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ムリ・ムダ・ムラと片付けとの関連性

ムリムダムラと聞いて思い浮かぶのがトヨタの生産方式。

あちらは工場生産における効率化のための考え方ですが、家庭内での片付けの仕組みを考える上でのヒントが隠されています。
(『トヨタの片付け』は読んだことないですが……)

一般家庭へ出向いての片付けの仕事をしている立場から、ムリムダムラと家庭内の片付けとの関連性について説明したいと思います。


片付けにおけるムリムダムラとは?

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ムリは負担がある状態。
そもそも、片付け苦手さんにとっては『片付け=負担』でしかないとは思いますが、その負担度合いが大きくなると苦痛やストレスにつながります。

ムダは過剰な状態、余分なものやことがある状態。
片付けのムダといわれてすぐ思いつくのは『物のムダ』。
家庭内には物のムダのほかにもいろんなムダがひそんでいます。

ムラは仕上がりにバラつきがある状態、均一でない状態です。
家族と暮らしている場合、共有のスペースをそれぞれが片付けることがあります。そのとき、片付け能力の差によって生じるバラつきがムラです。

※家事シェアでよくある問題はムラ由来が多めです。


ムダとムラからムリが生まれる

ムリムダムラは個々でも影響を与えますが、どちらかというとムダやムラが引き金になってムリが生まれてくるパターンが多いです。

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わかりやすい例を挙げると、物が無駄に多い状態は使わないものにお金を費やしている状態なので金銭的負担が増します。物が多すぎると探し物をする時間も発生して時間的負担も増えるかもしれません。


そこで、片付けの『ムリ』を減らすためには『ムダ』と『ムラ』に着目します。


家庭内にひそむムダいろいろ

家庭内の片づけで見直したいムダは大きく分けて3つ。
動作のムダ・動線のムダ・在庫のムダです。

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①動作のムダ
『手数が多い』と『繰り返し』はなんとなくイメージがわきやすいのではないかと思うのですがどうでしょう。

まず『手数が多い』は物を出し入れするときの動作が多いこと。
扉を開けて、引き出しを開けて、引き出しの奥に入っているものを出すために上に乗っているものをよけたりして……なんてやっていたら出すのは出せても片付けるのがめんどくさくて仕方がない。

『繰り返し』は、物を使う一連の動作に同じ作業の繰り返しがあること。
例えば、料理中に何度も冷蔵庫の扉を開け閉めするより、使うものはいっぺんに冷蔵庫から出せば開け閉めは一度になって効率的。

①動作のムダでわかりにくいのが『わかりにくい(動作の停止)』。
収納ケースの中が全く見えないように加工したり、物を探すときの目印となるラベルをはがしたり、かえって迷ってしまうようなラベルを付けたり等といった不親切な状態を指します。

不親切な状態は、「どこにあるんだろう?」と思考や行動を停止させたり、目当てのものが入っていない場所を何度も開け閉めさせたり等のムダな行動を引き起こします。

特に「映え優先の、自分だけがわかる片付け」をやりがちな人は要注意です。


②動線のムダ
『距離が遠い』は単純に距離がある状態。
これは家の構造や間取りによっては仕方ないこともあるかも。

『遠回り』。ホントは最短距離があるのに遠回りしている状態。
「わざわざ遠回りなんてそんなことはないだろう」と思われがちですが、意外と本人は気づかないもので第三者が見ると遠回りが見つかることがあります。

同じ用途に使うものがあちこちに『分散している』のも動作のムダ。
分散してると行ったり来たりが多くなっちゃいます。


③在庫のムダ
『使用の偏り』。これは片付けられないお宅に伺うと非常に多いです。
「クローゼットがパンパンなのに着る服がない」はまさにこれ。

『過剰な買い物』は在庫管理がうまくいってない状態です。
在庫があるのに買っちゃうのは買い物の問題。在庫があるかどうかわからないのは在庫場所の問題。そもそもいくつ在庫を持てばいいかわからないなんてのもあります。

『持ち主なし』。これも片付け現場でまあまあ遭遇します(笑)
家の中に入ってきたときは誰かしらの手を経由して入ってきたはずなんですが、なぜか誰も知らないという不思議……


ムラをなくすには歩み寄りが一番

ここの章は特に片付け得意さんに向けて書いてます。

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家庭内の片付けのお悩みで、「(自分はできるけれど)家族ができない。なんとかしたい(させたい)」があります。

コレ、片付け得意さん特有のお悩みです。
片付け能力に差があればあるほど片付け得意さんは苦手さんの一挙一動が気になって仕方がありません。

「能力の高いほうにあわせてほしい」願望はわからなくもないですが、「それが簡単にできるならとっくにやってるよ!」が苦手さんの本音ではないでしょうか。

この悩みの解決方針として強くお伝えしたいのが、仕上がりのレベルを上げるよりもそろえることを意識してほしいということ。

片付け得意さんは「自分にとっての100点じゃないとだめ」から「80点になれば十分」と思うことで、仕上がりのバラツキ度合を減らすことができます。


まとめ

以上、片付けとムリムダムラについての自分の考えです。
当たり前じゃん、ってことも多いかもしれませんね。

ただ、片付け得意さんが正解で片付け苦手さんが不正解なわけでも、その逆でもありません。

これを作ってみて思ったのが、ムダは解決法がわかりやすいけれどムラを解決するには調整が必要だということ。世の中の人間関係って絶対値じゃなくて相対値が大きいことからの悩みが多いんだろうなと思います。

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