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カナダで体操が冬季スポーツである理由

カナダでは体操競技は冬季スポーツです

これは冬季スポーツが盛んなカナダのなかで、夏季スポーツではなくて冬季スポーツの扱いになっているのはいいことなのかもしれません、ですが体操競技が冬季スポーツ扱いなのはちょっと変な感じがしますよね😁

ということで今回はカナダの試合シーズンが日本とはどのように違っているのかについて紹介していこうと思います。


日本とカナダの試合シーズンの違い

まずカナダの試合シーズンは地域にもよりますが12月、または1月の上旬から始まり6月までにほとんどの試合が終わる形になっています。

大体の流れは

12月〜4月 規定の点数をとることによって大きい大会出るための出場資格を得るための予選、みたいな感じの期間です。(たくさん試合があります)

4月〜6月 大きい試合に出場する

アトランティック→東または西カナダ選手権→ナチョナル(カナダ選手権)

の順番に大きい大会になっていきます。

これらは左から

地域の大会(関東大会)→東または西日本→全日本

みたいな感じです。

12月〜4月までの予選期間の選考基準は各州にが決められます。私が指導をしていたノヴァスコシア州では男子の競技人口が少なかったため、ほとんどの選手が大きい大会に出場できてしまうようなところでした😂

このようにカナダ特有のシーズンの流れがあり、ま〜日本とは違うけれども別にいいんじゃない?って思った方も多いと思います。

ですがこのシーズンの流れにはツッコミどころが多く、なぜこれを直さないのか?という点が多々あるのでそれについて紹介させてください。


問題点

このシーズンの流れには大きな問題点があり、5年間文句を言い続けていました😂

例を挙げると

1、シーズン始めは全員通しができない

2、ヴァケーション(休暇)

この二つが問題でした。


1、シーズン始めは全員通しができない

私の指導していた地域では最初の試合が1月の10日あたりに行われます。これに関しては本当に情けないのですが、このシーズンが始まる前に、カナダにはビックイベントがあります。それが


クリスマス!!


これは日本でいうところのお正月。家族が集まり家族の時間を過ごすビックイベント。なので体操クラブによっては1週間ほどの休みになるところが多いです。

そして、体操クラブが休み + 学校も冬休み + カナダの文化

この三つが合わさったときに起こるのが


ヴァケーション(休暇、旅行)です!!


この時期、カナダは寒いです。余裕でマイナス10〜30度までいく気候のなか、カナダの人々が考えた最善の旅行先、それは

フロリダ!!

そう!!もうみんながみんなフロリダにいきます!!その理由としては

1、フロリダは暖かい(12月ごろでもビーチに行けると思います)

2、ディズニーワールドがある(子供がもう喜んでしょうがないですよね)


そして1〜2週間ほどヴァケーション行き、美味しいものを食べ、家族の時間を満喫。とてもハッピーな顔をして帰ってきた彼らに襲いかかるのが現実です

大体の家族が1月4日までには帰ってきます。(学校がそこらへんから始まるため)

そしてそんな彼らに残された時間はたったの1週間!!この1週間で1〜2週間遊び歩いていた彼らを試合ができる状況まで持っていかなくてはいけません😭


このような感んじで激動のシーズンが始まります🤣


2、ヴァケーション(休暇)

えっ?またヴァケーションですか??

すみません、またヴァケーションです😭

このクリスマスとは別にもう2つほどヴァケーションの波があります。

まず一つ目の波が

マーチブレイク(春休み)

こいつは本当に厄介で、3月の中旬に学校が1週間ほどの春休みに入ることから引き起こされる災害です。

ここで問題なってくるのが4月1〜3日あたりに開催される、最も大事な選考大会

プロベンシャルチャンピオンシップ

があるからです。これは州の試合の中で最も大きく、最後に行われる試合であり、言ってみたら最終選考大会みたいな感じです。この大会で誰が大きい大会に州の代表として出れるかが決まります。

これもかなり厄介な時期です。そしてもう一つが

サマーブレイク(夏休み)

カナダの夏休みは小中高生で2カ月間、大学生は3〜4ヶ月間(多すぎ)あります。そしてこれはシーズンが終わった後、よし!!これから来年に向けての基礎練習を頑張るぞ!!というときに訪れます。

そしてこの時期は年で一番のヴァケーションの時期!!カナダ人はこの夏のために生きているといっても過言ではありません。保護者は有給をたっぷり使い子供と一緒に旅行に出かけます。とても素晴らしい話です。日本ではなかなか見られないことですし、本当に羨ましいと思います。

しかし、これのせいで夏休み中、体操クラブから子供が消えます

本当に毎年夏になると

俺はここで何をしているんだ?

といった気持ちになるぐらい選手が体育館に来ません

なのでこのようにこの

クリスマス → 試合の準備ができない

夏休み → 基礎練習ができない

といった悪循環が起こってしまっています。


ではなぜシーズンの流れを変えないのか?


この体操に全く集中できないシーズンの流れ、なぜ変えないのでしょうか?

その理由は簡単です。それは

夏休みを満喫したいから😭

そう!!保護者、選手と続き、コーチまでもカナダ人、夏休み中には選手をおいて旅行に出かけてしまいます

いい一つの例として、2年前から男子のナショナルヘッドコーチとして、イギリスをトップレベルまで押し上げたエドワードという監督がカナダに来ました。そして彼が行ったのは

ナチョナル(カナダ選手権)の後にその試合でいい成績を残した選手だけを集めてのエリートカナダという試合を7月中旬に開催、これをすることにより選手たちも世界選手権までのモチベーションアップに役立ちますし、しっかり夏休み中まで練習をしなくてはいけないというアイディアでした(全日本→NHK みたいな感じです)

しかしその中でカナダ人コーチからの苦情が

シーズンが長すぎてヴァケーションに行けない

といったものでした。

もうなんかどうにでもなっちゃえば?って感じですよね😂

このような形で今もこのシーズンの流れは変わっていません。しかし本当にエドワードには頑張って欲しいですね


まとめ

みなさんどうでしたでしょうか?

私はハッキリいってとても情けない話だなと思います。

選手は強くしたい、でも夏休みを満喫したい。もうどっちかしっかり決めてくれ!!って感じですね(わら

ですがこれが海外で体操を教える醍醐味だと思います。海外特有の考え方の違いをどのように理解しながら強い選手を作っていくのか?というのか私にとってはとてつもなく面白いですし、挑戦したくなっちゃいます。

そして私たちからしたら、そんなヴァケーションにいってるんだったら体操を真剣にやっているわけではないと感じる人もいると思いますが、当の本人たちは真面目に、本気で強い体操選手になろうと思ってやっています。なぜならこのヴァケーションに行くというのは彼らにとって普通に日常であり、練習をサボっているという感覚は全くないからです。

このような考え方や文化の違いが見れるのは本当に面白いですよね😀


今回はずいぶん長く書いてしまったのでまた詳しい話は後ほど

それでは最後まで読んでくれてありがとうございました😀




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