にて!

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