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センター世界史98点だった僕が考える世界史勉強法

 「受験勉強」と聞いて良い気分がする人はあまりいません。いつの時代もどの教科においても「苦手な科目」「嫌いな科目」が存在するものです。その中でもよく「苦手」科目として声が上がるのが世界史です。今回は世界史に対して悩める受験生に向けて、僕が考え、実践していた世界史の成績が上がる勉強法を教えていきたいと思います。
 ちなみにタイトルにあるセンター試験は現在は大学共通テストに置き換わっていますがご容赦下さい。本当は満点を取りたかったです。

1. 流れを覚える

 始めに言うと、歴史の勉強というのは覚える事が兎に角多いです。世界史となれば尚更で、出来事一つ一つの名前から場所・年号・関わる人物名と始まり、各地域の空間的な広がりや関わりも掴まなくてはいけません。それら膨大な情報を覚える第一歩としてマスターしておきたいのが「流れを覚える」ということです。歴史とは人類という作者が織り成す壮大な物語と僕は考えています。いきなり細かな単語の名前や年号を覚えようとする人がいますが、まずは勉強する対象範囲の”ストーリー”を覚えるところから始めます。

 漫画を例に考えてみましょう。まず、皆さんの一番好きな漫画を思い浮かべてください。どのくらいの巻数があるかは作品それぞれですが、何度か周回して読むことで恐らくその漫画のストーリーは完璧に理解し、頭に残っていることでしょう。そしてその漫画に出てくるキャラクターの名前・生い立ち・人間関係・口癖や、作品によっては能力名や死因まで分かっていて、あのシーンは何巻にあってその後どのように物語が進行していくかなど、多くのことを分かっています。その知識量は単純に数えれば学校の定期テスト1回分で覚えなければならない量を遥かに超えていることもあるでしょう。当然「好きだから」覚えられるという面もありますが、いきなりキャラクターのプロフィールや物語の節目となるキーポイントを説明されてもよく分からないですし、頭の中にストーリーという下地があるからこそ他の要素を抵抗なく取り込むことが出来るのです。

 歴史を学ぶ上でも同じ事が言えます。第一に歴史全体の流れを掴んでおくことで、それに付随した人物名や出来事の名前等の知識は覚えやすくなります。急に出来事単体の詳細を学ぶよりも、先に全体像を理解することで「何故こんなことが起こったのか」「その後どんな影響があったのか」を掴むことができ、学習に深みも生まれます。そして、歴史の流れを掴むために必要な最も身近で有効な道具が教科書なのです。情報量で言えば資料集や諸々の参考書に劣ることはありますが、その時代・場所の歴史についてコンパクトにまとめられていて、何度か読むことによって確実に流れを理解することが出来ます。その後、先に挙げたような資料集や参考書、授業でもらったプリント等によって、必要な膨大な知識を身に付けていくのです。結局たくさんの用語を覚える事に変わりはありませんが、学習する順番を工夫することで覚えやすさは格段に違っていくことでしょう。

2. 年号を覚える

 歴史を勉強する上で出来事が起こった年を覚える行為は避けては通れません。泣くよ坊さん平安京(794年 平安京に遷都)やイチゴパンツの織田信長(1582年 本能寺の変)や戦に向かう五・一五事件(1932年 五・一五事件)など語呂合わせを使って今まで多くの年号を覚えてきたことでしょう。では何故こんなことをしてまで年号を覚える必要があるのでしょうか。無論「テストに出るから」という理由だけではなく、年号、数字という明確な尺度で歴史を見ることが出来るからなのです。出来事と出来事の間の時間的距離や順序・頻度を把握し、あるいは継続性を知るために年号は覚えている必要があります。

 世界史ではそれが特に重要になります。日本史のようにほぼ一箇所が対象地域という訳ではなく、世界の全ての地域の歴史を学び、それぞれの地域間のつながりや関連性(いわゆる『横のつながり』)を見なくてはいけません。そのために有効な指標が年号なのです。高校のテストや大学受験では「~が起きたのは西暦何年か答えなさい」という直接的な問いは少なくなりますが、勉強を通じて可能な範囲で(最低でも世紀単位で)年号は逐一意識しておくと便利です。特にヨーロッパを中心とした世界的ネットワークが形成されていく大航海時代以降は、ウェストファリア条約や世界恐慌など、1つの出来事が全世界に波及していくことが多く、年号を覚えながら学習することでつながりが分からず混乱することは避けられます。

3. 暗記を効率良く行う方法

 ここまで覚える、覚えると簡単に連呼してきましたが、最後に僕が大学受験期に行なっていた「暗記」の方法を教えます。これは世界史以外の全ての科目において使えるので、興味が湧いたら是非実践してみて下さい。

 1つ目は寝る前に一気に覚えてすぐに寝ることです。世界史を例にすると、一定の範囲の出来事の名前・人物名・年号・順番・都市の場所・・・と頭を少し揺らしたら溢れそうなくらいに知識を一気に記憶し、その状態で眠りに就きます。そうすると、覚えた知識が脳に定着しやすくなり、長期記憶の礎となるのです。これはヒトのレム睡眠(身体は眠っているが脳は起きている状態)が関係しており、レム睡眠中の脳は「記憶を整理・定着させる」活動をしており、眠る前にたくさんの情報を頭に入れることで記憶が定着しやすくなるのです。勿論一回の睡眠で全てを完璧に覚えることはできませんが、これを毎日繰り返すことで覚える量も定着率も飛躍的に向上します。

 2つ目に、半端なスキマ時間を利用することです。これは以前から各所で言われていることですが、そうやって何度も言われるくらいに暗記には効果的な手段です。電車に乗って最寄駅に着くまでの、夕飯が出来るまでの、次の授業までの、問題演習をするには短くて何もしないのには長い中途半端な時間。そういうスキマ時間に、抜けていると自分で思う用語や単語の意味を覚える努力をすることで、本番に向けての詰めを甘くしないようにするのです。

 ここまでが、僕が今教えられる世界史の勉強法です。別記事でも書いたように世界史を学ぶ意味は受験とは違うもっと別の所にあるのですが、現代日本の教育制度や受験制度に沿っていくのなら、このように知識を覚えてつながりを知り、アウトプットすることが最も求められる能力になります。そういった能力を身に付ける一助になりたく、この記事を執筆しました。最後まで読んでいただいた方は様々な境遇があると思いますが、特に受験生には少しでも役に立てればと切に願っています。

 

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