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テスラは大赤字でも全然平気なのに、なぜ黒字倒産が起こるのか?

黒字倒産という言葉があります。損益計算書上は黒字が出ているにもかかわらず倒産してしまうケースを指しています。東京商工リサーチの調査は、2019年に倒産した企業の約半分が黒字倒産だったことを明かしています。

最新期での赤字企業率(当期純損失の企業対象)は、倒産企業545社では52.8%(288社)と過半数を超えた。

一見すると矛盾する「黒字」と「倒産」という言葉。黒字倒産のメカニズムを理解するには、そもそもどういうときに企業は倒産するのかを知るのが一番です。今回は、テスラを事例に説明します。

そもそもなぜ企業は倒産するのか?

企業は大抵の場合、キャッシュが不足し、銀行や取引先にお金を払えなくなって倒産します。ポイントは、倒産するのは「キャッシュが尽きた」ときであって、黒字か赤字かは関係ないということです。

キャッシュが尽きたらゲームオーバーという極めてシンプルなルールです。

裏を返せば、赤字であっても、何らかの手段でキャッシュを調達し続けられれば倒産しないのです。

10年以上にわたり赤字を垂れ流すテスラ

テスラは昨年、時価総額でトヨタを抜き自動車メーカーとしては世界一になりました。金額ベースでは80兆円を超えています。(2021年1月26日時点)しかし実はテスラは、10年以上にわたり巨額赤字を計上し続けていました。

それでも、イーロンマスク氏の語るビジョン、ストーリーに共感した投資家たちが資金を投じ続けました。その結果、今日までテスラは事業を継続してこれたわけです。

PL上の利益が黒字であっても手元のキャッシュが尽きてしまったとき、黒字倒産が起こります。※ 利益とキャッシュは何が違うのかについては別途まとめたいと思います。

まとめ

日本では1年間に8,000社近くの企業が倒産しています。そして、そのうちの半分は黒字倒産です。多くの企業が利益を計上しながらも経営破綻に陥る一方で、赤字を計上しながらも将来への成長期待を作り出し、多額の資金を集めることに成功するケースもあります。赤字が必ずしも悪だとは限らないわけです。

今回は以上です。

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